何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2009年06月
技術経営(MOT)
 電気自動車は使いものになるんだろうか?三菱自動車はi-MiEV(アイミーブ),富士重工業はプラグイン・ステラを発売するらしい.現在の電池自動車は,ハイブリッドや価格競争に打ち勝たなければならない「ダーウィンの海」で完全に溺れている感じ.

 三菱自動車の場合,2020年には全生産台数の20%を電気自動車にする計画らしいが,次の買替え需要までに安くなっているかどうか,これにすべてがかかっている.
 単純に考えれば,今回のエコ減税でハイブリッドを購入した人は,当分クルマを買替えしない.最近のクルマは丈夫だから10年はいけるんじゃないか?大量生産が一番早いコストダウンだが,10年間は買替え需要が少ないとすれば,どうやってコストを下げる?一発逆転の技術革新や社会の劇的変化,いわゆる困ったときのイノベーション頼みでは心許ない.

 地球温暖化対策の切り札として、電気自動車が注目されている。三菱自動車が軽自動車をベースに開発した電気自動車「アイミーブ」を来月発売するほか、日産自動車も来年、商品化に踏み切り、2012年には米国でも量産を始める計画だ。……中略……

 ただ本格的な普及には課題も多い。1つの障壁は価格だ。三菱のアイミーブは補助金を利用した実質価格で約320万円する。ベースになったガソリン車の「アイ」は100万円台前半であり、かなり割高だ。
 もう1つは1回の充電で走れる連続走行距離。ガソリン車は1度満タンにすれば、500キロメートル前後から1000キロメートル近く走るが、アイミーブは160キロにとどまる。少し遠くまでドライブするには不安な数字だ。
 こうした課題を克服し、ガソリン車やハイブリッド車と正面から競争できるようになるには、電池の技術革新が欠かせない。……以下,省略……
 「NIKKEI NET 2009年6月29日 社説抜粋」

 次世代自動車競争,これこそ技術経営(MOT)の極みのような気がする.
 MOTでは,まず「将来の予測」をしてから,その分野への投資効果を考える.これは投資できる分野だ!と決断を下した後で,今後の課題(現状と将来像とのギャップ)を抽出することになる.死の谷やダーウィンの海,技術ロードマップ,シナリオ・プランニングなど,お決まりのキーワードによる「将来の予測」を考えてからじゃないと,まともな課題は出てこない.
 青本では軽く流した感じの「フィージビリティ・スタディ」だが,そこに全力投球するといった感じ.

 MOTにはいろんな解釈があるが,日本版MOTの先導役である「経済産業省」の『技術に立脚する事業を行う企業・組織が,持続的発展のために,技術が持つ可能性を見極めて事業に結びつけ,経済的価値を創出していくマネジメント』で覚えておくのが無難だと思う.
 太字表記した「技術が持つ可能性を見極めて」,これが「将来の予測」であって,とてつもなく難しい判断を迫られるわけだ.ここまでビッグな話をしてきたが,実際は,将来の予測よりも日々の仕事にありつけるかどうかで,いっぱいいっぱいの会社が多いと思う…….

―今日のことわざ―
兵は猶火のごとし


総合技術監理 | 【2009-06-29(Mon) 20:45:16】
Trackback:(0) | Comments:(2)
安全安心な監視社会?
 右を見ても左を見ても,安全・安心社会だなぁ?.監視カメラで安全を確保すれば,安心できる社会になるのだろうか?
 一昔前までは,地域生活の安心が保障される代わりに,互いの行動が自然と監視されていた.地域社会(町内レベル)で悪さをしても,隣近所のおばちゃん目線は鋭く,すぐにバレる状況だった.

 いつ頃からこうなったのかはわからないが,今や「隣は何をする人ぞ」という軽薄な付合いに変わってしまった.互いの行動が監視されないぶん,ある意味気楽になったわけだが,それと同時に安心を放棄してしまった.やっぱり安心を取戻したい……「だから監視カメラ」というのは,ちょっと向かうべき方向が間違っていると思う(人権派の話は別としても).
 普通に考えると,カメラ設置場所から余所へ犯罪を持って行くだけになる.それよりも,防犯灯の設置や町内会の青パトのほうが,犯罪防止や不安緩和の効果があるのでは?まずはコミュニケーションというか,人と人とのつながりなんだろうけど.

 警察庁は25日、全国15地域の住宅街に防犯カメラを設置し、機材や映像データの管理を住民の防犯ボランティア組織に委託して来年1月ごろから運用を始めると明らかにした。
 警察は現在、全国の繁華街に363台のカメラを設置しているが、住宅街への設置は初。住民側への委託も初めてで、警察庁は「住民自身が安全確保の担い手になるため、住民側と運用方法を協議する」としている。
 一方、設置対象となる地域の中には受け皿となる住民組織がまだ結成されておらず、地域を抱える自治体から困惑の声が上がっているほか、市民団体から「行政機関による監視体制の強化だ」と懸念する声も出ている。……以下,省略……
 http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009062501000233.html
 「共同通信 2009年6月25日」

 ダラダラと書いてしまったが,建設部門を受験する人の多くは,「暮らしにおける安全・安心の確保」が問われると,ストレートに防災・減災,あるいは歩道・自転車道の整備を書いている.それらも正解だが,白書には「犯罪に対しては,地域全体で防犯性を高めるため,防犯まちづくりを進める」とも書かれている.
 皆と同じ考えではなく,防犯まちづくりとは具体的に何か?防犯性を高めるためには具体的に何をすべきなのか?これらを社会資本整備の観点から考えれば面白いかもしれない.

 ちなみに,具体策には負の側面も付きまとうわけで,そのマイナスを少しでも軽減するような「自分なりの考え」も書ければ評価は高いと思う.たとえば,何気なく書いている無電柱化なら,電柱に共架されていた防犯灯をどこに移動させるのか,という負の側面から具体策を掘下げればよい.

―今日のことわざ―
両方よいのは頬冠り


建設一般 | 【2009-06-25(Thu) 21:23:17】
Trackback:(0) | Comments:(0)
エコとエゴ
 エコツーリズムもそれなりに問題を抱えているようだ.
 以前テレビで屋久島の現状を見たが,結局トイレの問題は解決できなかったみたい.やはりバイオトイレでは処理が追いつかなかったか…….曖昧な記憶なので定かではないが,し尿を入れた容器を背負って下山する姿が映し出されていた.し尿の人力搬出作業だから,これは正直きついなぁ?と感じた記憶だけは鮮明に残っている.

 環境省と鹿児島県屋久島町は、観光客の急増で環境破壊が進む世界遺産の屋久島で、2011年度から初めての入山制限に踏み切る方針を固めた。
 昨年4月に施行されたエコツーリズム推進法の初適用を目指す。自然公園法とは異なり、地元市町村が立ち入り制限区域を指定できるのが特長で、違反者には30万円以下の罰金が科される。

 屋久島は、推定樹齢7200年ともされる縄文杉や地表を覆うコケなどの自然美や生態系が評価され、1993年、白神山地(青森、秋田)とともに国内初の世界遺産に登録された。
 登録をきっかけに入山者が急増。08年には10万9000人に上り、休日の入山者は1000人前後に達することも珍しくない。特に、し尿の現地埋め立て処分が限界にきている。……以下,省略……
 http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090620-OYT1T00527.htm
 「YOMIURI ONLINE 2009年6月20日」

 決められた登山道から離れて,ところかまわず我先に!と誰もが原生林に駆込んだら持たないよなぁ…….自然の生態系を壊したくないから,トイレや汚水処理設備を設置しないという気持ちが,結局裏目に出ているような感じ.キャリング・キャパシティ(環境容量)を超えた,と表現したほうがスマートかもしれないが,人間のエゴはそれだけ強烈なのか……. 

 当たり前のことだけど,エコツアーに参加する観光客が多くなればなるほど,環境に与える負荷も大きくなるわけで,このへんが環境資源を活かす地域活性化の悩みどころかもしれない.悩むほど観光客が来てくれれば,それで成功なのかもしれないが.

―今日のことわざ―
成るは厭なり,思うは成らず


建設一般 | 【2009-06-21(Sun) 14:03:01】
Trackback:(0) | Comments:(2)
平成21年度出題予想(専門)
 今年も主要項目だけを列記してみます.これらはあくまで私の予想なので,最終的な判断は自己責任でお願いします.なお,添削を受講されている方には,すでに想定問題として配布してあるものばかりです.
 必須問題と選択問題の道路計画,これらの区別は難しいんだけど,あえて予想するなら,こんな感じかなと…….
 
 ―凡例―
★★★・・・本命
★★☆・・・微妙
★☆☆・・・大穴


―必須問題―

1.人間重視★★★

 白書の内容から考えても外せないでしょう.

2.プライオリティ・スピーディー★★★

 今年も外せないテーマです.費用便益分析(B/C)の復習もしておくべきでしょうね.

―選択問題―

1.将来交通需要推計★★★

 将来交通需要推計の結果を踏まえた設問,これは「あり」でしょう.

2.道路構造令関連★★☆

 運用面と規定面,両面から柔軟性を考えておけばよいのでは?

3.環境負荷を軽減する舗装★★☆

 今年も取り上げたが,3度目の正直ということで当たってほしい…….

4.地すべり★☆☆

 土工指針(改訂)の出版は遅れていますが,そろそろ地すべりかも……今年度の大穴か?

5.道路橋の維持管理★★☆

 やはり今年もこれはゆずれない.長寿命化修繕計画の策定が終了するまでは要注意か.

―今日のことわざ―
当て事と越中褌は向こうから外れる
(これも例年と同じだが)

出題予想 | 【2009-06-14(Sun) 11:05:27】
Trackback:(0) | Comments:(2)
平成21年度出題予想(建設一般)
 毎年恒例になってきた出題予想ですが,設問の文章まで公開するのではなく,キーワード的なものに留めておきます. 最近は多様な書籍が予想問題を掲げているから,キーワード程度の公開なら受講者さんも納得してくれると思う.
 これらは,あくまで私の予想なので,最終的な判断は自己責任でお願いします.

 ―凡例―
★★★・・・本命
★★☆・・・微妙
★☆☆・・・大穴


1.「人の暮らし」★★★
 人の暮らしを支える社会資本整備は,論点が絞りにくいと思いますが,白書のテーマとなっているだけに外せないでしょう.安全・安心という視点でまとめるのが無難なのかな?

2.「国土形成計画」★★☆
 これまた総花的なテーマですから,論文としてまとめるのは難しいかも.「書きやすいから」という単純な動機で,道路や都市計画など,自分の専門分野ばかり書かないように.

3.「持続可能な社会」★★☆
 低炭素社会,循環型社会,自然共生社会,これら幅広い領域から記述できれば文句なしでしょう.くれぐれも説明文にならないように……説明文はあなたの意見ではないし,あなたは環境部門の受験者でもない.

4.「VFM最大化」★☆☆
 今年も無理矢理ひとつだけ大穴を書いた.正直なところ,気候変動リスク(適応)や観光・景観も捨てがたいのだが…….大盤振舞いの景気対策や白書への戒めとして,原点を見直すコスト縮減がありかなと.

 今年は,これが大本命だ!と言えるようなテーマがないので,満遍なく勉強しておくのが得策だと思います.ちなみに,「やる気が出たから勉強するんじゃなくて,勉強しているとやる気が起きてくる」,そう考えないと,いつまでたっても勉強できませんよ.  
 毎度のことだけど,「あれもこれも」と予想し始めたら切がない……最終的には自己責任で取捨選択するしかないと思う.

―今日のことわざ―
備えあれば憂いなし
(毎年恒例だが……)

出題予想 | 【2009-06-08(Mon) 18:36:34】
Trackback:(0) | Comments:(2)
リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
総監部門 択一問題集  平成29年度版
月別アーカイブ
E-NEXCOドライブプラザ
FC2カウンター