何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2008年01月
ブリッジ法案の取下げ隊?
 あれだけドタバタ劇を演じた「ブリッジ法案」が取下げになったようだ.自民党と民主党,どっちも極論過ぎるのが問題なんだよなぁ.揮発油税の暫定税率をやめるか,続けるか,という二者択一的な議論ではなく,折衷案を探るべきではないか?
 
 民主党は論外としても,自民党(国交省含む)の対応も誉められるものではない.
 昨年末の「道路の中期計画」において,今後10年間で65兆円(68兆円からトーンダウン)が必要だと訴えた.でも,「計画中の高規格道路14,000kmをすべて造るには65兆円が必要」という主張は無理があるんだよなぁ.小泉政権下で削減されたはずの整備延長がいつの間にか元通りでは,子供でも過ちに気づいてしまうぞ…….

 「真に必要な道路」……とんち話ではないが,その道路が『誰にとって』必要なのか,という点も,本来考えるべきテーマである.基本的に,不要な道路なんて存在しない.マスコミが面白おかしく取上げているが,閑散とした道路であっても,それを必要とする人は必ず存在する(大物政治家の私権は除いて).
 必要とする人が多ければ,それが正しい事業になるのか?
 必要とする人が少なければ,それは間違った事業なのか?
 費用対効果分析に偏ると,いくら補正しても地方の道路なんて不要という結論が出るんだから,倫理面から考えることも大切な気がする. 
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 今,国民が一番望んでいることは,暫定税率云々よりも将来不安の解消だと思う.年金や介護など社会保障に対する将来不安が続く限り,内需が好転することはありえない.年金が貰えるかどうかすら不安な状況では,誰だって無駄使いなんてしないし,浮いたお金は貯蓄に回してしまう.

 いくら綺麗ごとを言っても,今後の人口構成や経済情勢を考えれば,消費税を上げるしか様々な問題を抜本的に解決する手立てはない.与野党どちらにも言えることだが,消費税の増税をタブー視して,いくら個別税制の粗探しをしても空論にしかならない.
 消費税は地方財政にとって最も安定的な財源なんだから,これを上げる前提で税制を抜本的に改正すればよい.消費税の増税で,社会保障の担保や地方財政の運営ができるのなら,道路特定財源の一般財源化は不要だし,暫定税率も廃止すればよい.

―今日のことわざ―
杓子定規


道路科目 | 【2008-01-30(Wed) 21:45:45】
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低炭素社会への転換
 今年の建設一般論文は,「低炭素社会の実現に向けた社会資本整備のあり方」が主役になりそうだ.要するに地球温暖化対策です.それにしても,低炭素社会への転換なんてできるんだろうか.当然,電力は原子力を推進することになるんだけど,これって日本で実現可能かなぁ.
 一時期ブームになった循環型社会にしても風前の灯だし,これもサミットが終わるまでの命題になるような気がしてならない.
 
 地球温暖化対策を内閣の重点課題に据えるよりも,地方の疲弊した状況を改善するのが先じゃないか,と感じるのは私だけではないと思う.いくら環境面で優れたクルマを開発しようが,それが売れなければ意味はないのである.今の懐事情から考えて新車を購入できる人は少数だと思うのだが…….
 民主党の「ガソリン値下げ隊」もひどいが,自民党も現実逃避しているような気がする.
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 第169通常国会が18日、召集された。福田首相は同日午後の施政方針演説で、地球温暖化対策を内閣の重点課題に据え、世界の先例となる「低炭素社会への転換」を打ち出した。
 首相はまず、国政の「五つの基本方針」として、(1)国民本位の行財政への転換(2)社会保障制度の確立と安全の確保(3)活力ある経済社会の構築(4)平和協力国家日本の実現(5)低炭素社会への転換――を掲げた。

 なかでも、地球環境問題の重要性を強調。省エネ技術など日本の持つ「環境力」を最大限活用、7月の北海道洞爺湖サミットを「我が国の環境問題への取り組みを世界に発信する大きなチャンス」と位置づけた。
 安倍前政権が打ち出した温暖化対策の長期戦略「美しい星50」を具体化し、温室効果ガスの排出をゼロに近づける技術開発を目指す「環境エネルギー技術革新計画」の策定や、自治体と連携して「環境モデル都市」をつくる方針も示した。有識者による環境問題懇談会の設置も表明した。
 「asahi.com 2008年1月18日:部分引用 」

 低炭素技術は既存技術と比較して割高になるわけだから,低炭素社会を実現するためには,新技術に対する『大胆な』税制優遇措置が不可欠である.その反面,2011年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化に向けた試算では,増税しないと黒字化達成は困難な見通しだ.
 こんな状況なのに,低炭素技術を促進させる優遇措置に対して,国民の理解を得ることができるのだろうか?なにか政策がちぐはぐな気がする.

 いくら立派な技術であっても,普及しなければ量産化できないし,低価格にならなければ一般社会に定着しない.優れた低炭素技術をいち早く開発した企業が,国際競争で優位に立つためには,そうした技術が普及する土台を国内に整備しておく必要がある.そうしたベースがなければ,宝の持ち腐れとなってしまうだろう.

―受講者の皆さんへ―
 明日(19日)と明後日(20日)は出張なので,添削をお休みさせてください.簡単なメールのやり取りはできますけど,添削は月曜日(21日)以降になると思います.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.

建設一般 | 【2008-01-18(Fri) 18:45:32】
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それゆけ!ガソリン値下げ隊
 今日の日経平均株価は大幅に4日続落した.終値は1万3504円で,2005年10月28日(1万3346円)以来,約2年3ヶ月ぶりの安い水準を付けた.これだけ景気よく下げていると,経済ジャーナリストの荻原さんや経済アナリストの森永さん,彼らがテレビに出演する機会も激増するだろう.

 それにしても民主党は,お子ちゃまの遊び感覚で政治をするつもりか……「ガソリン値下げ隊」なんか作ってる状況じゃないと思うんだけどなぁ.いまやスタグフレーションが懸念されている状況なのに,『ガソリン解散』が合言葉って,民主党はどこまで呑気なこと言ってるつもりだろうか.

 暫定税率の延長を阻止したいという趣旨は,ドライバーとして賛同できる側面もある.だけど,民主党の本音が透けて見えるんだよなぁ……原油価格が高騰している今こそ「ガソリン値下げ隊」活動すれば票集めになる,っていう魂胆が…….
 こんな目先ばっかりの政治をやってるから『世界市場から見捨てられ株価下落が止まらないんだ』ってことに気づかなきゃ.民主党が参議院第一党になってからというもの,ロクなことがないんだから,そのうち国民の怒りが爆発するぞ.
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 民主党は15日、衆院議員約60人でつくる「ガソリン値下げ隊」を結成した。18日召集の通常国会で最大の争点に位置付ける揮発油税などの暫定税率存廃問題を巡って、街宣活動などを展開して世論にアピールする作戦だ。

 値下げ隊は当選1、2回の議員らが6班で構成。手始めに16日、党大会後に横浜市内で街頭演説する。山岡賢次国会対策委員長は15日の値下げ隊結成式で「通常国会でガソリン解散にする」と力説し、暫定税率に絡む租税特別措置法改正案の年度内成立を阻止する方針を強調した。

 ただ暫定税率の廃止による財源不足への地方の懸念は根強い。平田健二参院幹事長は15日の記者会見で「地方の意見を完全に無視していいのかも含め、もう少し党内で議論した方がいいのではないか」と指摘。党内に異論を抱える現状も当面、続きそうだ。
「NIKKEI NET 2008年1月16日」

 暫定税率維持の関連法案が年度内に成立しなければ,ガソリン1リットル当たり約25円の値下げになる.これを目をつけた民主党……減収の財源補償は?地方財政を破綻させるおつもりか. 
 これを補填するために他の手段で増税,あるいは国債発行も論外とすると,地方に配分される予算を削減するしかないんじゃないの?これでは間違いなく再建団体が発生するだろう.すでに,その予備軍はたくさんいるんだけど.
 
 「ガソリン値下げ隊」といえば,昨年度の道路科目の必須問題だった「道路特定財源」や「真に必要な道路とは何か?」,これらに対して試験官はどうやってABC評価を付けたんだろうか?
 これまでも散々言ってきたが,国として方向付けできていないものを国家試験の問題に取上げたことはナンセンスである.井戸端会議や公開討論など,オープンな議論の題材に使うのはよいが,その題材で受験者をABC評価してはいけない.自分が下したABC判断の根拠を,明確に受験者へ説明できる試験官はいないだろう.
 
―今日のことわざ―
泰山鳴動して鼠一匹


道路科目 | 【2008-01-16(Wed) 19:18:55】
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手遅れ感が否めない円安の是正
 建設部門と総監部門,どちらの受験であっても実体経済のことは把握しておいたほうがよい.雑誌「道路」と白書,青本と技術士ハンドブック,これらには日本が直面している危機的状況のことは書かれていないし,見方によってはトンチンカンな記述もある.

 昨年末発表された2006年の国民1人あたり名目GDPは,OECD加盟国(30カ国)中18位となった.1993年は世界第2位,2004年には10位圏外と順調に転落……今やドイツ・フランスよりも貧しくなりイタリアと貧しさを競っている.日本のGDPが世界経済に占めるシェアも9%と低空飛行だし,中国に追い抜かれるのも時間の問題だろう.
 要するに,日本は経済大国でアジアのリーダーなのです,なんて論文で書いたら時代遅れということだ.
 
 ニュースで目にした人も多いだろうが,ここんとこ日本離れが止まらない.『円』の実質為替レートは1985年のプラザ合意以来,最低水準になってしまった.極端に言うと,外国から見れば『円』は紙くず同然なのである.日本株式の暴落もひどいもんだが,『円』という通貨価値の失墜のほうが事態は深刻だ.CIMG09491
 建設部門で話題となった観光立国なんていう政策も,『円』の実質為替レートから考えると,海外からの観光客は増えて当然なのである.もし円高になれば,私たちは海外製品が安く買えるし海外旅行も安く行ける.つまり,海外からの観光客とすれば,自国の通貨価値が日本円よりはるかに高いから,日本という秘境へのツアーは格安なのである.
 
 建設部門の受験者で,この点を理解していない人が多いように感じる.地域活性化なら観光施策を書けばいいってもんじゃない.円高になったら,海外からの観光客は激減することが分かっているのに,観光による地域活性化って,どんだけの効力があるんだろうか?もちろん,円高になったら私たちの足も海外へ向かうだろう.
 極端に言うと,目先の円安効果だけを考えた愚策なのである.

 10000 日本円 (JPY) = 2000年1月⇒2008年1月⇒増加した購買力
 10000 日本円 (JPY) = 95.4⇒62.2 ユーロ (EUR)⇒1.5倍
 10000 日本円 (JPY) = 57.6⇒47.0 英ポンド (GBP)⇒1.2倍
 10000 日本円 (JPY) = 135.0⇒93.6 カナダ ドル (CAD)⇒1.4倍
 10000 日本円 (JPY) = 153.5⇒101.2 スイス フラン (CHF)⇒1.5倍
 10000 日本円 (JPY) = 823.0⇒584.0 スウェーデン クローナ (SEK)⇒1.4倍
 10000 日本円 (JPY) = 146.7⇒103.1 オーストラリア ドル (AUD)⇒1.4倍

 2000年1月と2008年1月(今日時点)の主要為替レートを比較したら,購買力のアップが一目瞭然だ(大雑把な計算だが).もし,2000年1月のときと同額のユーロを換金したら,当時から考えて1.5倍もの日本円が手に入る.
 ちなみに,サブプライムローン問題以降の調整で,米ドル (USD)は大きなメリットが無くなったし,中国元 (CNY)と ロシア ルーブル (RUB)は話がややこしくなるので省略する.

 円の実質為替レートなんて日常生活に関係ない,と考えている人が多いだろう.しかし,『円』という通貨価値が失われることは笑いごとではない.上述した購買力のアップの話は,私たち日本国民から考えると購買力ダウンなのである.
 以前ブームになった老後の海外リタイア生活を営むためには,日本円を1.5倍積まなければユーロに換金してもらえない.こんな円安では海外リタイア生活をリタイアする人???も多いだろう……年金も当てにならんし先行きが暗いな?ぁ…….

―今日のことわざ―
昨日の淵は今日の瀬


日々寸感 | 【2008-01-12(Sat) 16:24:34】
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やっぱり出版ラッシュの温暖化
 以前ブログで紹介した「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の武田邦彦氏に対する批判本「“環境問題のウソ”のウソ」が出版されていた.それにしても,と学会の山本氏は重箱の隅を突いてどうしたいんだろう?この内容では,便乗して本を売りたいだけか?と捉えられても仕方ない.

 北極は海の氷だけじゃないとか,塩分量が加味されていないからアルキメデスの原理もおかしいとか,このへん大目に見ればいいんじゃない?アルキメデスの原理が陸地に通用すると解釈するほうがおかしいし,真水と海水の濃度なんて微々たるもんじゃないかな.記事の引用のことなんかも書かれていたようだが,どうでもよいことなので細かく読むつもりはない.
 
 市民のための環境学ガイドの安井至氏と武田氏の激しい論議は知っていたんだけど,安井氏はマイナスイオンの頃は極めてまともな言動だったのだが,最近トンデモになってきたと感じている(守備範囲を広げすぎたせいか).安井氏は武田氏のことを「読者の知力・判断力を馬鹿にした確信犯」とまで言い切っているんだけど,自分のことはどうなんだろうか?

 武田氏の喋り方が人を小馬鹿にした感じがするとか,独自の解釈による年数設定があったりしたことは確かだと思う……脇固めが甘いというべきか.しかし,武田氏はIPCCレポート自体を否定していないんだから,闇雲に懐疑論を述べている輩とは一線を画している.
 ちなみに,武田氏は異端児とみなされているようだが,その道の研究者なら異端児じゃなければ存在価値はない.極端に言うと,世界中でひとりだけが異なるアプローチで研究している成果にこそ価値があると思う.
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 ついでと言ったら失礼だが,電気自動車における第一人者の清水浩氏の書籍も紹介しておこう.氏の代名詞ともいえるリチウムイオン電池自動車「Eliica(エリーカ)」を目にしたことがある人も多いんじゃないかな.なお,Eliicaの画像はTOKYO FM Premium Podcastsから拝借してきました.

 電気自動車への筆者の情熱を差し引いても,MOTの考え方,あるいは前提条件,必要条件,十分条件から技術を評価する基準,自分の考えを主張するときの論法など,技術者なら目を通しておきたい書籍だと思う.
 筆者が考えている4つの主要技術がすべてだとは思わないが,論理的に私見を述べている書籍ですから,その論法を学ぶだけでも価値は高い.と学会はどうでもいいが,清水氏の書籍は書店で見つけたら買っておきましょう.

 Amazon:“環境問題のウソ”のウソ 山本 弘 (著) 
 Amazon:温暖化防止のために 一科学者からアル・ゴア氏への提言 清水浩 (著)

建設一般 | 【2008-01-03(Thu) 21:04:59】
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建設部門 択一問題集  平成29年度版
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