何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2012年01月
建設技能労働者の不足
 建設技能労働者の不足が深刻化し,それが一因となって入札辞退(あるいは予定価格以上で応札)が頻発しているようだ.叩き合いの日常に慣れてしまったコンサルから見れば羨ましい気もするが,赤字になるぐらいなら受注しないほうが“まし”ということなんだろう.
 財政再建の流れの中で公共事業を大幅に減らしてきた結果,多くの建設会社が破綻やリストラに追い込まれた.建設業の従業員数は減少の一途をたどってきたわけだが,そこに東日本大震災が起きて復興需要が急増……後悔しても手遅れという「後の祭り」状態だ.

 東日本大震災の被災3県と仙台市が発注した土木・舗装工事の入札で、昨年4月以降、入札者がいないことなどから、約400件が不調になっていたことが国土交通省などへの取材で分かった。
 復興需要で人手が足りず、採算性の低い工事が敬遠され、1000万円未満の土木工事では、5割を超える件数が不調になった県もある。今後、沿岸部での復旧工事が本格化するが、復興に支障が出る恐れも高く、同省は被災地の公共工事の賃金基準見直しに向けて検討を始めた。
 国交省などによると、3県と仙台市発注の土木・舗装工事の入札計2781件のうち、昨年11月までに計405件で「入札者なし」や「落札辞退」といった入札の不調が発生。内訳は岩手県が49件、宮城県が110件、仙台市が97件、福島県が149件で、いずれも内陸の復旧工事が本格化した昨秋から、その傾向が強まっている。
 「読売新聞 2012年1月26日」

 当たり前の話だが,大手ゼネコンが全国の支店から技術者を集めたとしても,現場の最前線に立つ「地元の」協力会社や建設技能労働者を確保できなければ工事は進まない.受注金額が大きくても,人の手配ができず,工事の進捗が遅れたり,原価管理が徹底できないようだと,業績に悪影響を及ぼしかねない. 
 週刊ダイヤモンド(12/1/28号抜粋)でも「専門技術を持つ技能労働者のみならず,交通誘導のガードマンすら足りず,震災前なら7000~8000円程度だった日給が今では1万5000円にまで跳ね上がった」と書かれていたが,一部では労務費も高騰しているようだ.
 ガードマンでさえこんな上昇率なのに,従来の公共工事設計労務単価で積算,発注しているんだから,これでは採算ベースに乗らない(入札辞退する)わけだ……おまけに震災復興の工事では,設計変更や追加工事による増額も期待しづらいし…….

 人的資源(マンパワー)不足は,市場の価格メカニズムで賃金が上昇すれば,ある程度解消できる.カネがすべてじゃないけど,それがよければ人は集まるだろう.しかし,やみくもにカネを積むだけでは,使い物にならない人ばかりが増えてしまう.当座のマンパワーは確保できても,品質確保の観点から必要とされる人材のスキルは容易に向上しない.
 団塊世代の退職や熟練技能者の育成など,人材のスキルに対する問題を解決するためには相当の期間を要する.労働環境の改善や戦略的なイメージアップ,若年者の入職促進など,国交省が考えている対策も重要だ……とは言え,教育訓練や技能向上に要す「時間」を作るためにはカネ(資金的な余裕)が必要なんだから,結局ピーク時から半減してしまった公共事業を適正な水準に戻すことが特効薬だと思う.

―受講者さんへの事務連絡―
 私事で1月28日(土)から29日(日)は添削をお休みさせてください.1月27日(金)に送られたメールは,基本的に1月30日(月)以降の返信になります.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.
―受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は想定問題10問(専門その9まで・建設一般その1),総監部門は想定問題その7までを配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

建設一般 | 【2012-01-26(Thu) 20:49:10】
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新型インフル特措法案
 提出予定の特措法では,新型インフルエンザが流行した場合,国民に外出の自粛や集会中止を要請できるようだ.しかし,政府が発信する情報を信用してもらえるのか,という切実な問題がある.福島原発事故以降,政府が公開・発表する情報の信頼性に対し,国民は疑心暗鬼になっているのではないか.

 新型インフルエンザの流行は,平成23年度に出題された事業モデルの存続を脅かすようなシナリオにもなるし,平成19年度に出題された事業継続計画(BCP)の題材にもなる.とは言え,東日本大震災で根こそぎ破壊された市街地を見ると,代替拠点を持つ余裕のない中小企業は,BCPを策定しても意味が無いような気もするが…….
 BCPに対して受験者の多くが陥るミスは,(危機に遭遇して)残存する能力は限られているのに,自らの組織が抱えている事業すべてを続けようとすることだ.冷静に考えれば土台無理な話だとわかるのだが,緊迫した試験会場では何でもかんでも事業継続してしまう.

 政府は、感染力や毒性が強い新型インフルエンザが流行した場合、国民に外出の自粛や集会中止を要請できる特別措置法を制定する方針を固めた。新型インフルエンザへの対応を国家の危機管理と位置づけ、私権の制限に踏み込む。政府は通常国会に法案を提出し、成立を目指す。

 09~10年に流行した弱毒性の新型インフルエンザでは、大規模な催しを中止するかなどで自治体によって判断が分かれた。このため全国知事会は10年6月、政府に法整備を要請していた。集会の制限は感染拡大防止を目的とした一時的な措置のため、内閣官房新型インフルエンザ等対策室は、「(憲法で保障された)集会の自由の侵害にはあたらない」としている。

 同対策室によると、鳥インフルエンザ(H5N1)など毒性が強く多数の死者が出ると予想される新型インフルエンザ流行が確認された場合、政府の対策本部が「緊急事態」を宣言。不特定多数の人が集まる催しの中止や学校、保育所などの臨時休業を要請する。企業が医薬品や食料の売り渡しを正当な理由がないのに拒否した際は、物品の不足を防ぐため強制収用できる規定も設ける。
 「毎日新聞 2012年1月11日」

 BCPでは,当該事業を継続する必要性があるのか否か,優先すべき重要な事業は何か,などを残存(すると想定される)資源から精査し,継続すべき事業を取捨選択する必要がある.これが中途半端だと,あったかい事務所で普段通り仕事しているような印象を受けてしまう.つまり,事業継続の必要性が低いんじゃないか?と読み手に疑われるということ.

 事業継続は,許容されるサービスレベル以上の目標復旧レベル(RLO)を保ち,目標復旧時間(RTO)内の復旧が必須となる.
 RLOは「どの程度の水準まで復旧させるか」を明示すればよい.ここで完全復旧の姿(危機発生直前の状態)を思い描いているようだと,BCPの考え方は理解できていない.限られた資源しかないのに完全復旧しようとする考え方そのものが間違っている.
 RTOは「いつまでにRLOを達成するか」を設定すればよい.早急に,迅速に,すみやかに,などの表現でごまかしているようだと論外です.そんな抽象的な時間を書かれても,当人以外は誰も理解できない.何時間後,何日後などのタイムラインが設定されていない計画なんて使えるわけがない.
 総監部門の記述式問題は,1枚目から3枚目までの記述内容によって可否が決まってしまうので,こうした基本的な点はきちんと押さえておきたい.

 話は変わりますが,昨年筆記合格された受講者さんの多くは,明日,明後日が面接本番になります(年末年始は落着かなかっただろうなぁ……).ここまで来たら,やたら難しいことは考えず,今の自分ができることを精一杯ぶつけてきてほしいと思います.皆さんからの結果報告をお待ちしております(吉報が届きますように).

―受講者さんへの事務連絡―
 事前にお伝えしておきますが,私事で1月28日(土)から29日(日)は添削をお休みさせてください.1月27日(金)に送られたメールは,基本的に1月30日(月)以降の返信になります.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.

総合技術監理 | 【2012-01-13(Fri) 17:45:28】
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ゾーン30
 あけましておめでとうございます.

 年明け早々だが,警察庁が交通安全対策に気合を入れているので,また国交省と共同の検討委員会が新たに作られる予感……何かと委員会が多すぎやしないか?
 10月に公表された警察庁の「自転車交通秩序の総合対策」では,「幅2メートル以上の歩道」で認めてきた自転車の通行を「幅3メートル以上の歩道」に見直す(原則として自転車は車道を走らせる)方針が打出されたわけだが,生活道路に対しても通行規制を強化する方針のようだ.
 2車線の道路は,中央線を無くした(1車線の道路にした)うえで,左右の路側帯(道路構造令上の路肩部分)を広げて車道の幅を狭くするようだが,車線が担う計画交通量と整合性が取れるんだろうか?「自転車交通秩序の総合対策」で自転車が車道へ追い出されたばかりのに,その通行はどうするんだろうか?それより何より,路側帯と路肩など,道路交通法と道路構造令との名称を統一してほしいのだが…….

 歩行者や自転車の通行が多い、いわゆる「生活道路」での事故が減らないことから、警察庁は今後、全国の住宅街などのおよそ3000か所を指定し、その中の生活道路の最高速度を一律に時速30キロとする規制を行う方針を固めました。
 住宅街にある生活道路は、車が抜け道などとして利用するため歩行者や自転車との事故が多く、この10年間では交通事故全体が20%余り減少しているのに対し、生活道路では、おととしで13万2000件余りと逆に1%増えています。
 こうした現状を受けて警察庁は、生活道路での車の通行規制を強化する方針を固めたもので、住宅街などの一定のエリアを「ゾーン30」という地域に指定し、その中の生活道路の最高速度を一律、時速30キロに制限するということです。また2車線の道路は、中央線を無くしたうえで左右の路側帯を広げて車道の幅を狭くし、スピードが出しにくい環境を作る方針です。
 指定するエリアの入り口には、シンボルマークの入った標識を立てて区分をはっきりさせる計画で、警察庁は、5年後をめどに全国およそ3000か所に拡大する方針です。警察庁は、「あいまいな部分があった生活道路の規制を明確化することで、事故の減少につなげたい」としています。……下線や改行は追記加工……
 NHKオンライン:生活道路 車の時速30キロに規制へ(1月2日)

 「ゾーン30」の実現に向けた具体策としては,ハンプや狭さく,シケインなどの物理的デバイスが有効だ.しかし,実際の設計で取入れようとすると,やれ騒音をどうするんだ,高齢者が運転しづらくなるじゃないか……など,地元住民から反対意見をいただく.前向きな意見なら対応の仕方もあるんだが,自宅前のハンプは絶対ダメなど,やたら個人的なワダママが目立つんだよなぁ……我が子や孫,地域の子供たちの安全とどっちが重要なんだ?と問いただしたくなるケースが多い.

 物理的デバイスにしても視覚的デバイスにしても,選択肢は無限ではない.前例主義というか,過去の実績を基に,有限な選択肢の中から選択するわけだが,有限と思われている選択肢を増やす取組みも必要だと思う.
 たとえば,ゾーン30のエリア内では30km/hまでしか出せない自動車,すなわちGPSと連動させたリミッター搭載の義務化なども一考の価値があると思う.次世代GPSの準天頂衛星システム(QZSS)なら,従来の10メートル誤差範囲の精度に比べ,1メートルから数センチレベルへと改善されるんだから,エリア内に侵入した自動車を特定,即時リミッターをかけることも可能ではないか?

―受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は,想定問題9問(専門その8まで・建設一般その1)と「制覇する道標2011年12月22日版」を配布済みです.総監部門は,想定問題その6までと「制覇する道標2011年12月26日版」を配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.特に,ヤフーのメールアドレスを使われている受講者さんは,ときどきエラーが出るようなので,注意して確認してみてください.

道路科目 | 【2012-01-04(Wed) 14:46:09】
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リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
総監部門 択一問題集  平成29年度版
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