何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 便利さとリスク
便利さとリスク
 今週は検査ラッシュです(本当は先週済ませたかったんだけど……).東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響が落着いたわけじゃないですが,少しずつ普段通りのブログ内容にしていきたいと思います.

 青本の定義では,リスクは発生確率と被害規模の積とされているけど,不安の度合(制御不能の恐ろしさ,馴染みの無さ,心身的な苦痛など)も積に加えてリスク認識するのが一般国民の実態だと思う.もし発生確率と被害規模の積が同値であっても,飛行機と列車での移動なら飛行機のほうが不安だ(不安の度合が高い)と感じる……飛行機はハイリスクと認識するようなもの.当たり前のことだが,原発事故に関連した放射線や放射能物質は無味・無色・無臭だから,不安の度合は格段と跳ね上がる.

 原発事故はカタストロフィー・バイアスに陥りやすい.それがわかっていながら設定した民主党の避難範囲には疑問を感じる.ただでさえ過剰反応しているのに,時間の経過とともに避難範囲を拡大し,さらに不安の度合を助長するような手法はまずかった……とは言え,自民党が政権運営していても同様の結果だったかもしれない……要するに現段階で悪人探しをしても仕方ないということ.
 青本(表5-2)ではバイアスの種類をざっくり書いているんだけど,認知バイアスの特性も知っておいたほうがよいと思う.

 災害の特性にもとづくリスクの認知バイアスには、以下の特性が見られる。
・災害へのかかわりが自発的かどうか。自発的なかかわりで生じた災害のリスクは過小視される。
・災害を個人でコントロールできない災害のリスクは過大視される。
・災害が誰にでも平等にふりかかるか、特定の人やグループのみか。不公平なリスクは過大視される。
・災害の範囲の広いリスクは過大視される。
・一度に多くの被害者が出る災害のリスクは過大視される。
・死につながる災害はそうでない災害より過大視される。
・滅多に起こらない災害のリスクは、しばしば起こる災害より過大視される。
・次の世代への影響の可能性がある災害のリスクは、そうでない災害より過大視される。
・進行過程が見えない災害のリスクは見える災害より過大視される。
・あまり知られない災害のリスクはよく知られた災害より過大視される。
・人為的災害のリスクは自然発生的なリスクより過大視される。
・新しい災害のリスクは古くからある災害より過大視される。
 ただし、これらの認知バイアスは、互いに独立ではないことに注意する必要がある。
 
 「あとみん解説書:原子力-便利さとリスク」から抜粋

 最初に広範囲の避難区域を設定して徐々に区域を絞った場合,一時的なパニック行動に走る人が増えたり,事後保障の対象が拡大したり……という問題が懸念される.それは理解できるんだけど,カタストロフィー・バイアスを軽視した今回の政治的判断は失敗だった.
 また,日本は福島第一原発から30km圏内,米国は80km圏内(50マイル退避勧告)と避難距離に対する政治的な帳尻合わせ(青本では情報管理になるのかな?)ができていなかった点も,不安の度合を拡大させた一因だ.
 徐々に避難区域を広げた危機管理の手法や日米間での避難距離の違いが,政府と東京電力は重大な事実を隠蔽しているという憶測を呼び,それ以降の情報開示の信頼性を無くしてしまった.テレビで繰返し流されている「ACジャパン」のCMのように“くどい”広報も逆効果だが,信頼性が欠落した広報ほど空虚なものはない.

参考ホームページ:あとみん(原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト) :原子力-便利さとリスク
あとみん解説書(PDFファイル):原子力-便利さとリスク

―受講者さんへの事務連絡―
 出張があるので4月1日?2日は添削をお休みさせてください.3月31日に送られたメールは,基本的に4月3日以降の返信になります.出先で時間が取れれば,なるべく早く返信しますが,確約はできません.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.

―受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は,想定問題15問(専門その12・建設一般その3まで)を配布済みです.総監部門は,想定問題その10(最終問題)までを配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

総合技術監理 | 【2011-03-28(Mon) 18:08:19】
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