何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2006年09月
温暖化ハリケーン説に圧力かけてどーすんの?
 口頭試験の準備をしている人は,倫理に対する自分の考えも準備しておきましょう.なお,倫理問題は計算問題と違って,唯一の解はありません.その時に下した対応が正しいのかどうかは,長い時間を経てからでないと判断できないので.
 

米海洋大気局(NOAA)が「地球温暖化がハリケーンの増加や強暴化の一因になっている」とする報告書を発表しようとしたところ、ブッシュ政権に阻止された、と英科学誌ネイチャーが電子版で報じた。
 AP通信によると、NOAAは今年2月に温暖化とハリケーンとの関係を検討するため、専門家7人でつくる内部委員会を設置。6月に、温暖化の影響を指摘した報告書を発表する予定だったが、取りやめた。

 その経緯について、ネイチャーは、NOAAを所管する米商務省から委員会の議長あてに「報告書はもっと専門性の低いものが求められている」として、公表の中止を促す電子メールが送られてきたためだ、と伝えた。一方、NOAAのローテンバッハ長官はネイチャーの取材に「報告書は単なる内部文書で、公表するものではない」などと答えたという。
 米国では昨年、ハリケーンが観測史上最多の15個(事後認定を含む)も発生。8月末に米南部を襲った「カトリーナ」では、1300人余りの死者が出た。

 ハリケーンや台風と温暖化との関係をめぐっては、温暖化が規模の大型化につながっているとする研究報告が近年、相次いで発表されている。
 しかし、ブッシュ政権は、地球温暖化が大気中の二酸化炭素濃度の上昇など「人為的原因」によるものか、自然現象なのかは不明だとする立場をとっており、温室効果ガスの排出削減対策には消極的だ。
 「asahi.com 2006年9月28日」


 人為的なものか自然現象なのか,という地球温暖化の原因は,誰もが納得する形で示されていないのが現状でしょう.扱うデータ量が膨大すぎるから,局所的な解明しかできていないような気がします.地球シミュレータのシミュレートも,絶対的なものではないでしょうし……何事にも不確実性は存在します.
 もちろん,こんな考えは筆記試験で書く必要はありません.地球が温暖化しているという事実と,その原因が何か,というのは別の話ですから.筆記試験で求められるのは事実認識だけです.

 こうやって考えると,地球温暖化の原因をめぐる議論は,消費者物価指数などを見て,景気が上昇しているのか後退しているのか,と好き勝手に予想するアナリストやエコノミストと大差ないような気がします.でも,こうしたアナリストなどの予想は,政府が規制することはありません.堂々と日銀の量的緩和解除が早すぎたと批判する人がいる反面,立派な御用学者もおられます……あはは.
 
 風前の灯であるブッシュ政権が,温室効果ガスの排出削減対策に消極的であっても,言論を規制したらまずいんじゃないかな.この記事のように「地球温暖化がハリケーンの増加や強暴化の一因になっている」というのもひとつの意見ですし,「地球温暖化がメタンハイドレートを溶かすから,さらに温暖化が加速する」なんていうのも考え方のひとつです.
 いろんな意見があるからこそ,実りある対策ができるわけだし,それこそ自由の国アメリカではないのかな.
 
 倫理問題を考えるうえで最も基本的なことは,いろいろな意見(考え方)があるということを強く認識しておくことです……人間は誰でも自分の都合がいいように物事を解釈しがちですから.この基本ができていないと,独り善がりの倫理になってしまいますよ.

―今日のことわざ―
前車の覆るは後車の戒め


建設一般 | 【2006-09-28(Thu) 19:22:36】
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シュワちゃん踏張れるか?
 口頭試験の準備をされている人は,今年出題されなかった地球温暖化について,その動向など勉強しておきましょう.ありきたりの教科書に書いてあることじゃなくって,口頭試験では最近の動向が大事ですよ.

 米カリフォルニア州司法当局が、自動車から排出される二酸化炭素は温暖化を引き起こし、農業被害や健康被害をもたらしてきたとして、日米の自動車メーカー6社を相手取った損害賠償訴訟を起こした。賠償請求額や訴訟がどのように進んでいくのか不明だが、自動車を地球温暖化の主因に据えたことの意味は大きい。

 カリフォルニア州は歴史的にも環境問題への関心が高い。これまでも、全米に先駆けた排出ガス規制を講じてきた。先ごろは州議会で産業界に対し20年までに温室効果ガスを現在より25%削減する義務を課す法案が可決された。米国ではエネルギー業界や自動車業界への配慮から、ブッシュ政権は京都議定書から離脱している。温暖化対策は自主努力が基本との姿勢だ。それに対して、地方レベルでは、北東部でも共同で温室効果ガスの削減や、二酸化炭素の排出量取引を行う動きが出ている。
……中略……
 米国が温暖化防止で国際協調を重視する方向に転換し、その手法として自動車社会の見直しやクリーンな自動車への切り替えを進めることになれば、世界に与える影響は大きい。膠着(こうちゃく)状態にある京都議定書後の議論にも展望が開けてくる。
 地球温暖化対策は一筋縄でいくものではない。自動車という最もやっかいな排出源に手を着けることができれば、解決の糸口は見えてくる。今回の提訴の是非はともかく、米国の政府や社会に与える影響に注目したい。「毎日新聞社説 2006年9月26日」


 シュワちゃんの頑張りは評価しますが,はたして司法の場で自動車を悪者にすることができるんでしょうか.アメリカ国内はもちろん,日本の景気回復も外需頼みですから,自動車産業がコケると世界経済が狂ってしまいます……地球温暖化防止も大切ですが日々の生活も大切だぞと.

 いくら先進国が自動車社会を見直しても,中国やロシアのように,これから車が売れそうな国はたくさんあるんだから,収拾つかないと思うのですが.ハイブリッドのようなクリーンな自動車への切替えを促進させたいようですが,まだまだ庶民には高嶺の花じゃないかな……もちろん中国やロシアなんかも.

 最近のテレビ報道では,自動車産業(外需企業)は業績回復となっていますが,円安による為替差益でごまかしているだけのような気がします.首都圏の一部は別として,基本的に内需はまったく回復してないし……地域活性化なんて綺麗ごとを言っても,地方はケインズ政策頼みしかないんじゃないかな.
 すでにアメリカは景気後退局面に入っていますし,自動車販売も「ヴィッツ:欧州名ヤリス」や「フィット:欧州名ジャズ」というコンパクトカーでなんとか台数を稼いでいる状態だと思うのですが.
 地球温暖化防止からまったく違う話になってしまった……よくあることです……あはは.

―今日のことわざ―
大軍に関所なし


建設一般 | 【2006-09-26(Tue) 17:32:26】
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ヒューマンエラーならいいのか?
 ひさびさの更新です……業務が忙しいというか,気候的にものんびりする時期というか……,そろそろブログの更新もマメにしないとマズイかな.
 総合技術監理の添削については,要望が多かったので今年から始めることにしました.
 

ドイツ北西部ラーテンで22日午前9時半(日本時間同日午後4時半)ごろ、実験走行中のリニアモーターカーが軌道上の作業車両と衝突した事故で、死者は23人に増え、けが人は10人に達した。
 AP通信によると、運行会社は「事故は技術的なミスでなく、人的ミス」と原因を示唆している。ドイツの検察当局は、通信記録を押収し、事故原因を調べている。
 事故があったのは、全長32キロ・メートルのテストコース。車両は無人の遠隔操作による運転で、29人が試乗、事故当時、時速200キロで走行中だったと見られる。2人の作業員が乗っていた作業車両は、軌道の検査などのために運行されるが、事故当時、なぜ軌道にいたのかは分かっていない。
 ……中略……
 また、ヘリコプターで事故現場に到着したメルケル首相は「(リニアモーターカーは)技術的には問題なく、安全だ」と強調した。「YOMIURI ONLINE 2006年9月23日」


 こういった大事故の後には,毎度のことながら,マシン(製品)が悪いんじゃないヒューマンエラーなんだ,という主張が多いですね……わが身の可愛さかな.本来,起こりうるヒューマンエラーを予測しておくことが重要なんであって,普通の考えではありえないことを予測するんだから柔軟な発想が求められます……そのため企業には多種多様な人材が必要になるはずなんだが.
 どうでもいいことですが,企業の不祥事におけるマスコミ報道には注意が必要です.トヨタと三菱がリコールしても,それらの叩き方には差がありすぎて開いた口がふさがらん……広告宣伝費の差なんだろうな……これも企業のチカラか???最近問題になっているワーキングプアでも,トヨタや松下,キャノンなんか偽装請負の確信犯だと思うんだけど.

 どんな乗り物でも事故が起きるリスクはゼロではありません.乗客(利用者)がリターンを得るためリスクを取って乗るわけです.でも,飛行機より自動車のほうが事故に遭うリスクは高いのに,大半の人が空を飛ぶものを嫌がりますよね.これって,御巣鷹山のような大事故を見せつけられた「恐怖という心理的な側面」はリスクやリターンじゃ表せないってことだと思います.どんな乗り物でも,大事故が起きるまでは順調に利用者が増えるんじゃないかな……もちろんリニモも.
 あと,当たり前の話ですが,リスクとリターンはステークホルダーによって異なることを忘れずに……唯一の解を求める人が多いんですがベストの選択はないってことです.
 
 日本が権益を持つイランのアザデガン油田も,リスクとリターンがステークホルダーによって異なります.アメリカとの同盟を重視する外務省と,原油供給を増やしたい経済産業省なんかがそうです.
 もし外務省にとってベストな選択をした場合,イランの核開発政策に反対,油田開発断念,原油輸入の減少,インフレリスク……これじゃ経済産業省の立場はないでしょう.かといって経済産業省も核開発賛成とは言えない……そのためベストではなくベターな選択が求められるわけです.

総合技術監理 | 【2006-09-23(Sat) 15:16:27】
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カーシェアリングは我慢が大事?
 口頭試験の準備をされている方は,今年出題された問題に関する話題ぐらいはチェックしておきたいもんです.もちろん,自分が解答した問題以外も.
 「交通需要マネジメント」は,いろんな手法がありますから,それぞれ上辺だけでも把握しておきましょう.「カーシェアリング」の有効性は,東京など大都市圏に住んでいる人以外,なかなか実感できないんじゃないかな…….

 「カーシェアリング」が東京、横浜など都市部を中心に広がっている。あらかじめ登録した会員たちが車を共同利用する仕組みで、行政の後押しに加えて駐車場の確保の難しさ、燃料の高騰もあり、「マイカーより安い」と会員が増えている。カーシェアリングを売りものにするマンションも出てきた。
 ……中略……
 カーシェアリングは80年代後半に欧州で始まった。国土交通省所管の交通エコロジー・モビリティ財団によると、先進地スイスのモビリティ社は国内に1000カ所の拠点をもち、会員は03年時点で約6万人。日本では今年1月のまとめで北海道、千葉、埼玉、神奈川県、東京都など10都道府県57カ所で事業化されている。

 行政も後押しする。無人で車の貸し出しができるなど規制を緩和したカーシェアリング特区は試行に続き、今年4月からは全国どこででもできるようになった。11月からはカーシェアリングを利用するとポイントがたまり、バスの運賃として使える制度の実験が金沢市で始まる。これには経済産業省所管の独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」が補助金を出す。
 国交省新輸送サービス対策室は「さらに広がればセカンドカーの共有など車の台数抑制につながる」と期待している。
 「asahi.com 2006年9月11日」

 教科書的な答えでは,カーシェアリングすれば車の台数は減るから交通量は抑制されるんでしょうけど,「自動車を利用したい時間」って,皆似たり寄ったりじゃないのかな,と思うんです.
 たとえば,子供の送り迎え,雨の日の買物,行楽日和のドライブ,こういった感じで「他人が乗りたいときには私も乗りたい」気持ちになるんじゃないかと……ほかの人が使っているのを目にしてもガマンするしかないんでしょうね……結構ストレスたまると思うんですけど.
 
 結局,交通需要マネジメントは,いかにしてドライバーの良心を引出すか,といった心理的な側面を重視したソフト施策が重要なんでしょうね.

―今日のことわざ―
見るに目に毒


道路科目 | 【2006-09-11(Mon) 16:02:44】
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国内業務で土木技術の伝承をしたいのだが.
 毎日新聞の社説が,土木技術の伝承について取上げていました.グローバルな視点に立って技術継承すべきと論じられていますが,土木技術者のうち何人が世界に現場を求めることができるのでしょうか…….
 国内の公共事業は削減される一方だから,海外へ出て行けって言われても,大手ゼネコンなどを除いた一般の土木技術者にとっては非現実的な話でしょう.第二地銀や信用金庫に対してメガバンク並に国際化しろ,と言ってるのと同じようなもんじゃないかな…….

 ものづくり技術の伝承があらゆる分野で、大きな問題となっている。継承すべき人材の確保が困難になっているだけでなく、伝承する現場が不足しているからだ。中でも土木技術は厳しい状況にある。予算削減が続き、環境保全の観点から、各地で大型プロジェクトの見直しも進んでいる。
 ……中略……
 道路やダムなどの減価償却期間は60年と見込まれている。従って、60年以降急速に進んだわが国の社会資本も、2020年前後からは改修、補修時期に入る。せっかくの世界トップクラスの土木技術をその時にも、生かせるようにしていかなくてはならない。既存施設の長寿化を目指し、メンテナンス技術も向上させる必要がある。ダム本体は耐久性には問題なくとも、鉄製のゲートや電気系統の改修は欠かせない。貯水容量を確保するため、ダム本体のかさ上げ技術も求められる。目的の転換を迫られるケースも出てくる。

 ナショナルミニマムが整いつつある社会では、公共事業も時代の要請に機敏に対応できなくてはならない。そのためにもグローバルな視点に立ち、技術の交流を進め、互いの社会基盤の整備に努め、技術継承を実現していくべきだ。
「MSN毎日インタラクティブ 2006年9月6日」


 どうのこうの言っても,今後確実に業務のパイは減るでしょう.だからと言って,土木の世界から離れるのがよいかどうか,と問われたら回答は難しいですね.
 転職するにしても,他の業種がそんなにいいものなのか,いろんな人の話をじっくり聞く必要があると思います.簡単に職種を変えることができるってことは,新たな職で求められる能力はその程度ってことなんですから.
 サラリーマンであるからには,過酷な労働条件はどこも似たり寄ったり……システムエンジニアの勤務時間や営業マンのノルマ(心労)なんかは,コンサルの比じゃないと思います.起業者と違って,金銭面などのリスクを取ってないんだから,過酷な労働条件は当たり前の話です.
 厳しい言い方をすると,コンサル勤務なら技術士でなければレースにならんでしょうから,取得の意志がない人(気合を入れて勉強しない人)は,遅かれ早かれお払い箱になるでしょう.公務員技術者も取得される方が増えているので,持ってないと格好がつかない時代になるのかな.

―今日のことわざ―
隣の芝生は青い


建設一般 | 【2006-09-07(Thu) 15:08:38】
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