何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2012年03月
「知」の欺瞞
 バタバタしているうちに,ずいぶん前に読んだ「知の欺瞞」が文庫化されていた.「知の欺瞞」と言うより「ソーカル事件(ウィキペディア)」のほうがわかりやすいかも.やっと年度末の生活から解放されたので,これを題材に思うところを書いてみよう.
 添削指導をしているから,「知の欺瞞」で指摘される「濫用」状態の論文を見かける機会が多い.総監部門の場合,青本のキーワードを使わないと評価が上がらないのも確かだが,やたらめったら使う「濫用」はいただけない.建設部門でも同じことが言えるんだけど,特に普段使わない用語が多い総監部門では,「知の欺瞞」状態になっていないか,自分で再確認する姿勢が大切だと思う.

 この本で「濫用」とは次の特徴のいずれかひとつ以上を備えたものを指す.
 (1)どう見てもごく漠然としか理解していない科学の理論を長々とあげつらうこと.最もよく見受けられるのが,用語の本当の意味をろくに気にせずに,科学的な(あるいは疑似科学的な)用語を使ってみせるという流儀である.
 (2)省略
 (3)まったく無関係な文脈に,恥もなく専門用語を投入して,皮相な博学ぶりを誇示すること.科学を知らない読者を感服させ,さらには威圧しようとしているとしか考えようがない.……以下省略……
 (4)実際にはまったく意味のない言葉や文章をもてあそぶこと.これが度を過ぎると,以上あげた著述家の幾人かのように,言葉の意味についての重度の無関心症を併発した真性の専門用語中毒に陥ることになる.

 『「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用』から抜粋(下線と太字は加工)
 Amazon:「知」の欺瞞 (岩波現代文庫) アラン・ソーカル, ジャン・ブリクモン

 上の番号に沿って少しコメントを.
(1)に該当する方は結構多い……案外,夢中で論文を書いている本人は指摘されるまで気付かないものです.これは添削指導で数回やりとりすると改善されます.
(2)はブログ記事と関係無いので「省略」しました.気になる人は書籍を読んでみてください.文庫のページはわかりませんが,単行本だと6ページになります.
(3)を書いているケースも多いです.ただ,人一倍勉強しているから「ついつい書いてしまう」とも言えるわけで,これは一概に悪いとは言えないと思っています(もちろん添削指導ではツッコミますが).
(4)に該当するのは(さすがに)レアケースです…….

  「知の欺瞞」を乱暴にまとめると,「知ったかぶりをしない」ということだと思う.総監部門の場合,青本のキーワードを知ったかぶりで書いていないか?と自分の胸に問いかけてみる必要がある.この受験者はキーワードを理解して書いているのか否か,は読み手(試験官)のレベルが高ければ即断されてしまうので.
 キーワードを暗記している状態が「知っている」状態ではない.自らが所属する組織ならキーワードの内容をどのように活用すべきか,キーワードを実現するために自らが所属する組織ならどういう行動を起こすべきか,というレベルまで噛み砕けていないと「知っている」ことにはならない.
 たとえば,ナレッジマネジメントの場合,大企業と中小企業,民間と官庁など,自らが所属する組織によって利用できる資源(方法も含めた生産の4M)は異なるわけで……それらが書けていないのに“とりあえずナレッジマネジメント”では「知の欺瞞」になってしまう.

 こうした内容(本業でも使えるノウハウ!?)まで厳しく添削指導しているから,“何回でも”になっているのかも……かと言って,添削回数に制限を設けたら一度にドバッと指摘することになるので,このへんが“うやむや”になってしまうんだよなぁ…….受講者さんには添削料金以上の価値を提供したいから,やはり採算度外視の“何回でも”しかないな.

―受講者さんへの事務連絡―
 事前にお伝えしたと思いますが,私事で4月1日(日)から4月3日(火)までは添削をお休みさせてください.3月31日(土)に送られたメールは,基本的に4月4日(水)以降の返信になります.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.
―受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は想定問題16問(専門その13(最終問題)まで・建設一般その3まで),総監部門は想定問題その10(最終問題)までを配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

日々寸感 | 【2012-03-30(Fri) 17:50:49】
Trackback:(0) | Comments:(6)
アクションを起こせ!
 ここ最近,年度末の納品・検査ラッシュで休みらしい休みが取れない状態だった.このブログを見ている多くの方が同じ状況なんだろうなぁ……長時間労働を抑制する「労働基準法」は幻か?今週末になってやっと目途がついた感じ(もちろん“繰越し”もありますが).
 それにしても,(誰が考えても)工期内の納品が土台無理な業務の発注,これは改善されないんだろうか?“繰越し”ありきで受注する民間企業にも問題はあるんだけど,最終的に破棄される仮納品の成果!?を段取りする非効率さ,これには毎度むなしさを感じてしまう.

 年度末と言えば,来週には「社会資本整備重点計画の見直し」や「安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた提言」に関する資料が充実するんじゃないかな?業務に追われて大変だと思いますが,それは受験者全員同じことであって,そこから一歩抜け出そうとするなら,(自分だけは)受験モードに切替えなきゃいけない.

 毎度のことながら話は変わるが,「国土と日本人」を読んだ.のんびり読書する時間が取れない日常を考えると,「国土学再考」や「国土学事始め」のほうが有益だと思う.これらは「元建設省道路局長・国交省技監」という著者の経歴に偏見を抱かず,素直に読んでみてほしいし,建設部門の受験者なら一読の価値はあります.
 ついでに「救国のレジリエンス」も紹介しておこう.以前ブログの記事(列島強靭化論)で紹介したように,相変わらず熱い思いを語られています.中野氏の近著「レジーム・チェンジ」にも目を通したけど,藤井氏と同じ研究室だから!?似たような考え方です.

 私なんかが言うことじゃないけど,そろそろ“熱い思いを具現化させるアクション”を起こさないと,藤井氏と中野氏は「夢を語るだけの人」という扱いになってしまう予感がする.例えは悪いが,芸能人で言うところの「あの人は今」と同じ状態になるかもしれないということ.試験勉強でも,いくら合格したいという“思い”を抱いていても,その実現に向けたアクションを起こさないと,夢物語で終わってしまいます.
 読書離れが深刻化している現在,書籍化するだけでは何も変わらないし,多くの国民は「思想的な話はお腹いっぱい」の状況なんだから,(橋本大阪市長がいいとは言わないが)とにかく行動で示してほしい.

Amazon:国土と日本人-災害大国の生き方 (中公新書) 大石久和
Amazon:救国のレジリエンス 「列島強靱化」でGDP900兆円の日本が生まれる 藤井聡
Amazon:レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書) 中野剛志

―受講者さんへの事務連絡―
 私事で4月1日(日)から4月3日(火)までは添削をお休みさせてください.3月31日(土)に送られたメールは,基本的に4月4日(水)以降の返信になります.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.
―受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は想定問題14問(専門その11まで・建設一般その3まで),総監部門は想定問題その10(最終問題)までを配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

日々寸感 | 【2012-03-23(Fri) 19:50:18】
Trackback:(0) | Comments:(4)
技術士になられた方へ
 今日は受講者さん(両名ともOB)から頂いたメールを2つ紹介させていただきます.
 どちらも今年技術士になられた方が胸に刻んでおくべき内容だと思います.

 まずは被災地からのメール(その3)を書いてくれた受講者さんからのメールになります.「今後は,被災地自治体の技術士として復興に全力を尽くす所存であります」の文言は重みがあると思っています.被災地の復興に奔走する(過酷な勤務)状況下でも「技術士」試験に合格した,という実績も尊いものだと思います.

 本日の合格発表により,何とか合格する事が出来ました。長期にわたるご指導の賜物であると感じております。本当にありがとうございました。
 今後は,被災地自治体の技術士として復興に全力を尽くす所存であります。

 さて,震災から一年が経過し,被災地の状況について若干報告したいと思います。
 各種マスコミの論調は,被災地の復興は遅れているとの報道が多いようですが,沿岸部を除く内陸部は,災害復旧工事の発注もほぼ終了し,復旧が進んでおります。しかし,津波被害を受けた沿岸部は,港湾・漁港の復旧工事は進んでおりますが,復興まちづくりに関連する道路,河川,海岸などの各種復旧,復興事業は進んでいないのが現状です。

 壊滅的な被害を受けた地域は,復興まちづくり計画における地域との合意形成と各種インフラの復旧が複雑にからみ,用地問題,水産業(産業)との調整,縦割りなインフラ管理者,制約が多い災害復旧制度,瓦礫処理の遅れ(ヤード不足),頻発する工事発注の不調など,これまでに経験したことのない様々な課題,問題の解決が短期で集中して求められている状況となっております。

 全国の都道県から多数の支援をいただき,現場の職員は日々復興に向けて奮闘しているところですが,複雑に絡む地域特性や各種事業など各種の課題に加え,放射能の影響や疲弊する建設業(復旧工事が急に増加しても対応に限界がある)など,沿岸部の復興は険しく長い道のりであるのが現状です。

 他の地域の方々には,表面だけの報道に惑わされず,日々奮闘している支援を含めた被災地の復興に携わる人々のことを忘れず,見守っていただけたらと思います。
 雑駁な内容となりましたが被災地からの一言といたします。

 つぎは,模擬面接で試験官役を務めてくれたFURUさんからのメールになります.技術士になられた方に対する叱咤激励というか,これは「技術士」という資格の本筋をズバリ言い当てていると思います.自分の技術的な力量に不安を感じている方もおられるでしょうが,これから精進!?していけばよいのです.

 技術士の力量が十分にあって技術士になられる方もいれば、技術士という資格が人を技術士に育ててくれる場合も大いにあるんだなぁ・・ということを最近実感しています。
 私は比較的若年なので、後者に該当し、やはり経験不足は否めません。
 資格に守ってもらうこともあり、資格に鍛えてもらうこともあり、という感じで、技術士という資格はほんとに不思議な資格だと思います。これからも技術士資格とうまく付き合って行きたいと思います。


―受講者さんへの確認事項―
 建設部門と総監部門,どちらも本日付で「平成23年度合格者の技術的体験論文」を配布しました.マスク処理をしていますが,無尽蔵に公開するようなものではないので,【丸秘扱いを厳守】していただきたいと思います.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

日々寸感 | 【2012-03-07(Wed) 18:03:02】
Trackback:(0) | Comments:(0)
平成23年度の添削指導結果(最終)
 平成23年度の添削指導結果(最終)を書いておきます.
 合格された受講者さん,何はともあれ,おめでとうございます!!今年の懇親会場「東京」での初顔合わせ(あるいは再会)を楽しみにしております.

建設部門(道路科目)は44名が受講されました.
 ・道路科目の受験者数2,679人,筆記合格者数526人(筆記合格率19.6%)
   ⇒受講者さんは17名が筆記合格(17/44=38.6%)しました.
 ・面接受験者数526人,最終合格者数436人(面接合格率82.9%)
   ⇒受講者さんは16名が最終合格(16/17=94.1%)しました.
 ・受験者数2,679人,最終合格者数436人(最終合格率16.3%)
   ⇒受講者さんは16名が最終合格(16/44=36.4%)しました.

総監部門(建設科目)は13名が受講されました.
 ・総監部門の受験者数2,534人,筆記合格者数415人(筆記合格率16.4%)
   ⇒受講者さんは7名が筆記合格(7/13=53.8%)しました.
 ・面接受験者数415人,最終合格者数332人(面接合格率80.0%)
   ⇒受講者さんは7名が最終合格(7/7=100.0%)しました.
 ・受験者数2,534人,最終合格者数332人(最終合格率13.1%)
   ⇒受講者さんは7名が最終合格(7/13=53.8%)しました.

 受講者さんの分母の中には「添削料を払ったけどまったく勉強しなかった人」や「仕事の都合で勉強できなかった人」も含まれます.当たり前ですが,そのへんを考慮すると実質的な合格率は上がります.

 残念ながら,建設部門(道路)は「筆記合格者全員が面接合格」とはいきませんでした.いったん仕上がっている技術的体験論文をいじくり回されたり,面接日が早く準備不足だったのが痛かった……来年度リベンジを果たしてほしいと思います. 
 模擬面接で試験官役をしていただいた皆さん,本当にありがとうございました.通常業務との兼合いがあるので開催場所は限定的になりますが,平成24年度の添削指導でも模擬面接を実施する予定です.

添削指導結果 | 【2012-03-05(Mon) 12:12:48】
Trackback:(0) | Comments:(4)
今夜は眠れない
 ブログの更新が滞りがちですが,2月末の納品で息をつく間もなく,相変わらず怒涛の忙しさです…….平面・縦断線形や横断を入れるだけなら(気分的には)楽なんだけど,展開図や数量計算というチカラ仕事がつらい(めんどくさい?).とはいえ,予備設計や概略設計でズルズル引っ張られるのもつらいんだよなぁ…….

 いよいよ明日3月5日(月曜日)は合格発表だ.
 今年も昨年と似た感じの合格率になるのだろうか?昨年と同じぐらいなら,建設部門(道路科目)の最終合格率は厳しいかも……なるべく多くの受験者に吉報が届きますように.
 口頭試験を受けた人は今夜眠れないかも……私自身,昨年受講された方たちの合否が気になるところ.

 日本技術士会は何時に発表するんだろう(深夜0時すぎには発表されるのかな?).ちなみに,このページは合格者の受験番号しか確認できません.
 技術士第二次試験「口頭試験」合格発表
 インターネット官報は合格者のフルネームが掲載される予定です.〔官庁報告〕国家試験になるから,号外のほうに掲載されると思います.
 インターネット官報

―受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は想定問題12問(専門その10まで・建設一般その2まで),総監部門は想定問題その8までを配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

日々寸感 | 【2012-03-04(Sun) 09:26:47】
Trackback:(0) | Comments:(0)
リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
総監部門 択一問題集  平成29年度版
月別アーカイブ
E-NEXCOドライブプラザ
FC2カウンター