何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 2014年09月
欲張りな「道の駅」
 平成26年度の技術士試験(建設部門道路科目)Ⅱ-2-2は「道の駅」に関する問題だった.Ⅱ-2は応用能力を問うものだが,「道の駅」を実務で経験されている受験者がどれだけいたんだろうか?これをⅡ-1の専門知識で問うならわからないでもないが,もう少し受験者の実態に即した出題を考えてほしいところ.

 ローカル・アベノミクス(地方創生)の一環として,国交省が「道の駅」のモデル事業を実施するようだ.まー,予算取りの苦肉の策ともいえるが,それはそれとして,10月の筆記結果を待たれている受験者は,復習を兼ねて目を通しておきましょう.
 掲載した表のように,モデル箇所の対象は,地域外から活力を呼ぶ「ゲートウェイ型」と,地域の元気を創る「地域センター型」に分類されている.モデル事業が成功すれば,順次この類型別を全国1,030箇所の「道の駅」に展開するんだろう……毎度の全国画一的な整備ということです.

 基本的に「道の駅」は指定管理者制度を採用しており,地方自治体が施設を建設し,その運営は第三セクターあるいは民間企業に委ねられる.この制度をうまく使っているといえばそれまでだが,「ゲートウェイ型」における「免税店の併設」や「宿泊予約やツアー手配のための旅行業の登録」などは,さすがに民業圧迫じゃないかな?まー,観光客メインの「ゲートウェイ型」に深入りしてしまうと,平日ガラガラの状態になると思うけど.
 また,「地域センター型」における「高齢者への宅配サービス」なんて,それこそ高齢者は自治体運営のサービスだと勘違いするんじゃないか……それを見越していれば極悪人だ.
 表中には雇用の創出も示されているが,道の駅栄えて市町村の中心部が衰退では,結局ゼロサムゲームじゃないかな?

 それにしても「道の駅」に“あれもこれも”期待しすぎの感は否めない.「道の駅」の基本機能は,休憩機能,地域の連携機能,情報発信機能の3つ(災害時は防災機能も加わる)だが,休憩機能の充実が置去りになっているような……これがドライバーに対する最優先の機能だと思うんだけど,拝金主義では一番手を抜きやすい機能なのかもしれない.
 成功事例の模倣である「農林水産物の直売所,加工場,レストラン」という3点セットも永続的なビジネスモデルじゃないんだし,新陳代謝がないと消費者は飽きてしまうんだから,民業へのしわ寄せを避けつつ独自性を追求する“新たな「道の駅」”の登場を期待したい.

PDF:「道の駅」による地方創生拠点の形成 平成26年8月 国土交通省
PDF:「道の駅」について 平成25年11月 (一財)国土技術研究センター
参考ウェブサイト:国土交通省-道路:道の駅案内

―受講者の皆さんへ―
 来月初めの10月4日(土曜日)と5日(日曜日)は,添削講座を通じて知り合った合格者さんたちとの懇親会なので添削できないと思います.10月3日に送られたメールは,基本的に10月6日以降の返信になります.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.
 現在受講されている方も,ぜひ合格していただいて,次回の懇親会への参加をお待ちしております.
―平成27年(来年)度の受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は記述式3問〔内訳:Ⅱ-1(専門知識)想定問題その2(2問ずつ問題あり)まで,Ⅱ-2(応用能力)想定問題その1〕を配布済みです.総監部門は記述式2問(想定問題その2まで)を配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

道路科目 | 【2014-09-20(Sat) 11:31:14】
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グローバルとローカル
 トリクルダウンやJカーブ効果に対する疑念が顕在化しているからか,アベノミクスは「地方創生」に軸足を移しているようだ.人口減少や地域経済の活性化対策は,即効性を求められるわけじゃないからなぁ…….
 総監部門における平成26年度の記述式は「人口構造の変化」だった(解説は「人口構造と更新計画」を参考にしてみてください).口頭試験に向けて記述式の再現や復習をされている方もおられると思うので,目を通しておいたほうがよいものを紹介しておこう.

 公務員や公的機関に勤務されている方は,増田寛也氏の『地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 』は読んでおくべきだろう.異論反論はあるかもしれないが,大筋では説得力のある内容になっている.わざわざ新書を買わなくても,ネット上の日本創成会議・人口減少問題検討分科会「ストップ少子化・地方元気戦略」 を読めば十分だと思うけど.
 『ストップ少子化戦略』には,育児休業の拡充,「長時間労働」の是正,多様な働き方の推進……のような毎度の具体策や,キャリア・アップ,トップランナー方式,ワークライフマネジメントのようなアチャラ語がてんこ盛りだから,それだけでおなか一杯という感じ.
 『地方元気戦略』の主眼は,地方から大都市への「人の流れ」を変えること,特に「東京一極集中」に歯止めをかけることのようだ.一昔前までは「大都市と地方」という認識だったが,最近は「東京とそれ以外」という対比が鮮明になっているので,この観点は正しいと思う.
 「人の流れ」を変えられるかどうかは,グローバル経済圏とローカル経済圏を確立できるか否か,にかかっているわけだが,東京一極集中に代わる成長モデルを見出せなければ,日本全体としての衰退は必然かもしれない.

 民間企業に勤務されている方は,冨山和彦氏の『なぜローカル経済から日本は甦るのか』がお勧めだ.こちらは人口減少がメインではないが,グローバル経済圏(G)ローカル経済圏(L)を企業目線で説明している.氏の説明用ペーパーを掲載したけど,正直これだけで主張は読取れない.新書を買わないと理解できないレベルのペーパーを配布する……これは氏のビジネス手腕か?
 書籍を読んだ感想を乱暴にまとめると,GとLを一緒くたに論じたり,GかLかの二項対立を煽るのではなく,GにはGの,LにはLの特性に対応した取組みを展開すべき,ということ.言わずもがなの要約のようだが,案外これができていない.
 マスコミだけじゃなく学識経験者も,Lを主戦場とする企業に対してGの常識を持ち込んでいるからなぁ……このへんアチャラ語が頻出する「青本」にも通じるところがある.Lを基盤に活動している技術士が大半なのに,Gの知識をバリバリ使っている理想像を要求するから,ぎこちない印象を受けるんだろう.Gの知識を持っていることと,それを使いこなしているか(Gの基盤に身を置いているか)どうか,は本来別に扱うべきなんだけど.
 ちなみに,技術者に経営者の視点は不要,あるいは公務員に民間企業の視点はいらない(逆も然り)と考えている方もおられるようだが,その考えは見直したほうがよい.青本のキーワードを覚えるためではなく,俯瞰的かつ複眼的な視点を養うためにこそ,総監部門を取得する意義があるのだから.

参考ウェブサイト:日本創成会議・人口減少問題検討分科会
PDF:「ストップ少子化・地方元気戦略」 要約版
PDF:「ストップ少子化・地方元気戦略」 提言
参考ウェブサイト:まち・ひと・しごと創生本部

―平成27年(来年)度の受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は2問〔内訳:Ⅱ-1(専門知識)想定問題その1(2問ずつ問題あり),Ⅱ-2(応用能力)想定問題その1〕を配布済みです.総監部門は想定問題その1を配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

総合技術監理 | 【2014-09-05(Fri) 12:58:01】
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リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
総監部門 択一問題集  平成29年度版
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