何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2012年04月
第一次的高速道路ネットワーク
 新年度になってからというもの,急激に添削が忙しくなった.年度末は残業・休日出勤が慢性化し,それだけ多くの受講者さんが試験勉強どころじゃなかったんだろうなぁ……これからの巻返しに期待しています.
 そうこう言っている間に,「新東名」の一部区間(静岡県区間:162km)が開通した.「世界をリードする次世代の高速道路」と銘打つだけあって,さまざまな技術が導入されています.道路科目で受験される方は「新東名リーディングプロジェクト」のページを見て,最新技術の動向を把握しておくべきだと思います(ロボットによるお手洗い清掃はどうでもよいが).

 当初は東名の交通分散が主目的だったと思うが,いつの間にやら東名の防災対策(リダンダンシー)が強調されるようになった.そのせいか,新東名のSAやPAにはヘリポートも整備されたようだ.ちなみに,ドクターヘリのパイロットから聞いた話だと,耕作放棄地や3種4級クラスの道路上でも離着陸は可能らしいし,実際に荒れた畑から飛び立ったこともあるらしい.さすがに「田んぼ」では難しいようです.

 限られた予算しかないんだから,経済効果や防災面から優先すべき事業を取捨選択しなきゃいけないんだけど,マスコミの論調では,どうしても大都市圏のネットワーク強化が中心になってしまう.そこで「第一次的高速道路ネットワークの早期連結を目指す10県知事会議」の提言からプレゼン資料を転載した.細かな点が知りたい方は,参考ホームページの「これまでの政策提言」を見てください.あれこれ詰め過ぎているので,目がチカチカするというか,見づらいプレゼン資料になっているような…….
CIMG09584
CIMG09585
 「高速道路の整備の順番を待たされている」という表現はどうかと思うが,提言を乱暴にまとめると,整備率が低い地域にも予算を回して早く高速道路をつないでくれ,ということ.
 「10県知事会議」の提言によると,こうした地域における1kmあたりの事業費は48億円らしい.仮に26,000億円(今回新東名で開通した区間の事業費2.6兆円)で割ると,どんぶり勘定で約540kmの整備が可能だったわけだ.たとえば島根県の場合,第一次的高速道路の路線延長は286km(うち供用延長156km:残り130km)なんだから,アッという間にミッシングリンクは解消される.
 要するに,新東名を建設する予算があれば,多くのミッシングリンクが解消できるんじゃないか,という見方もできるということ.ダブルネットワークによる信頼性の向上という東名・新東名だけの視点じゃなく,全国に散在しているミッシングリンクから,新東名を考えてみるのも「あり」かもしれない.

 経済効果だけを考えると,採算性の悪い路線整備は後回しになるんだが,こうした経済的合理性を持ち出してしまうと,東日本大震災の復興も疑問視されてきてしまう.岩手,宮城,福島県の被災3県が占めるGDPの割合は全国の4%程度しかないんだから,経済的合理性の話になってしまうと,(言葉は悪いが)たった4%のために莫大な血税を投入するのか?ということになってしまう.公平な観点から本当に必要な投資なのか,を第三者が経済的合理性だけで判断するのは難しいと思う.

参考ホームページ:新東名リーディングプロジェクト:NEXCO 中日本
参考ホームページ:第一次的高速道路ネットワークの早期連結を目指す10県知事会議「第5回政策提言」について:鳥取県

道路科目 | 【2012-04-25(Wed) 18:04:11】
Trackback:(0) | Comments:(0)
みんなにやさしい自転車環境
 年度明けで頭がフル回転というわけじゃないんだけど,先日公表された「みんなにやさしい自転車環境-安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた提言-」から一部抜粋(下線は加工)して,疑問点(いちゃもん!?)をコメント(緑文字表記部)してみよう.
 全体をザッと読んだ感想としては,「みんなにやさしい」というより,自転車の利便性や走行性を追求しただけじゃないか?ということ.歩行者の安全を守るはずなのに,かえって自転車の危険(自動車との事故確率)が高まってしまうのでは意味がない.

Ⅱ.ガイドラインについて
Ⅱ-1.自転車通行空間の計画
⇒いろいろ思うところはあるんだけど,こうした計画分野は,どうしても抽象論の雨嵐というか,総論賛成・各論反対になってしまうので,あえてコメントは避けておこう.

Ⅱ-2.自転車通行空間の設計
Ⅱ-2-1.一般部
1.自転車通行空間の設計の基本的な考え方
2)路面等の構造
○ 自転車の安全性、快適性を向上させるため、自転車道の起終点部にボラード等の工作物はできる限り設置しないこと。やむを得ず工作物を設置する場合には、弾力性のある素材を用いるとともに夜間でも視認できるものとすること。
⇒これは安全性よりも快適性(走行性)を重視するということか?高齢ドライバーが増えているんだから,誤って進入させない措置(ボラード等の工作物)は必要じゃないか?
コンビニの駐車場に設置されているふち石を,いとも簡単を乗り越えて店舗に突っ込む高齢ドライバーもいるんだし……結局設置せざるを得ない事故が起きるような気がする.

3)幅員
○ 自転車通行空間の幅員は、隣接する歩行空間の幅員とのバランスが重要であり、歩行者、自転車がそれぞれの空間を通行しやすく、また自然に通行位置が守られるよう、歩行者、自転車の交通量を考慮して決定すること。
⇒これが難しいんだよなぁ……簡単に交通量を考慮(需要予測)と言われてますけど.
自転車空間の幅員を増やせば交通量は自然増する(その逆も然り)わけで……かと言って,幅員配分を柔軟に変える目的で自歩道の幅員を広げて整備するぐらいなら,最初っから自転車道と歩道を確保すべき,という話になるし.
大店立地法でも(駐輪場じゃなく道路上の)自転車の交通量を検討させるんだろうか?こうした法規制にも横串を通さないと,需要予測の精度なんて上がらないと思う.


Ⅱ-2-2.交差点部
1.交差点部における自転車通行空間設計の基本的な考え方
1)分離形態の連続性
○ 交差点部において歩行者、自転車、自動車の適切な分離、共存を図るため、交差点部の分離形態について、前後の自転車通行空間と同様の形態をできる限り連続的に確保すべきであり、安易に自転車通行空間を自転車歩行者道へ接続しないことを基本とすること。
⇒これは意味がわかりにくい.交差点前後で自転車歩行者道を通行している自転車の扱いはどうなるんだろうか?交差点前(or後)で一旦車道に下ろす(or自歩道に上げる)のか?自転車歩行者道に自転車横断帯を接続させるのでは,従来と変わんないことになるんだけど.
2)通行空間の直線的な接続
○ 自転車の安全性、快適性を向上させるため、自転車動線の直進性を重視し、一方通行の自転車道、自転車専用通行帯のいずれの場合も、自動車と同じ方向に通行する自転車の交差点部における自転車通行空間は、直線的に接続することを基本とすること。
⇒これを基本方針にすると,いくら対策を施しても自動車の巻き込み事故は増えるような気がする.そもそも自転車の快適性と言いながら,やたら走行速度が上げるような方針は,かえって危険性を高めるだけじゃないか?

 そもそもイス取りゲームというか,車,自転車,歩行者という3つの移動主体に対し,普通の道路には車道と歩道(自歩道)の2つしかないんだから,抜本対策によって3つのイスを用意しない限り,どれかひとつは弊害を受けることになる.イスが2つあれば救いはあるが,イスが1つの(歩道が無い)路線のほうが圧倒的に多いんだよなぁ…….
 この提言では自転車利用を促しているが,その前にインフラ基盤を整えないと事故が増加するだけになると思う.インフラ基盤は何も道路だけではない.自転車を載せられる電車やバスの普及促進も基盤整備だ(一時期流行ったが,一過性のブームだったような気がする).

 毎度のように話は変わるが,外出先で添削するときには,スマートフォンのテザリングでノートPCを使っている.ところがドコモの次世代通信サービス「Xi:クロッシィ」のサービスエリアだと,やたらスマホのバッテリーの減りが早い.既存のFOMAネットワークの速度で十分だから,クロッシィのサービスエリアは広がってほしくない.
 通信速度を上げればバッテリーの消耗が早くなるように,自転車でも快適性(走行速度)が向上すれば,何らかの不具合が出るんじゃないかな?自転車でもクロッシィと似たような事態にならなきゃいいんだけど.

PDF:「みんなにやさしい自転車環境-安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた提言-」(提言のポイント)
PDF:「みんなにやさしい自転車環境-安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた提言-」
PDF(警察庁):良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について

道路科目 | 【2012-04-09(Mon) 20:46:43】
Trackback:(0) | Comments:(0)
リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
総監部門 択一問題集  平成29年度版
月別アーカイブ
E-NEXCOドライブプラザ
FC2カウンター