何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 列島強靭化論
列島強靭化論
 大穴とは言え,今年度の建設一般は「復興構想」が出題されるかもしれない.
 技術士としての資質を試すのなら,模範解答が示されていない「復興構想」のような出題が望ましいと思う.答えが決まりきった従来の試験問題では,A評価とB評価の振り分けがどうしても恣意的判断になってしまうし,ここ数年特にその傾向が強いように感じる.

 昨日『列島強靭化論』を読んだ.前著『公共事業が日本を救う』も熱かったのだが,今回も吠えている……土木(交通)計画から社会心理学,経済政策や社会思想?へと話が大きくなるのはいいんだが,それに準じて自分の思いが先行しすぎている感も否めない.
 とりあえず序章の熱い思いを引用しておく.復興に対する考え方はいろいろあるので,一読しておけばいいんじゃないかな?

 被災された一人ひとりの生活と生業を再建することが復興の基本,と著者が主張する「ふるさと再生」のビジョンは理解できる.だけど,コンパクトシティやスマートシティ,エコタウンを机上の空論としてぶった斬るのは,さすがにリップサービスが過ぎるような…….
 どうのこうの言っても,技術士試験の場合は,復興会議が提唱する国策(机上の空論?)に付かず離れずの姿勢でまとめるのが無難だと思う.

 激甚な被害を東日本は受けた、そしてそれを通して、「国難」とさえいいうる被害を、我が国は受けてしまった。しかし、ここで、うろたえずに、冷静に判断をし、適切な対策を間違えずに行うことができれば、東日本も日本経済も「5年」でその基本的な復活を果たすことができる。
 しかも、これからさらに「連発」しかねない「巨大地震」をはじめとする数々の国難的危機をも乗り越えうる「強靭」(resilient)な国家、すなわち、どのような危機に対しても「しなやか」に堪え忍び、永きにわたって繁栄し続けることができるような国家を、「10年」をかけてつくり上げることができるに違いない――本書『列島強靭化論』は、そんな筆者の確信を、「広く日本国民に問う」ことを目的として、改めて書き起こしたものである。
 『列島強靭化論』p.13

 悪意的に言うわけじゃないんだけど,あえて厳しい見方をすれば,今回の壊滅的な被災がなかったとしても,現状の生活を長期的に継続するのは難しかったのではないか?たとえ「ふるさと再生」しても,いつまでその形態を保てるか,という点に疑問が残る.
 これは何も被災地に限った話ではない.人口減少や高齢化に加え,公共交通機関の縮小,都市との所得・雇用格差,第一次産業を中心とした地域産業の停滞,耕作放棄地の拡大,限界集落の増加,蔓延的な医師不足……など,地方の問題を挙げれば切がない.

 こうした問題を,コンパクトシティやスマートシティ,サスティナブル(持続可能)なエコタウンがすべて解決してくれるわけじゃない.しかし,地方の閉塞感を吹き飛ばすためには,数十年後も栄えているような地域づくり,その先駆けとなるような最先端モデル都市への復興を目指すべきだと思う.
 何十年か後に住むであろう子孫は,どのような復興が望ましいか,現在選択することができない.彼らが大人になったとき「先人は正しかった」と納得できるような選択を,今を生きる大人にできるか否か,これに本当の意味での復興の成否がかかっている.

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Amazon:公共事業が日本を救う 藤井聡(著)
参考ホームページ:京都大学 都市社会工学専攻 藤井研究室

―今日のことわざ―
千里の道も一歩から


建設一般 | 【2011-05-25(Wed) 12:25:43】
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