何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 CO2の金融化
CO2の金融化
 自分なりの予想問題に対する論文は作成して,そろそろ暗記を始めている受験者の方も多いと思います.さすがに一字一句まで暗記する時代は終わったと思うけど,だから暗記する必要はない!ってことにはならない.
 ある程度覚えていなきゃ,試験当日,右往左往して何も書けないんじゃないかな?自分だけがしんどいのではなく,みんな苦労して覚えているんだから,心を鬼にして頑張ってください……今やらずにいつやるんだ?
 
 やっぱり日本でも排出権取引(ET)を導入する方向に固まったようですね……あとは産業界の反対を押し切れるかどうかだけど,世界的な潮流から考えると導入するしかないと思う.
 排出権取引は,世界中の取引額の約70%を占めるEU域内排出権取引制度(EU-ETS)がデファクト・スタンダードになっている.EU-ETSがキャップ・アンド・トレード(C&T)方式だから,その仕組みに右へ習えとなる……何ごとも後追いになっちゃう……ニッポン.
 
 ちょっと復習しておくと,政府が温室効果ガスの総排出量(総排出枠)を定めて,それを個々の主体に排出枠(キャップ)として配分し,個々の主体間の排出枠の一部の移転(または獲得)を認める……これがC&T方式です.
 もうひとつの方式がベースライン・アンド・クレジット方式なんだけど,これは日本で採用されないようだから覚える必要はないと思う.日本が目指している排出権取引の方向性,この大枠だけ把握しておけば十分です.

 鴨下一郎環境相は24日、温室効果ガスの排出量取引導入を加速する全国組織「日本カーボンアクション・プラットフォーム」(JCAP)を発足させることを、閣議後会見で明らかにした。欧州連合(EU)などが昨年秋に組織し、排出量取引のルール作りを目指す「国際炭素取引協定」(ICAP)の日本版といえる試み。自治体などに参加を呼びかけ、北海道洞爺湖サミット後の7月半ばに初会合を開く。

 大規模事業者に排出枠を割り当て、過不足分を売買して排出削減を進める「キャップ・アンド・トレード型」の排出量取引の仕組みについて情報交換するほか、自ら削減できない分を自然エネルギー事業などへの資金提供で埋め合わせる「カーボン・オフセット」などを加速する狙い。都道府県や政令市などに参加を呼びかけるほか、企業や民間団体の参加も募る。

 東京都では、国内初のキャップ・アンド・トレード型の排出量取引を導入する環境確保条例の改正案が25日に成立する見通し。
 ICAPは昨年10月、排出量取引の国際ルールづくりを目指してEUやニュージーランド、米国・カナダ諸州の参加で発足。日本政府はオブザーバー参加している。
「毎日jp 2008年6月24日」

 排出権取引で最も問題視されるのは,CO2の金融化なんだけど,いろんなストーリーに沿って,ヘッジファンドが裁定取引で儲ける(場合によっては損する)ことになる. 
 たとえば,地政学的リスクが高まるという「うわさ」が流れる⇒原油価格が上昇するだろう⇒代替燃料(石炭など)の使用率が増えるだろう⇒電力会社はCO2排出量が増加するだろう⇒キャップに収まらない可能性が高くなるぞぉ⇒排出権の価格が上昇するから,今のうちに排出権を買っとけ!……というようなストーリーも考えられる.

 ほかにも,原子力の安全性・信憑性に関する「うわさ」や,水力発電の割合が高い地域での渇水という「うわさ」など,いろんなストーリーが「うわさ」だけで作られるんだろうな.毎度のことながら,マネーゲームの発端となる「うわさ」には閉口してしまうが,排出権取引もバブル化すると思う.
 結局,ガソリンや鋼材,食品にまで波及した物価高のように,金持ちのお遊びのツケを,一般国民が支払うことになるんだよなぁ……そろそろ勘弁してほしいんだけど.

 ちなみに,技術士試験では,C&T方式の排出権取引制度をタラタラと説明する必要はない(そんなことより他に書くことがあるはず).だけど,東京都ではC&T方式の排出権取引を導入する条例が成立,国の方向性も排出権制度の導入がほぼ間違いない状況,これぐらいは頭に記憶させておいたほうがよいと思う.

―今日のことわざ―
風が吹けば桶屋が儲かる


建設一般 | 【2008-06-25(Wed) 20:58:32】
Trackback:(0) | Comments:(2)
コメント
バルです。
継続して頑張ってこられた受講生の方達は、論文作成も概ね完了し、総復習の時期ということですか。確かに7月はそういう時期なのかもしれないですね。

完全に出遅れていますが、私も講座OBということで共に頑張らせていただきます。

2008-06-28 土 00:38:42 | URL | バル #J7Ti0pLo [ 編集]

バルさん,こんにちは.

継続して頑張ってこられた受講者さんは,暗記とイメージトレーニング,これらに時間を費やしているはずです.一方,受講者さん全員が順調に論文作成を終了しているわけではありません……残念ながら各自事情もありますし.

このへんは各自の判断になりますが,残り1ヶ月と迫った試験日ギリギリまで論文を作るよりも,そろそろ復習というか,暗記(あるいはイメージトレーニング)したほうがよいと思っています.
あれもこれも出題されるかも?と不安になるのは理解できるんですが,いくら論文の数を作っても頭の中に残っていなければ意味がないので……(バルさんは講座OBだから理解していると思うけど).

バルさんは,2年連続して合格しているんだから,試験当日なんとか書き切る地力は持っていると思います.受験を深刻に考えるのではなく,2科目目なんだから「ありのままの自分」で気楽に?勝負すればよいと思います.
2008-06-28 土 13:37:25 | URL | らがー #- [ 編集]
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