何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 時代錯誤の事業評価
時代錯誤の事業評価
 台風12号に続き,台風15号でも記録的な大雨に襲われ,各地で甚大な被害が発生,首都圏では帰宅難民問題が再浮上した.マーケットにも暴風が吹いており,22日の米ダウ工業株30種平均は前日比391ドル安と急落,年初来安値が目前に……今晩反発しなければ,週明けの東京市場は大変なことになるかも.
 自然災害に対しては自らの防災意識が大切だが,経済(家計)面から考えると,株式や為替の浮き沈みにチカラを注ぐより,自分への投資が重要だと思う.厳しい雇用情勢が当分続くんだから,保身目的で技術士を目指すという投資思考も「あり」だ.

 結局,3年前の金融経済危機に後戻りしてしまった.かつての銀行危機が財政危機に形を変えただけで,財政危機が信用収縮を通じて実物経済を圧迫する陰鬱なシナリオ.
 今年度の総監部門で出題されたような記述式問題では,シナリオに対する解決策を示す必要があるが,机上(青本)の論理と現実は大きく異なる.今回のシナリオがリーマンショックを超える危機に波及しても,世界にはもう救世主がいない,と市場では認識し始めている.つまり,現実が抱えている最大の問題は,3年前の金融政策的な対策手段や,アジア新興市場を当て込んだ需要のはけロがないことであって,これらを青本では解決できない.
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 ここで強引に道路分野へと話を振るが,(防災機能に主眼を置いた)道路整備の新たな事業評価手法の暫定案が示された.
 自動車の交通量を主眼とする現行の3便益(走行時間短縮便益,走行経費減少便益,交通事故減少便益)に関するB/Cだけでなく,防災機能や地域活性化など,交通量に左右されない事業の目的・効果に見合った評価が実施されるようだ.人の命を貨幣換算できるか?という長年の問題に対し,とりあえずの解答を示した感じ.

 この評価では,事業の必要性・有効性・効率性を確認するわけだが,災害(孤立集落の防止,緊急物資輸送の円滑化,道路ネットワークの多重化,減災対策への取組み),住民生活(救急医療施設への速達性の向上)は,必要性や有効性の観点から理解できる.
 しかし,地域経済・地域社会(ミッシングリンクや隘路解消,地域間の連携強化)の場合,「工業団地との連絡時間を短縮し,新規の企業立地の促進が期待される」という有効性の確認項目は,時代錯誤の印象を受ける.すでに国内で企業立地を争う時代ではなく,円高対策でドンドン海外に工場移転しているのが実態なんだから,有効性の確認以前に,事業の必要性の確認段階でアウトになる可能性が高いような…….

 政府・日銀が「為替の動向に注視する」と言うばかりで無策だったため,1ドル=76円,1ユーロ=102円と円高傾向が続いている.先日政府が発表した円高対策では,産業空洞化の防止に軸足を置き,国内の企業立地補助金や中小企業への金融支援などを拡充するらしいが,これらは一時的な措置に過ぎない.元請けが海外移転して調達先を変えようとしているのに,国内の中小企業に資金繰りしても意味が無いというか,先送りしてきた今の財政危機と同じ構図が浮かぶ.
 こうした後手後手の政策が,道路の事業評価にも時代錯誤を生じさせているような気がする.そろそろ「おらが町にも企業立地」という決まり文句は通用しなくなるんじゃないか.

参考ホームページ:社会資本整備審議会 道路分科会 第5回事業評価部会 配付資料

道路科目 | 【2011-09-23(Fri) 12:47:58】
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