何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 建設一般
平成28年度 国土交通白書
 本日公表された「平成28年度 国土交通白書」は,困ったときのイノベーション頼みのようだ.そんな頻繁にイノベーションなんて起きないんだから,無責任な信仰はそろそろ止めたほうが……とはいえ,やたら「イノベーション=技術革新」と勘違いした報道が多いなか,白書の「はじめに」でイノベーションをきちんと定義した点は評価したい.
 以下に抜粋した項目だけでも概要のイメージはできると思います.

第Ⅰ部 イノベーションが切り拓く新時代と国土交通行政

第1章 我が国の発展とイノベーション
 第1節 我が国を取り巻く環境と社会経済状況
 第2節 我が国のイノベーションの現状
 第3節 イノベーションの歴史

第2章 イノベーションの創出と社会実装に向けた現在の取組みと課題
 第1節 イノベーションの創出と社会実装に向けた各国の取組み
 第2節 国土交通省における新たな技術・サービスの社会実装の取組み状況
 第3節 国土交通分野におけるイノベーションの課題と今後の取組みに求められること

第3章 イノベーションから産まれる未来への展望
 第1節 予想される未来の社会環境
 第2節 イノベーションが描く2050年の我が国

 第Ⅱ部に書かれている毎度お決まりの施策については,頻出キーワードの記憶定着を目的に斜め読みすればよい.選択科目Ⅲでは,最新の社会的な変化に対する課題の抽出が求められるので,第Ⅰ部の大要も把握しておきたいところ.白書の一字一句を追いかける必要はないが,最低でも「PDF:平成28年度国土交通白書(概要)」には軽く目を通しておくべきだと思う.
 以前のブログ記事「超スマート社会(Society 5.0)」も参考になるかな?

 そろそろ毎年言っている小言でも.
 いよいよ筆記試験が間近に迫ってきたので,自分なりに取捨選択して「やめること」を決めてください.あれもこれも手広くやっておきたい気持ちはわかりますが,「やること」ばかりで時間が足りないのは明らかです.
 試験日までの残り日数を考えると,建設部門の受験者は足切が実施される択一式に注力したほうがよいと思います.短期的な勉強によって点数が伸びる択一に注力すべき,という点は総監部門も同じです.

 択一式は機械的に覚えるしかないが,記述式の覚える範囲(暗記する量)は,自らのレベルに応じて自分で決めればよい.ちなみに,準備した論文を一字一句丸暗記するよりも,現状や課題,解決策など,それぞれのパーツを確実に覚えるスタイルのほうがよいと思います.そうしないと,想定外の出題のときに対応できないので.
 試験当日は,どれだけの知識が自分の頭にインプットされているか,これだけが頼みの綱になります.いくら論理構成が立派でも,アウトプットすべき知識の絶対量が不足していたのでは目も当てられません.くどいようですが,現時点での自らのレベルを冷徹に見極め,自らのレベルに応じて覚える範囲を決めてください.それが「やめること」を決めるアクションにもつながります.

建設一般 | 【2017-06-30(Fri) 20:11:03】
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パリ協定
 来年度の筆記対策はもちろんだが,今年度の口頭試験対策としても「パリ協定」の動向は把握しておきたい.とはいえ,マスコミは「バスに乗り遅れるな」の論調ばかり……尻に火が付いてから行動したのでは置いてきぼりを食らうわなぁ…….
 パリ協定を批准するためには,衆参両院の承認を得た後,再度の閣議決定を経て,批准文書を国連事務局に提出する手続きが必要だから,普通に考えると10月19日には間に合わない.科学技術的なファクターを後回しにする,お得意の「高度な政治的判断」が下されれば話は別だが.

 政府は11日、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の批准承認案を閣議決定した。同日中にも国会へ提出する。
 パリ協定は11月4日に発効するが、日本は国会審議の日程の問題で、4日までに批准することは難しい情勢だ。同7~18日にモロッコのマラケシュで開く第22回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)に間に合うかどうかが今後の焦点となる。
 COP22の期間中に並行して温暖化対策の具体化について話し合う第1回締約国会議(CMA1)が開催される見通しで、同会議での発言権を得るには、今月19日まで批准したことを国連に報告する必要がある。国会では参院で先行審議する見通しだが、19日までには間に合わないとみられ、日本抜きで議論が進む恐れが出ている。
 日本経済新聞 2016年10月11日

 「パリ協定」のポイントは以下のような感じ.米中欧が意図している外交カードや温暖化ビジネスなど,いわゆる本音の視点は抜きです.

・世界196か国・地域,途上国も含むすべてが参加する初めての枠組みである.
・2020年以降の地球温暖化対策の枠組みを定めた協定である.
・産業革命前からの世界平均気温の上昇幅を2℃より十分低く保ち,かつ1.5℃に抑える努力を追求する.
・今世紀後半,人間活動による温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする.
・すべての国が温暖化ガスの削減目標を策定し,5年ごとに提出する. 
・国際的に目標達成状況を検証,見える化する(目標達成義務は無し).
・目標は5年ごとに見直し(PDCAサイクル)する.

 現在の日本は,削減目標として2030年 -26%(2013年度比)を世界に約束しているが,この数値は1990年比-18%であって,目標そのものが低レベル(1990年比:アメリカ-27%,欧州連合-40%)だ……やはり原子力抜きで二酸化炭素の削減計画を策定しても絵に描いた餅か.
 このへん従来の取組みやこれまでの経緯,科学的論争(温暖化が人間活動によるものかどうか)など,自分の頭を整理したいのなら,「地球温暖化は解決できるのか―パリ協定から未来へ!」 がおすすめです.環境省のウェブサイトは細かすぎてよくわからん……から,その代替措置とも言えるが.それにしても,岩波ジュニア新書は良書が多いが,これを読む中高生は想像しづらい.岩波書店は誰をターゲットにして「ジュニア」という名称を使っているんだろうか.

Amazon:地球温暖化は解決できるのか―パリ協定から未来へ! (岩波ジュニア新書) 小西 雅子(著)
参考ウェブサイト:国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)及び京都議定書第11回締約国会合(COP/MOP11)の結果について

―受講者の皆さんへ―
 来週末の10月22日(土曜日)と23日(日曜日)は,添削講座を通じて知り合った合格者さんたちとの懇親会なので添削できないと思います.10月21日に送られたメールは,基本的に10月25日以降の返信になります.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.
 現在受講されている方も,ぜひ合格していただいて,次回の懇親会への参加をお待ちしております.
―平成29年(来年)度の受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は記述式4問〔内訳:Ⅱ-1(専門知識)想定問題その2(2問ずつ問題あり)まで,Ⅱ-2(応用能力)想定問題その2まで〕を配布済みです.
 総監部門は記述式2問(想定問題その2まで)を配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

建設一般 | 【2016-10-13(Thu) 18:08:52】
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平成27年度 国土交通白書
 昨日公表された「平成27年度 国土交通白書」は生産性革命らしい.日経コンストラクション6月13日号にも書かれていたが,国土交通省生産性革命プロジェクトi-Constructionから考えると順当な流れか.
 以下に抜粋した項目だけでも概要のイメージはできると思います.

第Ⅰ部 我が国の経済成長を支える国土交通行政の展開
     ~生産性革命をもたらす戦略的なインフラマネジメント~

第1章 我が国の経済と国土交通行政の関わり
 第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境
 第2節 経済動向とインフラ整備

第2章 生産性革命をもたらす戦略的なインフラマネジメント
 第1節 ストック効果最大化を目指して
 第2節 官民連携によるインフラの効率的な整備と運用
 第3節 民間事業者の意識調査結果と分析

第3章 新たな市場の開拓・拡大、担い手の確保、新技術導入等
 第1節 新たな市場の開拓・拡大
 第2節 インフラ整備の担い手確保、現場の生産性向上、新技術導入等

追部 平成28年(2016年)熊本地震への対応

 平成27年度の白書は来月の必須科目(択一式)で出題されないと思うが,第Ⅱ部に書かれている毎度お決まりの施策については,類似問題もあるので復習しておきましょう.何はともあれ,選択科目Ⅲ(課題解決能力を問う設問)では,最新の社会的な変化に対する課題の抽出が求められるので,一通り目を通しておくべきだと思う.
 以前のブログ記事「ストック効果」も参考になるかな?

 生産性は投入量と産出量の比率だが,生産性を問うとき,とかく投入量(労働や資本など生産要素)の効率化が重視される.東京オリンピックや東日本大震災など,産出量(新設されるインフラ)が多い地域ではごもっともだ.
 対照的に産出量が漸減している場合,投入量はそれ以上のスピードで削減されるケースが多いため,見かけ上の生産性は改善してしまう.要するに,新規事業を減らして点検・維持管理ばかり増やしていたのでは,アベノミクスの三本の矢と同じく,生産性向上はまやかしになってしまうということ.
 まー,産出量(インフラ)の価値(ストック効果)を高く見積もれば自動的に生産性は向上する,というトリックもあるから,生産性という目先の数字ばかり追いかけても意味がない.

 生産性革命の目玉ともいえるi-Constructionは,某社の販促資料そのままという噂もあるようだ.国交省ウェブサイトの報告書より,スマートコンストラクション コンセプト映像(YouTube【音量注意】)のほうが理解しやすくなっているのは,噂の裏付けかもしれない.

建設一般 | 【2016-06-11(Sat) 09:13:27】
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ストック効果
 平成28年度の選択科目Ⅲ(課題解決能力)問題は,道路科目に限らず,建設部門すべて「ストック効果」がキーワードになるかもしれない.
 昨年9月に閣議決定した「第4次社会資本整備重点計画」でも,「厳しい財政制約の下,4つの構造的課題に対応し,社会資本のストック効果が最大限に発揮されるよう,既存施設に係る戦略的メンテナンスと有効活用(賢く使う取組)に重点的に取り組む」と明記されている.
 ちなみに,4つの構造的課題は,加速するインフラ老朽化,切迫する巨大地震や激甚化する気象災害,人口減少に伴う地方の疲弊,激化する国際競争だが,加速する・切迫する・激化するなどの修飾語を除くと,一昔前からの課題じゃないかな?

 「社会資本整備の目的・役割に応じて,優先度や時間軸を考慮した選択と集中の徹底を図る」とも記されているが,「選択と集中」は使い古された感があるなぁ…….安全安心インフラ,生活インフラ,成長インフラ,これらに分類するだけで手間はかかるんだから,わざわざ分けなくてもいいんじゃないか.

 国土交通省が、中長期的に経済効果を発揮する「ストック効果」を重視したインフラの整備を進めている。下水道や橋梁など老朽化が進んで更新が必要な事業も多く、新たな投資には限りがあることから、投資効果のあるインフラ整備を選んで進めていくものだ。実際に効果が表れている整備事例もあり、民間投資を呼び込む成長戦略としても期待が持たれている。

 社会資本として整備されるインフラの効果は、「フロー効果」と「ストック効果」に分けられる。フロー効果は公共投資によって生産や雇用、消費などの経済活動が派生的に創出され、短期的に経済を拡大させる効果を持っている。経済の下降局面で緊急策として実施される機動的な財政政策に伴う整備がそれだ。しかし、その効果は2、3年程度しか続かない。国交省は、整備直後から中長期の民間投資が喚起でき、生産性向上といったストック効果が期待できるインフラ整備に重点を置くように方針を変えることにした。

 同省はストック効果について「道路や港湾、堤防といったインフラの蓄積はアクセス性の向上や物流コストの低減、水害の防止など経済活動の効率性を高め、投資リスクを低減する。その結果、生産力が拡大し、工場の立地・雇用の増加など暮らしや地域経済に長期にわたって効果をもたらす」と説明している。そのうえで、既存施設の最大限の活用やソフト面での施策の展開、既存施設の集約再編なども進める。本格的な人口減少や切迫した巨大災害などに備えて国交省が描く国家ビジョン「国土のグランドデザイン2050」や「社会資本整備重点計画」にもつながるものだ。……以下,省略……

 毎日新聞 2015年8月10日:毎日フォーラム・特集 ストック効果 (下線表記は加工)

 ずいぶん前の記事を引用したが,要するに,景気対策としての「フロー効果」重視からの脱却を目指すということ.この際,フロー効果とストック効果をきちんと勉強しておくつもりなら,「インフラ・ストック効果 - 新時代の社会資本整備の指針」が経済学的側面も押さえているのでオススメです.
 ここ最近の世界経済の動向から考えると,票田対策!?としての「フロー効果」重視へ逆戻りしそうな感じもするんだけど.

 結局,ストックがもたらす経済効果(B/Cで補足できない効果)をどのようにして評価するのか,それを整備の優先順位付けにどのようにして盛込むのか,が目先の課題なんだろう.
 また,一日一夕には完成しないインフラ整備に対し,ストック効果を基準として選択と集中を進めるためには,「長期的にどのような地域を目指していくのか」という確固たるグランドデザインも必須だ.
 グランドデザイン=とりあえずコンパクトシティのような短絡的な考えではなく,きちんと長期的展望を持っている地域がどれだけあるんだろうか……このへんをないがしろにしたままでは,ストック効果が最大限に発揮される社会資本整備は机上の空論じゃないかな?

PDF:第4次社会資本整備重点計画の概要
PDF:第4次社会資本整備重点計画(本文)
PDF:社会資本のストック効果について
参考ウェブサイト:「国土交通」No.133(2015.8-9)
Amazon:インフラ・ストック効果 - 新時代の社会資本整備の指針 インフラ政策研究会 (編)

―受講者さんへの事務連絡―
 現時点で,建設部門は11問〔内訳:Ⅱ-1(専門知識)想定問題その4(2問ずつ問題あり)まで,Ⅱ-2(応用能力)想定問題その4まで,Ⅲ(課題解決能力)想定問題その3まで〕と,必須科目の択一問題集(第1巻・第2巻)を配布済みです.
 総監部門は記述式6問(想定問題その6まで)と択一問題集第1巻(経済性管理)・第2巻(人的資源管理)・第3巻(情報管理)・第4巻(安全管理)・第5巻(社会環境管理)を配布済みです.
 なお,両部門ともに,業務経歴票の書き方に関する資料(願書【業務内容の詳細欄】など)も配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

建設一般 | 【2016-02-06(Sat) 12:08:58】
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平成26年度 国土交通白書
 「平成26年度 国土交通白書」にざっと目を通したが,「国土のグランドデザイン2050」を踏襲しただけの印象を受けた.このへん地方創生や国土形成計画など,複数の施策とリンクしているから必然の結果なんだけど.以前のブログ記事「国土のグランドデザイン2050」も再読してみてください. 
 今月1日に総務省が発表した「住民基本台帳に基づく人口動態調査」によると,三大都市圏では東京圏のみが増加を続けており,引用した記事にも書かれている「東京一極集中」は深刻化している状態です.

 太田国土交通相は30日の閣議で、2014年度国土交通白書を提出した。人口減少のペースを緩めるため、東京一極集中を是正し、子育てと仕事が両立しやすい地方への移住を促すべきだと強調した。
 白書は、東京都や大阪府といった都市部では通勤時間が長いなどの要因で、出産・子育てと仕事の両立が難しく「二者択一」を迫られている可能性があると分析。
 一方、福井県や島根県などで出生率や女性の就業率が高いのは、3世代同居や保育所への入りやすさ、職住近接が影響していると考えられると指摘。地方部では女性が離職せずに出産・子育てできる環境に恵まれているとした。

 共同通信 2015年6月30日:育児と仕事両立の地方移住を促進 14年度の国交白書(下線表記は加工)

 白書では「高齢の世代は,移住に関して総じて満足度が高い」と分析しているが,地方の本音は高齢世代ではなく若者世代に移住してほしいわけだ.白書から逸脱するかもしれないが,首都圏の医療・介護体制が不足するから「なんとか地方でまかなってくれ」という高齢者地方移住策では,それこそ姥捨て山だし,これが地方創生の目玉では二の句が継げない.
 若者世代を移住・定住させるためには,白書に書かれている「就業の場を用意し,買い物環境や交通インフラの充実等,都市的な利便性を一定程度提供する」必要があるし,これらはカネがかかっても地方の優先課題である.こうした基盤整備を後回しにして,場当たり的な若者定住促進補助金や優遇税制などに頼ってしまうと,ふるさと納税と同様に特典競争が過熱し,いずれ地方全体が疲弊してしまうんじゃないか?

 作問時期から考えると,平成26年度の白書は今年度の択一式で出題されないと思うので,PDFをわざわざ印刷して全ページ熟読する必要はない.とはいえ,第Ⅱ部に書かれている毎度お決まりの施策については,パソコンやタブレットの画面上で復習しておきましょう.同様に,選択科目Ⅲ(課題解決能力)は,最新の社会的な変化に対する課題の抽出が求められるので,第Ⅰ部もざっと目を通しておくべきだと思う.

建設一般 | 【2015-07-04(Sat) 10:34:59】
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国土のグランドデザイン2050
 「新たな国土形成計画(全国計画)中間整理」(以下,略称:国土形成計画)が公表された.これは昨年公表された「国土のグランドデザイン2050」(以下,略称:グランドデザイン)の短期計画みたいなものであり,今後10年間の基本的方針が示されている.国土形成計画に書かれている「日本の命運を決する10年」は興に乗じた表現としても,最近の公文書はやたらと煽り文句を並べているような……インパクトを与えようとしてもミヤネ屋が飛びつくとは思えないが……せいぜいニュースウォッチ9ぐらいか.
 グランドデザインと国土形成計画の両方を熟読しなくても,建設部門の受験者はグランドデザインだけ押さえておけば十分だと思う.都市計画及び地方計画の受験者は,各自で判断してください.

2.時代の潮流と課題
(1)急激な人口減少、少子化:[A]
(2)異次元の高齢化の進展:[B]
(3)都市間競争の激化などグローバリゼーションの進展:[C]
(4)巨大災害の切迫、インフラの老朽化:[D]
(5)食料・水・エネルギーの制約、地球環境問題:[E]
(6)ICTの劇的な進歩など技術革新の進展:[F]
4.基本戦略
(1)国土の細胞としての「小さな拠点」と、高次地方都市連合等の構築:[A][B]
(2)攻めのコンパクト・新産業連合・価値創造の場づくり:[A][B]
(3)スーパー・メガリージョンと新たなリンクの形成:[A][B][C]
(4)日本海・太平洋2面活用型国土と圏域間対流の促進:[C]
(5)国の光を観せる観光立国の実現:[C]
(6)田舎暮らしの促進による地方への人の流れの創出:[A][B]
(7)子供から高齢者まで生き生きと暮らせるコミュニティの再構築:[A][B]
(8)美しく、災害に強い国土:[D]
(9)インフラを賢く使う:[A]~[F]の横断的事項
(10)民間活力や技術革新を取り込む社会:[F]
(11)国土・地域の担い手づくり:[A]~[F]の横断的事項
(12)戦略的サブシステムの構築も含めたエネルギー制約・環境問題への対応:[E]

 グランドデザインの目次を加工,掲載したが,追記した[A]~[F]は課題と解決策のつながりである.このへんの説明は『国土のグランドデザイン2050』が描くこの国の未来がわかりやすい.というか,ネット上の資料だけで理解するのは難しいかも……編著者は書籍の購入を示唆しているのか?現行の技術士試験は論理的整合性が鍵となるので,課題と解決策のつながりは確実に把握しておきたい.
 ちなみに,「時代の潮流と課題」は総監部門の受験者も目を通しておくべきだ.もちろん,解決策は建設技術を駆使したものではなく,総監技術の視点が求められる点にご注意を.

 グランドデザインの「基本的考え方」としては,多様性(ダイバーシティ),連携(コネクティビティ),災害への粘り強くしなやかな対応(レジリエンス),これら3つの基本理念と,コンパクト+ネットワークがメインと考えればよい.
 約60年ぶりに小中学校統廃合の手引きを改定するなど,国はコンパクトを目指しているようだが,地域住民の合意形成は一筋縄でいかない.また,消滅可能性都市(一昔前の限界集落)からの住民移転は,消滅や限界というネガティブな言葉への反発,うまく言うと“地域に対する愛着(郷土愛)”が理知的な判断を妨げるし……やはりコンパクトはユートピアか.コンパクトあってこそのネットワークが本来あるべき姿だが,予算取りしやすく,地域住民の反対も少ないネットワーク整備ばかりが先行するのではないか.
 グランドデザインにおける「目指すべき国土の姿」としては,実物空間と知識・情報空間が融合した「対流促進型国土」の形成を理解しておきたい.

Amazon:『国土のグランドデザイン2050』が描くこの国の未来:国土交通省国土政策研究会(編著)
PDF:「国土のグランドデザイン2050」概要
PDF:「国土のグランドデザイン2050」本文
PDF:新たな国土形成計画(全国計画)中間整理 概要
PDF:新たな国土形成計画(全国計画)中間整理 本文

―受講者さんへの事務連絡―
 現時点で,建設部門は10問〔内訳:Ⅱ-1(専門知識)想定問題その5(2問ずつ問題あり)まで,Ⅱ-2(応用能力)想定問題その5まで〕と,必須科目の択一問題集(第1巻・第2巻)を配布済みです.
 総監部門は記述式6問(想定問題その6まで)と択一問題集第1巻(経済性管理)・第2巻(人的資源管理)・第3巻(情報管理)・第4巻(安全管理)・第5巻(社会環境管理)を配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

建設一般 | 【2015-01-20(Tue) 18:13:20】
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