何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 難題山積
難題山積
 今年口頭試験を受ける(予定の?)方は,さまざまな公共事業の必要性について,自分なりの考えを整理しておきましょう.ちょっと気の毒なぐらい,あれやこれやと問題が山積していますが,それも試練だと思って筆記結果発表日までを有意義に過ごしてください.

 昨日,「鞆の浦埋立高架事業」に関する埋立免許交付の差止めを命じた判決があった.
 騒音や振動,大気汚染などの環境影響評価と違って,景観は客観的な評価が難しい.仮想市場法(CVM)というアンケート手法は,調査時点における(近視眼的な)民意は反映できるが,本来公共事業が有すべき中長期的な視点まで網羅しきれていない.つまり,景観の価値を客観的に判断する手法は開発途上ということ.
 「埋立や架橋の必要性,公共性の根拠に関する調査や検討が不十分」という司法判断も,どこまで根拠付けすれば納得してもらえるのか,という新たな難題を突き付けられた感じ.

 こうした状況下で(訴訟にならないような)民意を得るためには,事業の計画段階から住民参加を実施すべき,ということになる.しかし,観る人によってどの景観が利益に値するか,という主観は異なるし,もっと大きく言うと人それぞれ思想(人生観)も違うんだから,早い段階から住民参加すれば万事丸く収まるわけじゃない.

 万葉集に詠まれた景勝地で、映画「崖(がけ)の上のポニョ」の舞台になったとされる広島県福山市の鞆(とも)の浦で、県と市が進める埋め立て・架橋事業をめぐり、反対する住民ら159人が県知事を相手取り、埋め立て免許の交付の差し止めを求めた訴訟の判決が1日、広島地裁であった。……中略……

 判決骨子
▽広島県知事は、県及び福山市に対し、公有水面の埋め立ての免許を交付してはならない
鞆の景観は美しいだけでなく、歴史的、文化的価値を有する国民の財産である。近接する地域の人の景観利益は法律上、保護に値する
▽事業者が主張する埋め立て、架橋の必要性、公共性の根拠は、調査、検討が不十分で、合理性を欠く
 「YOMIURI ONLINE 2009年10月1日」

 話はガラッと変わるが,多くの方が無駄な空港だらけと感じているのではないだろうか.
 かなり極端な数字かもしれないが,羽田や成田,関西,中部,新千歳,那覇など経済産業活動に必要な空港は10程度,離島などシビルミニマムとして必要なのが20程度で,残りは政治路線絡み??日本全国には90を超える空港があるらしいが,あきらかに造りすぎた.
 ハブ空港……と今さら嘆いても仕方ない.空港こそ「選択と集中」で整備すべきだった.

 ただでさえ地方空港は赤字が多いのに,政治路線を止めたい……とつぶやいているJALが定期便を減らしたら,存続は難しいんじゃないか.もし地方分権になれば,東京?地方便を飛ばすための空港,この役目も終わるのではないかと.
 とは言うものの,空港の廃止も一筋縄ではいかない.近隣の空港が温存されてオラが街の空港だけ廃止になるのか?観光立国を目指しているのにオラが街の空港を廃止するのか?などなど,いろんな反論が目に浮かぶ.

 いけいけドンドンの豊かな時代は終わった.それは確かだが,なんでもかんでもハードランディングでは軋轢ばかりが生じてしまう.ハチャメチャな数値目標を掲げた温暖化対策と高速道路の無料化,円高容認発言と観光産業の育成など……どう考えても無理矢理も多い.公共事業の削減で捻出される子供手当は雇用を生むわけじゃないことも肝に銘じて,有効な内需主導策を打出してほしい.

―今日のことわざ―
切る手遅かれ


建設一般 | 【2009-10-02(Fri) 19:28:19】
Trackback:(0) | Comments:(2)
コメント

らがーさん、こんにちは.

ちょっと過激な意見かも知れませんが、建設する・しないは住民の意見(当然投票等の多数決になるわけですが)を第一に尊重すべきかなと私は思います.

当然、十分(何をもって「十分」と判断するかは難しいですが)な調査、検討を行い、住民に開示して住民投票を行えば良いのかなと.

歴史的、文化的価値を声高に主張するのも良いですが、地域住民にそれを押し付けて利便性というか普通の暮らしが出来る程度の社会基盤整備の機会を奪うのはちょっと違うんじゃないかな.

景観の変化も含めて歴史であって、当然その変化を受け入れるか否かも住民の責任で行われるべきだと思います(ドレスデンもしかり).
2009-10-03 土 08:30:30 | URL | Noah #fV/HMXoU [ 編集]

Noahさん,こんにちは.

>建設する・しないは住民の意見(当然投票等の多数決になるわけですが)を第一に尊重すべき

Noahさんがおっしゃられるように,判決で述べられた「国民の財産」なんて大げさな話ではなく,地元住民がどう考えるかでしょうね.
もし,地元住民の民意として「建設しない」ってことになれば,それを他の地域に住む人がとやかく言えないと思います.民意を問うた結果「建設する」ってことになれば,それもまた然りですが.

>景観の変化も含めて歴史であって、当然その変化を受け入れるか否かも住民の責任で行われるべき

私も,いつまでも変わらない景観,それだけが美しいのではないと思っています.
賛成派と反対派,どちらにも言い分はあるでしょうが,揉めたら提訴では,PTAが叩いてしまった学校教育と同じように行政職員が委縮してしまうし,何より地域コミュニティが廃れる一方になるような気がします.
2009-10-03 土 14:51:55 | URL | らがー #- [ 編集]
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