何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2008年05月
シミュレーション結果の一人歩き
 地球温暖化という現象をどう捉えるか,懐疑派と肯定派のやり取りも面白いのだが,試験が間近に迫っているので,とりあえずバトルは横に置いておこう.当たり前だが,受験者の皆さんは肯定的な見方をしておいたほうがよい.

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)とアル・ゴア米元副大統領がノーベル平和賞を受賞しちゃったから,今後出てくる公的文書が権威に真っ向から反論するとは考えにくい.ある意味,一方通行の論調になりやすいというか,そうなるだろう.
 そもそも地球温暖化の起因を人為的としなきゃいけないところに無理があるような気がする.人が悪さをしているから規制するんですよ,さぁ一緒に頑張りましょう!賛同するのが当然でしょ,という流れじゃないとまずいというか…….

 大学や国立研究所など14機関の研究チーム「温暖化影響総合予測プロジェクト」(代表=三村信男・茨城大教授)は29日、地球温暖化が及ぼす国内の被害予測結果を発表した。2030年には、豪雨増加による河川のはんらんで被害額が現状より年間1兆円増えるほか、東京、大阪、伊勢湾岸と西日本で高潮による浸水が2万9000ヘクタールに及び、52万人が被害を受けるなど甚大な災害が起きる可能性があると推定している。

 水資源、森林、健康などの分野別に、研究者44人が温暖化の影響を初めて総合評価した。温室効果ガス削減が進まない最悪のシナリオを基に、平均気温は30年に90年比で1.9度上昇するなどの仮定で試算した。

 その結果、「100年に1度」の集中豪雨が30年には「50年に1度」の確率に増え、特に三重、高知県などの太平洋沿岸や北陸、中国地方などの山間部で洪水被害が広がることが判明。東京、大阪など大都市圏も洪水が避けられず、被害額は急増すると試算した。また台風の強大化と海面上昇が進み、高潮による浸水面積が拡大し、浸水被害を受ける人口は00年(29万人)の倍近い52万人に及ぶと推計した。……以下,省略…… 
 「毎日jp 2008年5月29日」

 地球温暖化に限らず,この頃シミュレーションの結果が一人歩きしている話題が多いと感じる.「温暖化影響総合予測プロジェクト」では,2100年までの気候シナリオに沿って,我が国に対する影響がどのように拡大するかを総合的に検討したようだ.

 細かいところは読んでいないんだけど,本来,シミュレートで推定された数字は,確定的なものではなく慎重に扱うべきだと思う.いろんなモデルを構築して何種類ものシナリオで試しているのはわかるんだけど,100年後の推定値にどれだけの信憑性があるのか,このへんがよくわからん……信憑性があやふやなものに予算を注ぎ込む余裕があるのなら,年金や医療などの社会保障を優先すべきだと思うのだが.

参考ホームページ:地球環境研究総合推進費戦略的研究プロジェクト 「温暖化影響総合予測プロジェクト」成果発表のお知らせ 地球温暖化「日本への影響」?最新の科学的知見?

建設一般 | 【2008-05-30(Fri) 17:01:16】
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公立小中学校の耐震化
 ブログの更新間隔が開いてしまったようだ.やっとと言うべきかもしれないけど,添削が本格化してきたので,更新が後回しになっているのが実情です.当たり前のことですが,添削受講者さんを優先していますので,そのあたりご了承ください.

 それにしても,中国四川大地震の被害はどのぐらいになるんだろうか.日本政府が派遣していた国際緊急援助隊も帰国したようだけど,残念かな出発が遅すぎた……このへん中国政府の対応は人災といわれても仕方ないと思う.
 先日もブログに書いたが,防災の出題は忘れた頃にやってくる.社会資本として公共建築物も含まれるんだから,アホのひとつ覚えのように橋梁の耐震化ばかりでなく,学校や病院といった避難施設の耐震補強なんかも具体策として頭に入れておいたほうがよい.

 自民党の公立学校施設耐震化等整備促進議員連盟は21日、公立小中学校の校舎や体育館などの耐震化を急ぐため、補強、改築事業への国庫補助を大幅に増やし、事業主体となる市町村の負担を減らすことを求める決議を行った。議員立法で、補助率などを定める地震防災対策特別措置法改正案を今国会に提出することを目指す。
 決議は、中国・四川大地震で多くの学校が倒壊したことを踏まえ、耐震化は「わが国でも緊急の問題だ」と指摘。

 震度6以上の大地震で倒壊の恐れのある施設については原則として補強で2分の1、改築で3分の1となっている国庫補助率を、それぞれ3分の2、2分の1に引き上げることや地方交付税措置を拡充することで、市町村の費用負担割合を現在の約30%から2?3%まで圧縮。耐震診断の実施や結果公表を市町村に義務付け、取り組みを促す。
 文部科学省によると、2007年4月1日現在で、公立小中学校施設の約13万棟の耐震化率は58・6%。耐震診断を受けていない施設は6・6%ある。
 「47NEWS共同通信 2008年5月21日」

 四川大地震で多くの学校が倒壊したから耐震対策って,相変わらずの事後保全的な対応だなぁ.これで予防保全的な維持管理なんてできんのか?
  予防保全と事後保全,どっちも大事なんだけど,バランスをどの程度にすれば最適になるのか,定量的に評価するのが難しい.生産設備だと取替理論になるんだろうけど,それをそのまま社会資本に持ってくるのは少し乱暴な気がする.

 技術士試験では,どんなに出題を予想して「予防保全」しても,想定外の出題(トラブル)は発生する.建設業界そのものがトラブル続きなんだから,試験当日,豪快なうっちゃりを決められたり,一気に寄り切られるかもしれない.
 そのときにどんな対応ができるか,という事後保全の対応が重要になる.地球温暖化という大本命に惑わされず,事後保全も十分にしておけば,トラブルの影響を最小化することができる.土俵際の粘りを見せる「土俵際の魔術師」を目指せ!

 大相撲夏場所が開催中だから相撲話で例えてみたが,要するに,想定外の出題に対する備えもしておきましょうということです.くれぐれも,予防保全と事後保全,これらのバランスを間違ってはいけない.

―今日のことわざ―
分別過ぐれば愚に返る


建設一般 | 【2008-05-21(Wed) 18:43:57】
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閣議決定はまやかしか?
 道路特定財源の一般財源化を閣議決定したようだ.閣議決定に法的根拠はないはずだが,道路整備財源特例法改正案は法律だからなぁ.
 すでに風前の灯である福田内閣が,来年度からの一般財源化を閣議決定しても守られる保証はどこにもない.いくらなんでも,首相に面と向かって「いつまで続く内閣かわからないのに閣議決定しても意味がないのでは?」と言える記者はいないだろうなぁ.

 来年度から一般財源化なんだけど,来年度の道路予算は変わらないのではないか?
 夏頃の概算要求基準(シーリング)がどうなるかわかんないけど,時期的には概算請求後に中期計画を見直す予定だったと思う.つまり,来年度の道路予算はボロクソに叩かれた旧中期計画で組むしかないんじゃないかな?私は発注者サイドではないので,詳しいことはわからないんだけど……このへん国民に説明できるんだろうか.

 政府は13日午前、道路特定財源の2009年度からの一般財源化を柱とした「道路特定財源等に関する基本方針」を閣議決定した。
 与党は同日午後の衆院本会議で、ガソリン税収を今後10年間、道路特定財源に充てる道路整備費財源特例法改正案を再可決して成立させる方針だ。基本方針はこれに先立って来年度からの一般財源化を明確にし、国民や与党内の理解を得る狙いがある。

 基本方針は、〈1〉改正案の道路特定財源制度の規定は09年度以降、適用しない〈2〉道路関連公益法人などの無駄を排除する――などの内容だ。同時に、「必要と判断される道路は着実に整備する」と明記した。……以下,省略……
「YOMIURI ONLINE 2008年5月13日」

CIMG09505
 話は変わるが,オリジナリティは白書に固執するのではなく,幅広い視点で「緩和」と「適応」を考えればよい.もちろん,白書を敵とみなしたアンチテーゼを書くのは選択肢として避けるべきだと思う.

 たとえば,地球温暖化対策のなかには,「適応」の前段として気候制御という考え方がある(たとえ話なので副作用の問題は横に置いておく).すでに,大気の上層部にジェット機でエアロゾルを散布し,太陽光の反射率(アルベド)を増加させて地球を冷却するジオ・エンジニアリングも提案されている.要するに,人工的な地球冷却ということだ.
 このたとえ話そのものは社会資本整備ではないが,応用すれば何らかの具体策は思いつくんじゃないかな.

 白書に書いてある内容だけで論文をまとめると,どうしても他の受験者との差別化は難しい.地球温暖化対策なんて大本命だから,その傾向は顕著だ.そんなときは,上述したように幅広い分野から社会資本整備に応用できそうな技術を漁るのも,ひとつの手段だと思う.
 ゼロから自分の頭で考えるのではなく,拾ってきたヒントを糧にして自分なりのオリジナリティを出せばよい.

 まー,白書も発売されたし,心許ないが道路特定財源の方向性も提示されたわけだ.筆記試験まで残された日数は限られているんだから,ヒントを収集する取っ掛かりの早さも重要だと思う.

―今日のことわざ―
彼も人なり,我も人なり


道路科目 | 【2008-05-13(Tue) 19:16:45】
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平成19年度国土交通白書
 やっぱり地球温暖化のようだ……ちょっと業務がバタバタしているので,とりあえずリンク先だけ更新しておこう.書籍販売は週明けになると思うので,一日も早く見たい人はホームページへレッツゴー!

参考ホームページ:平成19年度国土交通白書

<目次>
はじめに
第?部 進行する地球温暖化とわたしたちのくらし
?地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開?
  第1章 地球温暖化とわたしたちのくらし
  第2章  くらしにおける地球温暖化の緩和に向けた課題
  第3章  地球温暖化時代における国土交通行政の方向
第?部  国土交通行政の動向

 毎年出題される傾向にある第?部では,1)地球温暖化の現状と将来予測,2)自然災害の増加など地球温暖化がもたらす影響を回避・低減する「適応」,3)温室効果ガス排出量の削減による地球温暖化の「緩和」,これら3つの視点に基づいて整理,分析を行った……らしい……(特にくらしの観点から).

 中身を見てから記事は更新しようと思います.週末にでも.

 週末になったので更新しよう.それにしても,今回の白書では書くことがないな?ぁ.どれもこれもありふれた対策の域を出ていないし,目新しいものはない.3つの視点と書かれているが,なにもIPCCの作業部会と同じ任務を国交省がしなくても…….それより,「緩和」を特記すると明言したからには,脱物質化,効率改善,除去,吸収,固定……この程度は細分化すべきだったと思う.

 適応技術については,言い方は悪いかもしれないが,コテンパンに言われている「道路」の二の舞にならなければよいが……と感じた.将来雨量が増加する予測結果が出ているから,今の治水安全度では足りないってことなんだけど,これは交通需要予測から道路規模を決めてきた過程と似たようなもんではないか?
 当たり前だが,将来の予測は不確実性を有している.それに基づいてハード対策するほど今の財源に余裕はないし,世論も許してくれない.それがわかっているからか,治水安全度の不足分はソフト対策で云々と書かれているが,コンパクトシティと一緒で実現性に乏しいんだよなぁ.

 まとまらない話になったが,受験者全員が地球温暖化対策の勉強をしてくることを肝に銘じ,白書から一歩踏み込んだオリジナリティで勝負するしかないと思う.もちろん,論理的な整合性はオリジナリティ以前の問題です.

建設一般 | 【2008-05-10(Sat) 13:50:28】
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道路整備費財源特例法改正案
 ニュースを見ればガソリンスタンドに長蛇の列……正直何時間も待つなんて信じられない.待つ時間がもったいないとは感じないのだろうか?時間ほどコストのかかるものはないと思うのだが.
 そういえば,ガソリン携行缶(要するに鉄製容器)がホームセンターで売れているというニュースもあった.これを購入して20リットル入れても,なんぼの得になるのか?携行缶が大体5,000円として,20リットルの暫定税率分の差額で500?600円を儲けてもしょうがないんじゃないか.携行缶の元も取れないのではないか,と心配になる.

 携行缶にガソリンを入れようとしたら引火させちゃった……という事故もあったらしい.人間の体は帯電しているし,灯油と違ってガソリンの引火点は低い(マイナス40度以下)から,すぐ引火しちゃうんだけど知らない人が多いのか?こんな状況でセルフ式のスタンド運営が大丈夫か,と心配になる.
 ちなみに,発火点と引火点の違いは……各自で調べておいてください.CIMG09504

 政府は30日、2009年度からの道路特定財源の全額一般財源化を5月13日午前に閣議決定する方針を固めた。4月の政府・与党決定、与党党首会談合意に続く措置で、道路特定財源の一般財源化に向けた政府の意思を明確にする狙いがある。政府高官や複数の与党幹部が明らかにした。これを受け、道路整備費財源特例法改正案は同日午後の衆院本会議で再可決する。
「NIKKEI NET 2008年5月1日」

 この記事だけ見ると,道路特定財源を10年間維持するとした「道路整備費財源特例法改正案」も再可決するつもりなんだろう.まー,5月13日に方向性が出るだけでも助かると考えるべきかもしれない.いつまでたっても国としての方向性が決まらないようでは,道路科目の受験者がかわいそうだ.

 とは言っても,この法案と一般財源化には矛盾点があるから,またまた民主党が乱闘するんだろう.民主党の若手議員は聖火リレーの妨害者と似たようなもんだ,という自覚がないのだろうか?河野議長相手に押し競饅頭しても,なんの解決にもならないのだが.
 与党にしても,この法案は,国から地方へ年間7,000億円支出する地方道路整備臨時交付金制度の根拠法だから,成立させなきゃいけないのは分かる.よーく分かるんだけど,一般財源化と相まって国民には話が見えなくなっているのではないか?マスコミ報道頼りでは,国民には偏った知識しか伝わらない.

 個人的には一般財源化は反対というか,消費税の増税派なんだけど,2009年度から全額一般財源化するのなら,道路特定財源を10年間維持する規定はゴリ押しもいいとこだと思う.全体の整合性を取らずに,場当たり的にパッチワークしようとするから,結局訳がわかんないことになる.
 技術士の筆記試験でも,これと同じことをしている受験者が多いんじゃないかな.ゴリ押しでは採点者は納得しないんだから,全体の整合性(論理的なつながり)を重視したほうがよい.それを徹底する期間として,ゴールデンウィークを有効に使ってほしい.

―今日のことわざ―
日暮れて途遠し


道路科目 | 【2008-05-01(Thu) 21:29:58】
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リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
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