何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 赤字受注業者を公表してどうするの?
赤字受注業者を公表してどうするの?
 赤字受注した業者名を公表するって……透明性を重視するあまり,進むべき方向を見失っているような気がします.どんな考えが裏にあるのかは知らんけど赤字受注でもいいよ,というのが市場原理でしょ.そうじゃなかったら,倒産する会社なんて存在しなくなりますよ.

 そもそも市場に任せるんなら,安かろう悪かろう,という常識を国民にも理解してもらうべきだと思います……本当は皆気づいていることですが.そのうえで,談合がよいのか悪いのか,市場に任せて価格競争させるのがよいのかどうか,判断してもらえばいいんじゃないかな.

 誰でも,安いもんは悪いもんという前提条件があるからこそ,高価なものを奮発して買うんだし,高価なものをもらったら嬉しいんでしょ?インフラでも貴金属でも自動車でも一緒の話です.
 安くても良いものができるというのは理想論であって,その影で誰かが泣いているんです.その結果が,ワーキングプアや格差社会だと思いますけど.

 公共工事の入札で極端な低価格による落札が相次ぎ、工事の質低下が懸念されるとして、国土交通省は、赤字が明らかな安値で受注した業者名をホームページで公表する。会計法では安値を理由とした契約拒否はできないが、採算度外視の受注だと公にすることで、株主や取引銀行による監視を促し、行き過ぎた価格競争に歯止めをかけるのが狙い。各地方整備局で今月から実施する。

 公表するのは、予定価格2億円以上の工事の入札で、予定価格に対する落札価格の割合(落札率)が67?85%を下回り「低入札価格調査」の対象となった業者のうち、人件費や資材費など価格の内訳を調べて赤字受注が明確になった業者。赤字を下請け業者にしわ寄せしないよう誓約書を提出させた上で、その事実を各地方整備局のホームページに掲載する。

 会計法では、最も安い価格で入札した者と契約することが原則で、契約通りに工事ができない恐れがある場合以外、国側は契約を拒否できない。このため中には、施工実績の確保や自社開発の新技術の普及のために赤字覚悟で安値受注する企業もあるという。
「asahi.com 2007年1月13日」


 談合(順番に受注)はもちろん,低価格競争(赤字覚悟の受注)もダメ,これでは「実績」を確保できないでしょ.「実績」がなかったら,門前払いなんだから,ここんとこの改善をセットで提案しないと意味がないんじゃないかな.
 普通の頭で考えると,同じ価格帯に皆がこぞって札を入れるんだから,技術レベルが同じであっても,根こそぎ受注する業者が出てくる一方で,まったく受注できない業者がでてくるでしょう.これは,自由競争云々というより,運や不運,バクチに近いと思うのです.
 
 一括発注から分割発注へと流れが変わりつつあるIT調達も同じような状況だと思います.大手ITベンダーは,システム構築という「実績」が芋づる式に業務を運んでくれるから,とりあえず叩いて,場合によっては赤字でも取る.
 中央省庁なんてN○Tデータの一人勝ちなんだから,それに勝とうとしたら,赤字受注でも「実績」を取りにいかなければ生き残れないんです.もちろん,コピー機のように機械を設置して「実績」を作り,保守料で儲ける業界も然りです.そこに,まともな市場原理を持込めないことは暗黙の了解のはず.

 もし,大手ITベンダー(富○通,日○,N○C,○芝など)が「実績」のために赤字受注したからといって,いちいち公表しますか?もちろん,コピー機なら経団連会長のキャ○ンなんかもリストに上がると思いますよ.かつての「1円受注」ぐらい男気があればニュースになりますが……これはやりすぎ.
 政府のIT予算は国民の税金なんだし,広義でのインフラなんだから同じ論理じゃないかな?

―今日のことわざ―
安物買いの銭失い


建設一般 | 【2007-01-13(Sat) 19:51:05】
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