何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 成功事例の模倣
成功事例の模倣
 今年度の専門(道路科目)問題は,“あなたがこれまで関わった”や“あなたがこれまでに携わった”のような“自分の経験”を問う新たな形式だったので,それに準じて口頭試験対策を考えておくべきでしょう.要するに,雑誌「道路」や国土交通白書に書かれている“お決まりの方策”を覚えるだけじゃなく,それを自分はどう活用するのか,という実体験を意識して口頭試験対策すべきということ.
 たとえば,地域活性・再生は永遠に解決できないテーマになりつつある事柄だから,観光という視点も含めて自分の経験を整理しておく.そのとき,“お決まりの方策”を羅列している文献だけじゃなく,いろんな書籍に目を通して,自分なりの見解を考えれば効果が高い.

 「地域再生の罠」は,土建工学者(著者による造語)や自治体が“これでもか!”というぐらい叩かれています.“実際は失敗している事例を成功事例として祭り上げ,その模倣を勧めて市民を騙している”という論調で,トコトン土建工学者や自治体を悪者扱い……「日本版スローシティ」では,そんな極端なことを書くような著者ではないと思っていたんだけど.
 新書が乱発される状況で,読者の目を引いて売上げを伸ばそうとすれば,どうしても極端な論調になるのかもしれない.
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 『コンパクトシティの本質を理解しないまま,西欧とは市民のライフスタイルも価値観も異なる日本に,コンパクトシティの表層部だけを模倣して持ち込む土建工学者は,あまりに心ないように思えてならない.』―という記述にしても,市民のライフスタイル云々よりも,郊外に拡散した現状のままでは,公共交通の継続やインフラの維持補修など,将来的に持続可能じゃなくなるから(やむを得ず)コンパクトシティという認識がメインだと思うんだけど. 

 これは毎度のことになるけど,地域活性化や地域再生で必ず説かれる「市民志向」は結構なんだが,それほど市民は賢いんだろうか?土建工学者の考えを排除した「市民志向でまちづくりは進める」けど,都市型水害に伴う浸水のような「災害が起こったときは土建工学者におまかせ」します,というのは,ご都合主義じゃないかな.

 本書の「市民と地域が豊かになる7つのビジョン」は夢話というか,反論できないキーワード(公益,交流,地域愛,心の拠り所など)で溢れていました.B級グルメをスローフードに進化させたり,スポーツクラブを作るという策は一過性の流行じゃないか?……など反論も多いと思う.そもそも,土建工学者による成功事例の模倣を批判しておいて,著者が成功と信じている事例の模倣を勧められても…….
 あれよあれよという間に「地方都市再生論」の感想を書くスペースが無くなってしまったが,この書籍で主張されている考えのほうが口頭試験の回答としては“受け”がよいと思います.

Amazon:地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? 久繁哲之介(著)
Amazon:日本版スローシティ 地域固有の文化・風土を活かすまちづくり 久繁哲之介(著)
Amazon:地方都市再生論 藤波匠(著)

―今日のことわざ―
一時違えば三里の遅れ



建設一般 | 【2010-08-17(Tue) 13:14:38】
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