何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 被災地からのメール(その3)
被災地からのメール(その3)
 被災地からのメール・同(その2)とは別の受講者さんからのメールになります.
 実際に被災した人じゃないと書けないことは,私一人ではなく,できるだけ多くの土木技術者が知るべきだと思っています.今回のメールでは,特に公務員技術者の方に何か感じ取っていただければと思います.

 地震の当日は,○○にて通常業務中でした。庁舎放送の緊急地震速報の後に強烈な激震に襲われ,身動きが取れない状況となり,あらゆる棚や机の書類や物が散乱し足の踏み場が無い状況でした。
 長く継続する地震というより,3回くらいの激震が連続して,これまでに経験したことが無い凄まじいエネルギーで正直恐怖を感じました。(余震の頻度が多くこのメール中も揺れています)まもなく停電,自家発での電気供給となり,電話・携帯も不通となりました。
 全庁的な災害体制となり,私は災害対策本部(○○班)への配属後現在は○○担当課への応援要員として3交代勤務により被災状況の取りまとめ等を行っております。

 以前に気仙沼,石巻の地方機関の勤務を経験しており,特に気仙沼・南三陸はチリ地震津波の被害もあることから,津波防災に関する地域住民の意識は非常に高く,行政と地域が一体となってサインの作成や避難訓練など積極的に取り組んでおりました。また,防潮堤や水門などハード整備も進めており,最近水門の耐震化・遠隔操作も完成したところでした。
 しかし,想定をはるかに超える大津波が来襲し多くの人命が失われ未曾有の被害となり,自然の恐ろしさと人間の無力さを痛感するとともに,常に津波を意識する地域での出来事であり非常に悔しい思いとなりました。逆に考えれば10mを超える大津波であったにもかかわらず,迅速な避難により多数の命が救われたのかもしれません。
 
 今回の地震,津波により沿岸部を中心に鉄道や各種ライフラインが被災し,被災地を始め,周辺の都市機能は完全に麻痺している状況です。一般市民の食料や水の調達も困難となっております。
 われわれ○○自治体の職員も勤務中に被災し亡くなった人や身内等に被災者が多数いる中で,様々な地域や団体,ボランティアの協力を得て復旧,復興に取り組んでいるところです。沿岸地域の復興は相当長い期間を要するかと思いますが,人の命の重みを体感した今回の災害を踏まえ,まちづくりを含めて復興に取り組んで行きたいと思います。
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 今回の震災について,発生から1週間しか経過しておりませんが,昨日のメールで伝え切れなかったこと,感じたことについて雑駁ながら書いてみます。

 実は義理の両親が気仙沼在住で,震災後音信不通となり1週間経過しようやく連絡が取れ無事が確認されました。地震直後,早急に高台に避難したとのことで,日頃より地域の防災組織,訓練を頻繁に行っていることを聞いており,住民意識や日頃の訓練など地域ぐるみの取り組みが多数の命を救ったのではないかと考えます。

 震災の当日から未明にかけて災害対策本部の要員として詰めており,消防・警察・自衛隊など様々な防災機関など同じフロアで活動しておりました。しかし,被害の状況は断片的にテレビなどで伝えられるだけで被害の全容がつかめず,被害が甚大な三陸沿岸部の情報はまったく入らず,逆に,被害が軽微な地域からは被害状況や物資要請の連絡が早くから入り対応に追われる状況となりました。

 あまりにも被害が甚大であるため,電気通信が遮断され既存の通信手段(電話・携帯・衛星携帯さえも)は全く機能せず,携帯メールが断片的につながる状況でした。技術の進歩により新しい通信手段が活用されているが,本当の有事の際は全く役にたたない前提で対応せざるを得ない(被災地と支援サイド)ことを痛感しました。
 それは,結果的に自分の命は自分で守るしかないということで,これまでの行政の進めてきたハザードマップや避難箇所の指定などソフト対策や住民への情報提供などこれまでの防災に関する取り組みの根本にかかわることであると感じました。(最新の通信設備や立派なマップにより住民は安心する?行政が提供する想定,シュミレーションは?)

 また,今回の災害の特徴として被災の規模,範囲の大きさや沿岸部の工業地帯(製油所)や港湾を津波が襲ったことにより広範囲が停電し復旧までに時間を要したことから,電力供給が欠かせない病院や重要施設,通信施設の発電用油脂類の確保が問題となりました。
 さらに,ガソリンスタンドはもとより重油や軽油,灯油の供給も滞り,緊急車両への給油もままならず,被災状況の調査さえも困難となりました。1週間が経過しようやく緊急車両指定スタンドなど整備されつつありますが,県内の5%程度しか営業できない状況となっています。ライフラインの復旧,物資の輸送,住民の移動などガソリンを始めとした油脂類の確保と供給の重要さを痛感しました。(食料も輸送できない)

 1週間程度しか経過していませんが,建設技術者として公共施設の早期復旧が使命となりますが,災害の規模,被災施設,影響範囲,地域特性を早期に把握し応急対応や支援の要請など発災後に的確な対応をすることにより市民生活への影響を小さくすることができるのではないかと感じました。
 結果的には多数の犠牲者が発生する大災害(いまだに全容は把握しきれませんが)でしたが,今回の経験による課題を分析する事により,これからの日本の成長発展に必ず生かせるものと考えます。多数の犠牲者のためにも残った者の使命でもあると思います。



日々寸感 | 【2011-03-20(Sun) 08:01:44】
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