何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2014年01月
経営的な観点
 口頭試験が終わったので,たまには総監部門の話でも.
 昨年1月,文科省の科学技術・学術審議会技術士分科会が「今後の技術士制度の在り方に関する論点整理」を公表した.それには,総監部門は5つの管理分野だけでは不十分であり,「経営的な観点」が必要と書かれている.
 しかしながら,何年も改訂が放置され,すでに使えない古典となりつつある青本には,経済学の基本の「き」さえ示されていない.行動経済学や神経経済学も掲載すべき,なんて野暮なことは言わないが,せめてマクロ・ミクロ経済学やゲーム理論の基礎ぐらいは把握しておかないと,「経営的な観点」もクソもないんじゃないかな?

 もし「経営的な観点」まで総監部門の口頭試験に含めた場合,試験官は回答の可否を決められるんだろうか……経営は実践的な学問だから,たとえ中小零細企業であろうと,実際に経営している人とそうでない人では,回答に対する解釈は相違する可能性が高い.そもそも「経営的な観点」は容易に白黒つけられるようなものではないし,それが可能なら儲けている企業ばかりになってしまう.

 総合技術監理部門の技術士試験では、必須科目として「総合技術監理一般」を、選択科目として他の20技術部門の必須科目及び選択科目と同じ科目を課している。
 必須科目「総合技術監理一般」は、以下の5つの事項を内容としている。
 ①安全管理に関する事項
 ②社会環境との調和性に関する事項
 ③経済性(品質、コスト及び生産性)に関する事項
 ④情報管理に関する事項
 ⑤人的資源管理に関する事項
 産業界においては、技術的・経営的な課題を、総合的かつ多角的に解決できる技術者の養成が必要であり、経営的な観点より、総合技術監理部門の5つの事項では不十分であると考えられる。

 PDF:今後の技術士制度の在り方に関する論点整理から抜粋

 余談になるが,総監部門の択一問題集を作成して感じた点は,重箱の隅をほじくるような専門知識の設問はいらないんじゃないの?ということ.
 択一式の「問題の種類」は「平成26年度技術士第二次試験実施大綱:PDF」で“総監部門に関する課題解決能力及び応用能力”と示されている.専門知識の習得を前提とした計算問題なら“応用能力を問うもの”として理解できるんだけど,前提となる専門知識を知っているか否かを確認する問題に偏っているような……まさか誤っている選択肢を数える行為が応用能力ではあるまい.
 現在の択一式を世界史の勉強に例えると,細かい年号や人名を覚えさせるだけで,本来習得すべき大きな流れ(総監部門としての大局観)をつかみ損ねている感じ.

 課題解決能力が試されるトレードオフにしても,その解消方法は多種多様で唯一の解は無いわけだし,どの方法が正しいかは結果でしか判断できない.こうした大局観を養わないと,ガリガリ勉強しても空理空論に過ぎないわけで……低減や回避などのリスク対応も,自分の小遣いを株式・債券投資して少し痛い目にあったほうが,その本質を会得しやすい.
 くれぐれも丁半の博打にならないよう,ポートフォリオや効率的フロンティアの理解,塩漬けの禁止など最低限の条件を忘れずに.
 
―受講者さんへの事務連絡―
 現時点で,建設部門は12問〔内訳:Ⅱ-1(専門知識)想定問題その6(2問ずつ問題あり)まで,Ⅱ-2(応用能力)想定問題その6まで〕と,必須科目の択一問題集(第1巻・第2巻)を配布済みです.
 総監部門は記述式6問(想定問題その6まで)と択一問題集第1巻(経済性管理)・第2巻(人的資源管理)・第3巻(情報管理)・第4巻(安全管理)を配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

総合技術監理 | 【2014-01-28(Tue) 18:46:40】
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走る情報端末
 あけましておめでとうございます.
 道路科目で受験される方は,道路というインフラばかりじゃなく,それを利用するクルマの動向にも注視したほうがよい.道路の機能といえば,交通機能と空間機能がお決まりだが,そのうち情報機能(道路上にいれば情報を享受できる機能?)が追記されるかもしれない.
 2017年には完全自律走行車を実用化するとグーグルは表明しているし,それが普及した後の道路の考え方は,現在と大きく異なるんじゃないか……その前に法的な整備が進むかどうか,が問題だけど.

 インターネット検索最大手の米グーグルは6日、自動車内の情報機器を制御するシステム開発でホンダや米ゼネラル・モーターズ(GM)など車大手4社と提携したと発表した。グーグルの基本ソフト(OS)を使って音声操作でメールや地図情報がやり取りできるようにするなど車を「走る情報端末」に進化させる。グーグルは自動運転技術の開発も進めており、自動車とIT(情報技術)産業との世界的な合従連衡が進む可能性が出てきた。……中略……
 グーグルはまず、運転中でもスマホを安全に扱える技術などを自動車各社と開発するとみられる。車とスマホを連動させ、車が運転手の声や視線の動きを検知しスマホ経由で必要な情報を入手したり、電話を掛けたりできるようにする。
 自動車向けの新たなアンドロイドも開発し同OS専用のアプリを車内で使えるようにする。カーナビゲーションは常に最新の地図ソフトに対応できるようになる。最新のヒット曲をネット経由で再生することも可能。一部機能は14年中に利用できるようになる見通し。……以下,省略……
日本経済新聞 2014年1月7日:グーグル、車4社と連合 スマホ応用で走る端末に

  運転中でもスマホを安全に扱える技術を開発するらしいが,これって必要な技術だろうか……運転中は運転だけに集中!がセオリーじゃないかな.あれこれ機能を増やしても利用者は戸惑うばかりで,かえって高齢者の迷走を増加させるだけの危険な香りがする.
 また,車内に流す楽曲選びやレストランのメニュー表示をスマホ経由させる技術,正直これもいらない.グーグルのページランク(検索結果)で上位に表示されるヒット曲や有名店を羅列するだけでは,画一的な利用者ばかり増殖してしまう.
 すべての情報をグーグルが掌握し,そのランク付けによって世の中が動いているのではないか,という懸念もあるようだが,この流れは止められないだろう.誰もが便利さの中に網羅性も求めているんだから,ビッグデータを駆使するグーグルにはかなわない.
 
 技術士試験の勉強では,いつ終わるともしれない年度末の業務量に圧倒されながらも,限られた時間の中で「自分にとって使える情報」を取捨選択しなければならない.その点から考えると,ページランクで表示された順番通りにクリックして,そこに掲載されたものを読む,あるいはコピペする行為は効率的に思える.しかし,過度なグーグル依存は能力を劣化させるというか,額に汗して考えるべき論理的思考や書籍を漁って習得すべき専門的知識など,本来自分が為すべき事柄を“うやむや”にしてしまう. 
 なんかグーグルの悪口になってしまったが,添削指導のメール処理には「Google Apps for Business」を利用している.無料のGmailでも十分だと思うが,個人情報を扱うのであれば有料のシステムが無難かなと……タダで手に入るものは必ず裏に何かある,と考えてしまうのは頭が古いだけかもしれない.

道路科目 | 【2014-01-08(Wed) 18:30:44】
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