何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 総合技術監理
事業における持続可能性
 とりあえず今年の記述式を振り返ってみたい.このブログを見ている方の多くは建設部門だと思うので,事業を幹線道路ネットワーク整備(質の高いインフラ投資の推進)として考えてみる.
 前文のなかで,事業は「有期のプロジェクトとは異なり,ある程度の継続性を前提としたまとまりとして捉えるべきもの」と書かれている点に注意したい.単発のやっつけ仕事ではなく,河川整備計画に基づく河川改修事業やインフラ点検(国土強靭化の推進・防災)など,当面継続しそうな事業を書く必要がある.

 問い(1)は,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①名称を見ただけで事業の大枠がわからないようであれば,付けた名称がまずい.事業の対象範囲は,幹線道路ネットワーク整備であれば都道府県レベルが妥当か.この段階で,発注者と受注者の別や責任あるポジションなど,自分の立場も明記しておきたい. 
 ②は説明するまでもないだろう.幹線道路ネットワーク整備の目的が書けないようでは,正直どうにもならない.
 ③は,②の目的を達成するために成果物を創出するイメージで書けばよい.目的と成果物がごちゃ混ぜ状態ではいけない.
  
 問い(2)で最も重要な点は,「総合技術監理の視点から」記述しているか否か,である.厳しいようだが,幹線道路ネットワーク整備に対する暫定2車線区間やボトルネック交通容量など,建設部門の内容で紙面を埋めたのでは,総監部門の記述式として評価点はゼロである.ここを勘違いされている受験者が多いのではないか.
 以下,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①の「過去の課題」として,ひとつは経済性管理の視点から品質確保を書けばよいのではないか.耐震設計や品確法によって改善されてきた課題だ.もうひとつは社会環境管理の視点から,舗装材の再利用など建設リサイクルを書けばよい.
 ②の「現在の課題」として,ひとつは経済性管理の視点から費用便益分析の精度向上を書けばよいのではないか.あるいは適切な工期設定や施工時期の平準化でもよい.もうひとつは安全管理の視点から,長時間労働に伴うメンタルヘルス対策(もしくはヒューマンエラー対策)などを書けばよい.あるいは人的資源管理の労働時間管理として課題提起してもよい.
 ③の「将来の課題」は,第4次産業革命(IoT・ビッグデータ・人工知能)の進展を踏まえた課題を考えればよい.ひとつは意思決定に関する情報管理,もうひとつは人的資源管理の視点から人材育成が無難ではないか.
 ①から③まで「持続可能性の観点から」という縛りもあるが,前文の「持続可能性は,……,経済,社会,環境などが将来にわたって適切に維持・保全され,発展できること」という幅広い定義を考えると,「総合技術監理の視点から」記述できていれば,何ら問題はない.

 問い(3)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は,「現在の課題」のうち1つを取り上げるわけだが,「事業を行っている組織内部における制約,外部の事業環境の制約を区別して記せ」と要求されているから,長時間労働に関する課題のほうが書きやすい.
 ②は,解決策をひとつ述べて終わりではなく,多面的に論じたいところ.「方向性にも留意して記すこと」と書かれているので,たとえばハード面(技術発展により乗り越えること)からICT土工による労働時間短縮,ソフト面(社会的なコンセンサスの下で内外の制約を除外すること)から時間外労働に対する上限規制の導入など,視野の広い解決策が望ましい.

 問い(4)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は,「将来の課題」のうち1つを取り上げるわけだが,第4次産業革命の進展に対する人材育成(スキル不足の解消)が書きやすいのではないか.スキル不足から引き起こされる影響を想像するのは難しくないだろう.意思決定に関する情報管理を取り上げるなら,昨年度の記事「第4次産業革命」が参考になるかもしれない.
 ②は短期的管理を意図しているんだから,OJTやOFF-JTなど時間がかかる教育訓練を書いてはいけない.スキル不足から引き起こされる影響が生じた後,青本の「危機管理」として何をするのか,を書く必要がある.要するに,危機が生じてから教育訓練したのでは手遅れということ.顕在化した影響によって内容は異なるが,(たとえ場当たり的であっても)即効性のある方策が必須である.
 ③は中長期的管理を意図しているため,上述した教育訓練に加え,キャリア開発支援を中心にまとめればよい.現在から検討もしくは実施すべき方策だから,お決まりのPDCAサイクルやスパイラルアップを書いてもよいだろう.

 ざっと振り返ってみたが,昨年度と出題傾向は似ているので,問い(2)の課題を「総合技術監理の視点から」整理できているか否か,によって記述式の点数は決まるんじゃないかな?

総合技術監理 | 【2017-07-17(Mon) 11:23:22】
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超スマート社会(Society 5.0)
 23日に「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる「骨太の方針」の骨子が公表された.来月には「骨太の方針」が決定されるようだが,骨子の大幅な変更は考えられないので,前もって技術士試験の受験者は目を通しておくべきだ.特に,総監部門の受験者は,骨子に並んでいるキーワードの意味ぐらいは理解しておきたい.

 人材投資の抜本強化や生産性向上(働き方改革)は,連日あれこれ報道されていると思うので,今さらとやかく言わなくてもよいだろう.ちなみに,豊洲問題の発端ともいえるワイズ・スペンディング(賢い支出),働き方改革と消費喚起の一石二鳥を狙ったプレミアムフライデーなど,何やら失敗の香りがするキーワードはほどほどの理解で十分です.それより択一を1問でも解いたほうが賢い.

 昨年の総監部門は,成長戦略(日本再興戦略2016)のメインテーマだった第4次産業革命(IoT・AI・ビッグデータ)を知っているか否か,で記述式の解答レベルに差がついた.
 今年の成長戦略(日本再興戦略2017)は,超スマート社会(Society:ソサエティー5.0)の実現が柱だから,総監部門の受験者は,記述式対策の一環として予備知識を習得しておくべきだろう.

 Society 5.0は,狩猟社会・農耕社会・工業社会(Society 1.0,2.0,3.0),現在の情報社会(Society 4.0)に続く第5段階の「超スマート社会」らしい.乱暴にまとめると,AIやIoT,ロボットなど第4次産業革命のツールを本格的に社会実装するのが「Society 5.0」だ,と解釈すればよい.
 発信している情報ソースの性質(大企業側のロジック)を差引いて考える必要はあるが,Society 5.0の詳細は経団連の資料がわかりやすいと思います.

PDF:「経済財政運営と改革の基本方針 2017(仮称)」骨子案
PDF:Society 5.0実現による日本再興【概要】(経団連)
PDF:Society 5.0実現による日本再興【本文】(経団連)

―受講者さんへの事務連絡―
 私事で6月3日(土)と4日(日)は添削をお休みさせてください.6月2日(金)に送られたメールは,基本的に6月5日(月)以降の返信になります.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.

総合技術監理 | 【2017-05-26(Fri) 20:04:29】
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シェアリングエコノミー
 トヨタ自動車はトランプ政権への対応に四苦八苦しているようだ……米インディアナ州の工場に680億円を投資して400人を追加雇用するらしい.青本でいうところの経済性管理よりも安全管理(リスクマネジメント)を重視した,いわゆる議員絡みの公共事業と同じイメージか.日本の大企業は,当面アメリカ・ファースト(米国第一主義)というリスクへの対応が問われるんだろう.

 総監部門の受験者に役立ちそうな「UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか」の書評を転載しておこう.「英治出版」という社名にはうさん臭さを感じるかもしれないが,「ロジカル・プレゼンテーション」や「問題解決」など,思いのほか使える書籍が多い.

 UX(ユーザーエクスペリエンス)はITの世界で発展した。デジタルコンテンツやデジタル製品における多様なサービスや機能をユーザーの体験からデザイン、製品化する営みだ。
 IoT、AIの進化によって高機能・高付加価値の製品・サービスが低価格で次々生まれ、生活に浸透しつつある。その流れの中でユーザーの志向も生活を効率的に、また楽しく過ごすために、必要なものを必要な時に必要な分だけ利用するスタイルへと変わりつつある。
 著者はそこに所有から共有(シェアリングエコノミー)への転換の予兆を指摘する。共有の時代には企業や組織、働き方が、垂直型から水平協業型へと転換することがカギとなる。
 先進企業の具体的事例、著者自身の事業での取り組みも交えてUXの時代にふさわしい企業、組織、そして私たちの働き方がどのようにリデザインされるべきかが解説されている。
 シェアリングエコノミーにおける水平協業型社会を実現するためには、行政や経済制度の在り方も変わらなければならない。安定持続する社会、誇るべき文化、豊かな経済生活を享受、体験するための社会的装置の在り方を、個々が考える端緒となる本と思える。
 日経MJ(流通新聞) 2017年1月25日

 平成16年1月に発行された「青本」では,生産の4Mのシェアリングなんて想定していない.現在の経済活動から見ると,すでに「青本」は化石のようなものだ.
 たとえば,味の素・カゴメ・ハウス食品などは,今年3月に北海道,4月には九州エリアで各々が抱えていた物流事業を放棄し,生産要素をシェアリングする.また,昨年10月にはヤマハとホンダが原チャリの生産,開発で提携の検討を始め,来年以降の協業を目指している.ホンダ(ディオ:DIO)とヤマハ(ジョグ:JOG)の絶頂期を知っている世代には感慨深いものがあるなぁ…….
 こうした大企業に限らず,中小零細コンサルなら使用頻度の低いA0長尺を打出すプリンターはシェアしたいと思っているはず.

 一昨日,日本技術士会が「青本頒布の終了について」を公表した.いよいよ青本が改訂されるのか?新たな「青本」が出版されるか否か,は未定だが,総監部門の受験者は,どちらにしても過去問が形骸化する前に合格してしまいたいところ.
 最近の傾向として,建設部門の面接本番を終えられた多くの方が,合格発表待ちの状態で総監部門の添削受講を申込みされています.やはり3月までの時間がもったいないというか,皆さん,せっかく付いた「勉強する癖」をそのまま継続したいという思いもあるようです.

総合技術監理 | 【2017-01-25(Wed) 12:55:11】
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第4次産業革命
 とりあえず今年の記述式を振り返ってみたい.このブログを見ている方の多くは建設部門だと思うので,事業を「インフラ点検」として考えてみる.
 前文のなかで,事業は『継続的若しくは繰り返して行う複数プロジェクトの集合体などでもよい』と書かれているのは,おそらく橋梁や堤防,砂防などのインフラ点検を意識したものと思われる.
 大局的に見て,問い(2)は現在普及している技術,問い(3)はIoT(モノのインターネット),問い(4)は人工知能(AI),これらが作問委員の想定している(採点者が望んでいる)解答ではないだろうか.

 問い(1)は,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は説明するまでもないだろう.点検の目的が書けないようでは,正直どうにもならない.橋梁や護岸など,インフラの種別ぐらいは名称に盛り込んだほうがよい.
 ②は,前文に『定量的な記述が可能なものについては……できるだけ数値を用いて記述すること』と書かれているので,具体的な数で示したほうがよい.この段階で,発注者と受注者の別や責任あるポジションなど,自分の立場も明記しておきたい. 
 ③は,予算や工期の制約,労働力不足(将来予測含む)の状態を説明すればよい.ちなみに,劣化メカニズムや長寿命化計画など,事業内容の概略を長々と書く必要はない.①で事業の大枠がわからないようであれば,付けた名称がまずいということ.
  
 問い(2)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は,橋梁であれば橋梁点検車を書けばよい.『……5年前とか10年前でもよい』のだから,他のインフラでも同レベルの技術でよいと思う.機械ではなく,ビッグデータを取り上げる技術にする手も“あり”だ.ちなみに,この段階でドローンを書いてしまうと,問い(3)以降の解答が苦しくなってしまう.
 ②は,顕在化している技術導入の話なので,○日間の工期短縮,○%のコスト縮減など,定量的な記述を心掛けたい.数値以外では,仮設足場が不要になった反面,片側通行規制が必要になったなど,橋梁点検車の導入による変化を書けばよい.
 ③メリットとデメリットは,総合技術監理の視点(経済性管理・人的資源管理・安全管理……)のうち,経済性管理と安全管理を中心に論述すればよい.後の問いでは解答しづらい社会環境管理も,ここで書いておくのが得策か.トレードオフはコスト(経済性管理)を中心に考えれば,容易に想像がつくはず.

 問い(3)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は,事業が「インフラ点検」なら,IoTの切り札ともいわれるドローンが書きやすい.この機能は説明するまでもないだろう.
 ②は,品質確保でもよいが,マンパワー不足の解消のほうが手堅いか.労働力(投入できる人的資源)そのものが減少している背景状況は,問い(1)の③で示しておかなければいけない.
 ③は,新技術導入に伴う効率化やスピードアップ,それらによって労働力不足が緩和される流れを説明すればよい.解決されない部分は,新技術によって技術者のスキル不足(人的資源管理)やヒューマンエラー(安全管理)が完全に解消するわけじゃないので,このへんを言及すればよい.PDCAサイクルやスパイラルアップの必要性を書いてもよいだろう.
 
 問い(4)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は,AIロボットの一点張りでよい.もちろん,ヒューマノイド(人間型)ロボットに固執する必要はない.
 ②は,人からロボットへと仕事そのものが置換される流れを示せばよい.単に肉体労働や単純作業だけが切替わるのではなく,意思決定そのものをAIに委ねるケースが想定される点にも言及したい.端的にまとめると「価値観の変化」が肝である.
 ③は,上述した意思決定に関する情報管理と,キャリア形成に係る人的資源管理を中心にまとめればよい.導入により新たに生じる可能性のある課題は,人とロボット(の折合い)をどのようにマネジメントしていくか,というマネジメント体系の見直しが本筋になる.ただでさえ古臭い青本に書かれている枠組み(従来の価値観)が変わってしまうわけで……こうした小難しい話よりも,悪意のAI開発に対する技術者倫理を書くのが無難かもしれない.

 ざっと振り返ってみたが,政府の「日本再興戦略」に示されている第4次産業革命(IoT・ビッグデータ・人工知能)やi-Constructionの動向を知っているかどうか,によって難易度の感じ方が大きく異なったんじゃないかな?

総合技術監理 | 【2016-07-18(Mon) 11:20:45】
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燃費試験の不正問題
 平成12年に発覚したリコール隠し以降,経営基盤の衰えは止まらなかったのか.「早期収束と再発防止の道筋を付ける」という社長の発言も,度重なる違法行為だけに信憑性は低い.
 研究開発費の削減で他社との技術格差は広がる一方なのに,他社と同等以上のスペックを要求されていた……見方によってはトレードオフだが,その緩和策として「燃費試験の不正」を採用したのではアカンわ……三菱グループ三綱領の「処事光明」はいったい何なのか.

 三菱自動車の燃費データ改ざん問題で、国土交通省が改ざんがあった「eKワゴン」など軽自動車4車種について、生産・販売に必要な国の認証「型式指定」を取り消す方向で検討を始めたことが29日、関係者への取材で分かった。
 三菱自は4車種の燃費性能を良く見せるため、机上で計算した軽い抵抗値に改ざんするなどしており、国交省は悪質性が高いとみている。
 道路運送車両法は、安全基準への適合や性能水準の維持ができない場合、指定を取り消すことができると規定し、取り消された車種は走行ができなくなる。三菱自は改ざんがあった軽4車種の生産・販売を既に中止している。……中略……
 指定が取り消されると新車は一台一台、車検を受けなければならず、メーカーは実質的に量産できなくなる。生産・販売するには型式を取り直す必要がある。
 国交省は、改ざんがあった軽4車種について来月2日から燃費や排ガス性能の算出に必要なデータを調べる試験を独自に始める。試験結果を踏まえ、型式指定取り消し処分を言い渡す見通しだ。
 日本経済新聞 2016年4月30日

 総監部門の記述式では,プロジェクトを推進していく上での主要なリスク(平成27年度),社会影響(平成26年度),プロジェクトへの課題(平成24年度)など,とかく組織「外部」のリスクに目が行きやすい.
 その反面,昨年度の試験日以降,マンション傾斜(杭打ちデータ改ざん)や東芝の不適切会計に加え,今回の燃費不正など,組織「内部」の不祥事が相次いでいる.企業の不祥事だけを取上げたが,公務員の不祥事も組織「内部」の問題です.
 今年度は,熊本地震に対する事業継続計画(BCP)ばかりに着目するのではなく,組織「内部」のリスクもイメージしておいたほうがよい.換言すると,組織の社会的責任(SR)やISO26000に関する出題もありうるということ.

 青本P.70には,「基本的に性悪説に立つものがX理論,性善説に立つものがY理論であり,現代の組織運営ではY理論に基づいたやる気を引き出す管理が適している」と書かれている.択一式の正解は決まっているが,実際はY理論(性善説)を単純に採用すればよいというものではない.
 春秋戦国時代の孟子(性善説)や荀子・韓非子(性悪説)まで引合いに出す必要はないが,誰しも不正する可能性を潜在的に持っているんだから,性善・性悪説にとらわれず,人が介すればそこにリスクは生じると考えるべきなんだろう.

―受講者さんへの事務連絡―
 現時点で,建設部門と総監部門のどちらも,記述式の想定問題は最終問題まで(択一問題集も全部)配布済みです.
 建設部門は15問〔内訳:Ⅱ-1(専門知識)想定問題その5(2問ずつ問題あり)まで,Ⅱ-2(応用能力)想定問題その5まで,Ⅲ(課題解決能力)想定問題その5まで〕と,必須科目の択一問題集(第1巻・第2巻)を配布済みです.
 総監部門は記述式7問(想定問題その7まで)と択一問題集第1巻(経済性管理)・第2巻(人的資源管理)・第3巻(情報管理)・第4巻(安全管理)・第5巻(社会環境管理)を配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

総合技術監理 | 【2016-05-02(Mon) 12:46:11】
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新国立競技場
 総監部門の記述式では,想定する国際的なイベントを「東京オリンピック」として書かれた方もいるんじゃないかな?(解説は「ISO31000」を参考にしてみてください).前文の最初に「2020年には東京でオリンピック・パラリンピック競技大会が開催……」と書かれていたんだから,口頭試験で問われるかもしれない「新国立競技場」の動向には注意しておきましょう.

 政府は28日、2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の見直しを進めてきた関係閣僚会議(議長・遠藤利明五輪相)を首相官邸で開き、総面積を約1割減らし、整備費の上限を1550億円とする新たな整備計画を決定した。旧計画に比べ約1千億円の圧縮となる。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が計画に基づき募集条件を作成し、9月1日から事業者を公募する。
 座席数は五輪の大会開催時は6万8千席とし、五輪以降、サッカーのワールドカップ(W杯)の招致を行う場合などには8万席に拡張できる仕様とする。その場合、トラック上に座席を設置することになり、陸上競技は行えなくなる。
 競技場の機能はスポーツ競技に限定。旧計画のスポーツ博物館やフィットネスクラブの設置などは取りやめ、ラウンジや観覧ボックス席などの面積を縮減。総面積は旧計画に比べ13%減となる約19.5万平方メートルとした。
 旧計画でデザインコンペの条件としていた開閉式屋根はなくし、客席上部のみを覆う構造として屋根のコストを950億円から238億円まで削減。最終的に整備費は競技場本体で1350億円、周辺整備で200億円を見込み、総額の上限を1550億円に設定した。

 日本経済新聞 2015年8月28日:新国立、総面積1割減・1000億円圧縮 整備計画を決定 (下線表記は加工)

 今からコンペを実施,詳細設計していたのでは,ボトルネックの工期(施工期間)がどんどん短くなってしまうだけじゃないか?工期の逼迫は,青本の「生産の4M」を集中投入する必要に駆られるわけで,ひいては工事費の膨張につながる.
 再度コンペをしなくても,ザハ案の問題箇所(キールアーチ構造の屋根)だけを白紙撤回して,それ以外の箇所を修正,予算内に収めればいいんじゃないかな?うまくいけば,2019年ラグビー・ワールドカップにも間に合うし,そのほうが現実的だと思うんだけど……このへん政府の対応は理解に苦しむ.

 屋根が無いザハ案は1,500億円程度だったし,ラウンジやレストラン,スポーツジムやイベントエリアなど収益が見込める施設もスタジアム内部に完備されていた.それに対し,1,550億円を上限とする新整備計画は,機能をスポーツ競技に限定し,収益施設は軒並み撤去,縮減するようだ(引用記事の下線).こうした施設を削減するかわりに,車いす席やエレベーターなど「世界最高のユニバーサルデザイン」を導入するらしいが,これらは(言葉は悪いけど)ドル箱にならない.
 ただでさえ1年間に開催できるイベント数は限定されているのに,収益施設が貧弱で,コンサートやイベントでの利用も困難となると,オリンピック開催後の黒字化は相当苦しいはず.要するに,青本の「フィージビリティ・スタディ(実行可能性調査)」が甘いんじゃないの?ということ.
 そのへんの居酒屋談義になってしまったが,先進国開催のオリンピックで経済効果を狙うのなら,「オリンピックだから」という大義名分で大々的に工事(無駄遣いのゴリ押し!?)をするしかない.それは理解できるんだけど,さすがに新国立競技場は負の象徴になる予感がする. 

―平成28年(来年)度の受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は記述式2問〔内訳:Ⅱ-1(専門知識)想定問題その2(2問ずつ問題あり)まで〕を配布済みです.総監部門は想定問題その1を配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

総合技術監理 | 【2015-08-29(Sat) 11:53:33】
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