何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2014年08月
「無理だよ」攻撃
 広島市の土砂災害は甚大な被害のようだ.豪雨による風化花崗岩斜面の表層崩壊で崩れた土砂が谷筋に流出して土石流が発生……というメカニズムか.こうした災害が発生すると,遅かれ早かれ,砂防ダムや砂防堰堤などの公共事業必要論が展開される.しかし,本筋は「危ない箇所には住まない」ことなんだろう.
 土砂災害警戒情報や避難勧告の精度向上には限界があるし,タイムラグは避けて通れない.もし適切な避難指示・勧告が発令されても,豪雨と暗闇という悪条件下では避難行動の選択肢も限られてしまう.ハザードマップや共助の強化は避難行動の一環として大切だが,「危ない箇所には住まない」というリスク回避も立派な避難行動(自助)だと思う.

 東日本大震災の教訓のひとつは,「津波被害を受ける沿岸部には住まない」ことだったはずだが,どうもマスコミでは,これと土砂災害が別系列で語られているような気がする.津波と土砂の違いだけで,危険箇所には住まないように,という点は同じことじゃないか…….
 たとえは悪いかもしれないが,シリアで拘束された邦人の行動をどう思われただろうか.おそらく「なぜ危険地域にわざわざ行くんだ?」という否定的な見方をされた人が大勢だと思う.そうだとすれば,目的意識はどうあれ,危ない地域に行く行為と危ない箇所に住む行為,これらは大差がないのではないか……自助のあり方の議論は重苦しい.
 今後も局所的な豪雨に対するハード整備は必要だが,そろそろ人口減少社会を見越した公費の使い道を探るのも一考だ.「どだい無理だよ」と頭を萎縮させなければ,既存住宅の移転促進を空き家問題とセットで考えてみるなど,知恵の絞り方はいくらでもある.

 筆記試験が終わった直後に重苦しい話ばかりはどうかと思うので,少し勉強法の話でも.
 引用した『完全保存版 できる人の勉強法』の「無理だよ」攻撃は,案外言われた人が多いんじゃないかな?しかし,現在の技術士試験は,やる前から「無理」と思い込む必要はない.とりあえずやってみればよいのである.

 「無理だよ」と、やる前から判断するのは本人だけではありません。 家族や教師、上司、友人、同僚などなど、あなたのまわりの人の中には、必ず「無理だよ」と言う人がいます。もしかすると、この周囲からの「無理だよ」攻撃は、自分で「無理だよ」と決めてしまうよりも強烈かもしれません。この「無理だよ」攻撃をする人たちは、確率統計がやけに得意です。必ず「合格率10パーセント」といった数字を持ち出して、あなたの芽をつもうとします。……中略……

 でも、こんな攻撃に屈してはいけません。そもそも人間は、仲間うちにズバ抜けて何かできる人が現れるのが本能的に嫌なのです。だから、そういう人を見つけると、無意識に、懸命になってその芽をつもうとします。このことを知っていれば、まわりからどれだけ「無理だよ」攻撃をされようと、気にならなくなります。周囲の雑音には耳を貸さず、自分はただ、ひたすら前に進んでいけば良いのです。
 『完全保存版 できる人の勉強法』 安河内 哲也 (著)から抜粋

 まわりの人から攻撃される前に,「願書に書ける業務が見当たらない」とか,「文章を書くのは苦手だし難易度も高い」とか,「過去に受験したけど歯が立たなかった(から二度と受験しない)」とか……せっせと言い訳を作って予防線を張るのはやめたほうがよい.それではいつまでたっても成長しないし,こうしたネガティブ思考を続けていると頭が萎縮してしまう.
 来年度の添削受講者さんには,初めて受験する30歳前後の若手がいる一方で,60歳を超えている熟練者もおられる.どちらの方も「無理だよ」攻撃を上手くかわして,「右も左もわからないけど,とにかくやってみよう」と前向きになっているようだ.やる前から難しく考えるのではなく,とりあえず一歩踏み出してみる姿勢は高く評価したい.

―平成27年(来年)度の受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は1問〔内訳:Ⅱ-1(専門知識)想定問題その1(2問ずつ問題あり)〕を配布済みです.総監部門は想定問題その1を配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

日々寸感 | 【2014-08-21(Thu) 19:26:53】
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(事務連絡)論文添削について
―平成27年(来年)度の受講を考えられている皆さんへ―
 すでに来年度初めて二次試験を受ける方から添削指導の申込みが届いている状況なので,本日8月3日から平成27年(来年)度受験に向けた論文添削の申込みを開始します.  
 平成27年(来年)度から,択一式で6割未満の正答だと記述式は採点されません(足切が実施されます).そのせいか,建設部門は添削指導の申込みが例年より早いような気がします.年度末は多忙な業務で勉強できなくなるため,早い時期から少しでも勉強を進めようとしている方が多いのかもしれません.
 最近の年度末(異常な忙しさ!?)を見越してか,総監部門も申込みが早いようです.
 申込みについては,「建設部門(道路)の論文添削について」あるいは「総合技術監理部門(建設)の論文添削について」を読まれたうえで「申込みフォーム」からお願いします.

―平成26年(今年)度の受講者の皆さんへ―
 口頭試験に向けた準備を進められる方は,筆記試験の答案(建設部門の場合は選択科目Ⅲだけ)を再現しておいてください.再現さえ済ませておけば,しばらく休息を取ってもよいと思います.
 毎年お伝えしていることですが,筆記試験がサッパリだったなぁ~と自覚している受講者さんは,口頭試験に向けた準備を進めるか,今年はキッパリあきらめて来年に向けてボチボチ始動するか,このへんの判断は各自に任せたいと思います.

―お盆の予定について―
 これも毎年のことですが,8月13日から8月15日まで帰省するので,その間はメールへの返事や添削ができないと思います.ご迷惑をおかけしますが,よろしくお願いします.

日々寸感 | 【2014-08-03(Sun) 19:11:07】
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お疲れさまでした
 昨日,今日と受験された皆さん,お疲れさまでした.

 ―総監―
 想定問題その1やその4を流用すれば,受講者さんは設問要求に準じた記述ができたのではないでしょうか.問題用紙の1枚目に示されている「あなたの解答を評価する際,記述の論理的なつながり,工夫をこらした対応策の提案,そして論文全体としてのまとまり,を特に重視する」という点がどこまで徹底されるか,によって記述式の点数は決まると思います.全体的に択一式の出来は良いと思うので,合格率が例年並みだと記述式の採点は困難を極めるでしょう.
 ざっとした感想は「人口構造と更新計画」に書いたので,目を通してみてください.

 ―道路【選択科目Ⅲ(課題解決能力)】―
 ひとつは防災・減災対策,もう一つが物流対策だったようです.受講者さんは想定問題の解答を流用すれば書けたと思います(物流対策は予想外でした).おそらく多くの受験者が防災・減災対策を用意していたと思うので,ありきたりの話ばかりだと他の受験者と差別化できず,相対評価は難しい結果になるかも.

 ―道路【選択科目Ⅱ-1(専門知識),Ⅱ-2(応用能力)】―
 選択科目Ⅱ-1の「のり面保護工」が想定問題に類似していたので,一つ目はこれを記述したと思います.「舗装の性能規定化」は想定問題で準備したのですが,塑性変形輪数・簡便法と限定された時点で解答が難しかったかも……「スマートIC」は想定問題のインターチェンジを流用すれば留意点は何とかなったか.結局,二つ目は常識で解答できる「種級区分」を選択した受講者さんが多いのかもしれない.
 選択科目Ⅱ-2の「メンテナンスサイクル」は,選択科目Ⅲの想定問題として準備した内容を流用して受講者さんは記述したと思います.それにしても,疲労・塩害・アル骨の概要説明を求めるのは,道路科目の問題としていかがなものか?基本とはいえ,そこまで道路科目で要求すると膨大な知識が必要になるんじゃないか……「道の駅」は予想外でした.

 昨年同様,選択科目Ⅱ(専門知識・応用能力)の出題傾向を考えると,筆記合格に要する勉強範囲が増えた印象を受けました.事前に頭へ入れておかないと答えられない出題が増えた,とも言えます.やはり小手先の準備で受験しても合格は難しいかもしれません.

 試験問題を提供してくれた受講者さん(今回もハンドルネーム表記を避けました),迅速な対応ありがとうございました.高知県や徳島県など四国地方の受講者さんが無事受験できたのか,猛烈な雨量だったので心配しています.
 とりあえずビールでも飲んで,筆記試験の疲れを癒してください.

出題予想 | 【2014-08-03(Sun) 19:05:22】
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人口構造と更新計画
 とりあえず今年の記述式を振り返ってみたい.対応策は昨年度の記述式と同じものが使えたんじゃないかな?このブログを見ている方は,「更新計画」の対象として土木系インフラを選択したと思うので,あえて「自動車専用道路網」で振り返ってみる.

 1枚目は,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①「更新計画」の対象は,表1に数多くの例が示されているので,この中から選択するのが無難だろう.いきなり運命の分かれ道だが,ここで建物(駅舎,病院,複合商業施設,集合住宅など)を選択するのが賢い判断だ.そのほうが2枚目以降の記述は楽になる……とはいえ,書きづらい土木系インフラを選択した人が大半だろうなぁ……結論(対応策)で書く内容を先に決めておけば,建物の選択という柔軟な発想になったかもしれない.
 ②対象の機能,規模,特徴や背景状況については説明不要だろう.注意すべきは「自動車専用道路網」の対象範囲を全国区にしない点ぐらいか.都道府県の範囲ぐらいにしておかないと,2枚目の記述で収拾がつかない.

 2枚目も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①「社会影響」は,表2に数多くの例が示されているので,この中から2つ選択すればよい.「自動車専用道路網」の場合,1つ目は「地域の高齢化」が書きやすいのではないか.2つ目は明らかに書きやすい「労働力人口の減少」を選択すべきだ.なお,表2の分野2に書かれている影響は,建物を選択していない時点で使えないと割切るほうがよい.
 ②は「その理由を説明せよ」の設問意図が正直わからない.たとえば「人口減少地域の拡大」を「社会影響」とした場合,人口減少や人口構造の変化がどのように影響を与えるのか,の理由もへったくれもないんじゃないかな?人口減少の推計値から「人口減少地域の拡大」という影響が懸念されているだけのような…….各々の「社会影響」に対して想定される影響の程度は,図1の概算値を盛込みながら記述すればよい.
 「社会影響」が「更新計画」とどのように関わるのか,の説明は,3枚目以降の記述がイメージできているか否か,によって出来が決まる.「地域の高齢化」は利用者総数・頻度の減少に伴う収支の悪化(使える予算が減る)という関係が思い浮かぶ.「労働力人口の減少」は建設作業員や熟練工の不足に伴う品質確保の問題というお決まりのパターンがある.

 3枚目以降は,以下のような感じでいいんじゃないかな?対応策は総監部門(青本のキーワードを使った内容)の記述になっているか,がポイントになる.
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3.1 地域の高齢化への対応策
3.1.1 対応策の内容

⇒対応策はひとつじゃないんだから,小項目を設けて2つ(あるいは3つ)の管理分野から対応策を書けばよい.そうすれば,3.1.2の「対応策の提案理由および予想効果」は自動的に2つ以上の管理分野から考察することになる.ちなみに,4つもの管理分野から対応策を書けるスペースは無いと思う.
①○○○○(経済性管理)
 経済性管理としては,費用便益分析や収支予測の精度向上,原価管理の徹底,更新時期の集中回避(予算の平準化)が王道だろう.これらへの対策は多様だが,メンテナンスサイクル,PDCAサイクル,スパイラルアップ,フォローアップ,フィードバックなど,プラス要素のキーワードも盛込みたいところ.
 ちなみに,建設部門的な要素である交通需要予測を長々と書いても評価は上がらない.ましてや長寿命化に対する新工法の技術説明文は不要です.総監部門の記述式問題ということを忘れてしまった時点で負けです.
②○○○○(安全管理)
 安全管理としては,労働災害対策を書けばよい.具体的には,未然防止活動やヒューマンエラー対策,メンタルヘルスや労働安全衛生法の遵守などが挙げられる.多少強引かもしれないが,減少していく予算下では厳格な工程管理が求められるから作業員の心身疲労の蓄積が懸念される,だから労働災害対策が必要という理由付けを3.1.2ですればよい.
3.1.2 対応策の提案理由および予想効果
⇒これは説明不要だろう.
3.1.3 トレードオフおよび留意点
⇒トレードオフはコスト(経済性管理)を中心に考えれば,容易に想像がつくはず.できれば,対応策として記述した管理分野(この例だと安全管理)以外の管理分野に言及したい.

3.2 労働力人口の減少への対応策
3.2.1 対応策の内容
①○○○○(経済性管理)

⇒経済性管理は,品質確保の一点張りでよいと思う.これに対する具体策なら誰でも書けるはずだし,これが書けないようだと正直合格は難しい.
②○○○○(人的資源管理)
⇒人的資源管理は,人的資源開発,教育訓練計画,ジョブ・ローテーション,OJT・OFF-JT,教育訓練管理などを書けばよい.
3.2.2 対応策の提案理由および予想効果
3.2.3 トレードオフおよび留意点
⇒3.2.2で負の効果を書いた場合,それに対する解決策を留意点として書けばよい.
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 ざっと振り返ってみたが,建設部門的ではなく,(多少強引であっても)総監部門らしい内容の記述ができているか否か,によって記述式の点数は決まるんじゃないかな?
 余談になるが,政府は「骨太の方針」で「50年後に1億人程度の安定した人口構造を保持することを目指す」という目標を掲げているんだけど……それと今回の試験問題との整合性はどうなんだろうか.

総合技術監理 | 【2014-08-03(Sun) 11:31:10】
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リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
総監部門 択一問題集  平成29年度版
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