何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 口頭試験情報の扱い方
口頭試験情報の扱い方
 今年も残すところわずかとなりました.来年度の受験に向けた添削指導は,受講者さん全員に対して,昨年よりも細かな指摘をしているので進捗状況は芳しくない(厳しくしているから当たり前か……).今苦労しているぶん,きっと後が楽になると思うので頑張ってください.
 低入業務を目一杯抱え込まされたり,低入のおかげ!?で予算が余ってこの時期に年度末の業務を発注・受注したり,と右往左往している受講者さんも多いはず(というか私がその状態です).そんなこんなで,論文作成の「ろ」の字も出てこない受講者さんも多いんだけど,正月で心機一転して年明けから追い上げてくるはず……期待しています.

 受講者さんから教えてもらったんだけど,口頭試験情報を公開するか否か,が話題になっているらしい.私の考え方は,同一年度の受講者さんが互いに不公平を感じないような対応を取る,これに尽きる.つまり,先に面接を受けた受講者さん(先発組)から得た情報を,後から面接を受ける受講者さん(後発組)へ好き勝手に垂れ流さない,ということ.
 ちなみに,昨年度の口頭試験で得た情報は,すべての受講者さんへの指導で活用させていただきました(もちろん個人情報は伏せたうえでの話).

 今年度の道路科目の受講者さんは,12月13・14日(先発組)と20・21日(後発組),これら4日間に面接が集中していました.面接を終えた先発組から多様な情報が入ってきたんだけど,後発組が有利になりそうな情報はシャットダウンさせてもらった.年明けの総監部門でも同じ措置を取るつもり.
 今までもそうしてきたし,これからもその考えに変わりはない.
CIMG09528
 たぶん,先発組の合否は面接直後に確定している.だから,結果論で考えれば,後発組に情報を垂れ流しても先発組の有利・不利は関係ない.また,類似した質問がなかったなど,結果論で考えれば,垂れ流した情報はまったく役に立たないかもしれない.
 だけど,口頭試験情報を公開するか否か,については結果論で考えるべき問題ではないと思う.当たり前の話だが,情報を受け取ればそれに応じた準備ができるから,後発組が有利だと先発組は感じてしまう.たまたま後発組だった人も,自分が先発組だった場合どんな気持ちになるか,を考えれば自ずと答えは見えてくる.
 私は,一部の受講者さんが不公平に感じる行為は慎むべきだと考えている.これは受講者さんに限った話ではなく,すべての面接受験者に対しても同じことです(受講者さんを受験者と読み替えればよい).

 この問題を突詰めると,技術者倫理の前段である人間としての倫理,倫理学上の立場の問題になる.倫理学上の立場には,人間の行為の目的を「最大多数の最大幸福」の実現に置くべきか,それとも善い行いをしようとする意思(人間の尊厳)に価値を置くべきか,という永遠に和解できない相違がある.

 こうした倫理学上の立場は,前者の功利主義(ベンサムやミル)の倫理が常に正しいとか,後者のカント倫理学じゃなきゃダメだとか,そんな短絡的な話ではなく,ケースバイケースでどっちの立場で判断すべきなのか,自分の頭で考えて行動すべきである.
 きれいごとに聞こえるかもしれないが,口頭試験情報を公開するか否か,については功利主義的な結果論ではなく,技術士として自律的な行為(善い行い)をしようとする意思に価値を置くべきだ,と私は考えている.
 なんか小難しい話になったけど,これで年内のブログ納めです……みなさんよいお年を. 

―事務連絡(添削受講について)―
 12月25日(木)から,平成20年度の一次試験合格者だけを対象に,平成21年度の受験に向けた論文添削の申込みを受付していますが,この措置は12月31日(水)で終了とさせていただきます.
 年明けには,建設部門(道路)の論文添削についての記事も修正します.
―受講者さんへのお知らせ―
 これまでもお伝えしてきましたが,年末年始は12月31日(水)から1月4日(日)まで休みを取る予定です.ただし,メールは随時受付しているので,作成した論文は気軽に送ってきてください.
 なお,建設部門は専門想定問題その9(建設一般は着手していません)まで,総監部門は想定問題その5まで「配信済み」です.また,「制覇する道標」は両部門ともに11月17日付が最新版です.もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.
 最近は総監部門の「制覇する道標」を更新しているんだけど,どうやら年内の配信は難しそうです……空いた時間を使って書いているファイルなので,首を長くしてお待ちください.
 ご無理を言いますが,よろしくお願いします.

日々寸感 | 【2008-12-30(Tue) 13:18:13】
Trackback:(0) | Comments:(2)
コメント
Noahです.お久しぶりです.

倫理学からの後のコメントはなんか「トロッコ問題」と共通点がありそうですね.(私自信倫理学については詳しくないので、間違っているかもしれませんが.)

「トロッコ問題」も正解が無いので、口頭試験情報に関しても、当事者一人ひとりの判断ということかと思います.

私が建設部門を受験したころは今ほどインターネット上に情報が無かった(かあるいは気づかなかったか)ので、いろんな情報に左右されることなく受験した記憶があります.

情報があることも良いのかもしれませんが、あまりありすぎても取捨選択に時間がとられるので、どちらが有利かは判らないですね.

長くなってしまいましたが、来年もよろしくお願いいたします.

2008-12-31 水 16:49:42 | URL | Noah #- [ 編集]

Noahさん,こんにちは.

トロッコ問題とは,これまた難問を持ってきましたね……(笑.この問題も功利主義の「最大多数の最大幸福」を問題視するので,少なからず共通点はあると思います.ちなみに,私も倫理学は専門外なので話半分ということで…….

結局,自分が当事者じゃない場合は功利主義になりがちですが,自分が当事者になったとたんカント倫理学に従ってしまうんでしょうね(当事者が口頭試験の先発組か,トロッコ問題の突落し役か,の差は結構大きいと思いますが……).

上述したように,口頭試験情報も当事者か否かによって考え方が異なると思います.ただ,与えられた状況のなかで自分はいかに行動するのか,が倫理ですから,制御できないトロッコや試験実施機関に責任転嫁するのは筋違いだと思っています.

口頭試験情報の扱い方は発信する側の問題ですが,受信する側も情報を取捨選択するチカラが要求されているんでしょうね.数多けりゃいい!ってもんじゃないですから.

こちらこそ,来年もよろしくお願いします.
2008-12-31 水 20:16:08 | URL | らがー #- [ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
総監部門 択一問題集  平成29年度版
月別アーカイブ
E-NEXCOドライブプラザ
FC2カウンター