何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 海外インフラの受注競争
海外インフラの受注競争
 最近,年度末の納品ラッシュが加熱どころか沸騰してきているんだが,新興国のインフラ受注競争も熱いようだ……それしか成長戦略の道筋が見えないとも言えるが.まー,零細コンサル勤務の私には,海外の案件が飛び込んでくる可能性は限りなくゼロに近い.

 アジアや中東,中南米などで予想されるインフラ投資は,更新需要も含めると2030年までに約2,200兆円に達するという試算もあるようだ.
 海外インフラを手掛けるには政府の支援が不可欠だが,一部の大企業を支援することがどのような国益になるのか,を合理的に説明できているとは到底思えない.子ども手当や高校無料化など,弱者保護を重視した政権とは正反対の動きのような気もするし.

 それにしても,政府がリスクを負うことになる「インフラファンド」のような手法に対し,どれだけ国民は理解しているんだろうか(最終的に被った損害は税金で補填されるはず).
 政府開発援助(ODA)はひも付き案件がバレたから?世界で5番目の規模まで縮小している.その代わりの「インフラファンド」かもしれないが,金の出所が違うだけで,企業が案件を獲得しようと政官界に働きかけるODAと同じ仕組みだと,癒着の温床になりやすいのでは?

 海外で相次ぐ原子力発電や鉄道などの大型社会基盤(インフラ)事業の受注を目指し、経済産業省が策定した「インフラ輸出総合戦略」の原案が20日、明らかになった。
 海外事業に参画する日本企業を資金面から支える「インフラファンド」の設立を後押しする金融支援、メーカーとインフラ運営企業の連携強化、外交ルートで相手国に働きかける首相や閣僚らによるトップセールスなど官民一体の取り組みを求めている。

 戦略案は26日の産業構造審議会専門部会に提案、経産省の「産業構造ビジョン」に盛り込み、政府が6月にまとめる新成長戦略の目玉に位置付けたい考えだ。
 経産省は途上国などで発電所や上下水道、鉄道などのインフラ需要が急拡大し、世界の投資額が年間1兆6000億ドル(約144兆円)に達すると推定。しかし、受注合戦では欧米や中国などが官民一体で参入しているのに対し、日本勢はメーカーと電力会社やJRなどのインフラ運営企業の連携が十分取れていない。戦略案は政府の総合的な支援を含めた官民一体の体制づくりが必要と強調した。

 戦略案の柱は金融面の支援だ。受注合戦では企業が低利の長期資金をどう工面するかが決め手となる。そこで民間からは調達しにくい長期資金を公的金融を投入することで手当てしやすくする。具体的には、国内の年金基金や機関投資家などの資金を集めて海外事業に投資するインフラファンドを国内でも設立できるように貿易保険を活用する。戦争や政治経済的な要因でインフラ事業が行き詰まった場合、資金を回収できなくなる恐れがある投資家の出資分などを補填(ほてん)する仕組みだ。
……以下,省略……
 「YOMIURI ONLINE 2010年3月21日」

 少子高齢化や人口減少など,内需が頼りにならない現実はわかるんだが,現実逃避して,新興国という新たな外需を取込むだけの成長戦略が正しいのだろうか.そうして稼いだお金が国民に還元されるとは思えないし,そもそも海外インフラに手が出せる企業なんて所詮数が知れている.おまけに,現在新興国と呼ばれている国々が豊かになれば,次の新興国を探して……と「いたちごっこ」が続くだけだし.

 ぎすぎすしたグローバルな市場競争よりも,コミュニティや福祉を重視する精神的な癒しが必要だ,なんて後ろ向きなことは言わないが,新興国に進出すればすべてがバラ色というわけではない.やはり内需で食べていける基盤を確立したうえでのお話だと思う.加熱しすぎた国内の公共事業不要論を鎮める時期に来たのではないか.

―今日のことわざ―
耳を貴び目を賤しむ


建設一般 | 【2010-03-21(Sun) 13:49:10】
Trackback:(0) | Comments:(0)
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
総監部門 択一問題集  平成29年度版
月別アーカイブ
E-NEXCOドライブプラザ
FC2カウンター