何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 「知」の欺瞞
「知」の欺瞞
 バタバタしているうちに,ずいぶん前に読んだ「知の欺瞞」が文庫化されていた.「知の欺瞞」と言うより「ソーカル事件(ウィキペディア)」のほうがわかりやすいかも.やっと年度末の生活から解放されたので,これを題材に思うところを書いてみよう.
 添削指導をしているから,「知の欺瞞」で指摘される「濫用」状態の論文を見かける機会が多い.総監部門の場合,青本のキーワードを使わないと評価が上がらないのも確かだが,やたらめったら使う「濫用」はいただけない.建設部門でも同じことが言えるんだけど,特に普段使わない用語が多い総監部門では,「知の欺瞞」状態になっていないか,自分で再確認する姿勢が大切だと思う.

 この本で「濫用」とは次の特徴のいずれかひとつ以上を備えたものを指す.
 (1)どう見てもごく漠然としか理解していない科学の理論を長々とあげつらうこと.最もよく見受けられるのが,用語の本当の意味をろくに気にせずに,科学的な(あるいは疑似科学的な)用語を使ってみせるという流儀である.
 (2)省略
 (3)まったく無関係な文脈に,恥もなく専門用語を投入して,皮相な博学ぶりを誇示すること.科学を知らない読者を感服させ,さらには威圧しようとしているとしか考えようがない.……以下省略……
 (4)実際にはまったく意味のない言葉や文章をもてあそぶこと.これが度を過ぎると,以上あげた著述家の幾人かのように,言葉の意味についての重度の無関心症を併発した真性の専門用語中毒に陥ることになる.

 『「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用』から抜粋(下線と太字は加工)
 Amazon:「知」の欺瞞 (岩波現代文庫) アラン・ソーカル, ジャン・ブリクモン

 上の番号に沿って少しコメントを.
(1)に該当する方は結構多い……案外,夢中で論文を書いている本人は指摘されるまで気付かないものです.これは添削指導で数回やりとりすると改善されます.
(2)はブログ記事と関係無いので「省略」しました.気になる人は書籍を読んでみてください.文庫のページはわかりませんが,単行本だと6ページになります.
(3)を書いているケースも多いです.ただ,人一倍勉強しているから「ついつい書いてしまう」とも言えるわけで,これは一概に悪いとは言えないと思っています(もちろん添削指導ではツッコミますが).
(4)に該当するのは(さすがに)レアケースです…….

  「知の欺瞞」を乱暴にまとめると,「知ったかぶりをしない」ということだと思う.総監部門の場合,青本のキーワードを知ったかぶりで書いていないか?と自分の胸に問いかけてみる必要がある.この受験者はキーワードを理解して書いているのか否か,は読み手(試験官)のレベルが高ければ即断されてしまうので.
 キーワードを暗記している状態が「知っている」状態ではない.自らが所属する組織ならキーワードの内容をどのように活用すべきか,キーワードを実現するために自らが所属する組織ならどういう行動を起こすべきか,というレベルまで噛み砕けていないと「知っている」ことにはならない.
 たとえば,ナレッジマネジメントの場合,大企業と中小企業,民間と官庁など,自らが所属する組織によって利用できる資源(方法も含めた生産の4M)は異なるわけで……それらが書けていないのに“とりあえずナレッジマネジメント”では「知の欺瞞」になってしまう.

 こうした内容(本業でも使えるノウハウ!?)まで厳しく添削指導しているから,“何回でも”になっているのかも……かと言って,添削回数に制限を設けたら一度にドバッと指摘することになるので,このへんが“うやむや”になってしまうんだよなぁ…….受講者さんには添削料金以上の価値を提供したいから,やはり採算度外視の“何回でも”しかないな.

―受講者さんへの事務連絡―
 事前にお伝えしたと思いますが,私事で4月1日(日)から4月3日(火)までは添削をお休みさせてください.3月31日(土)に送られたメールは,基本的に4月4日(水)以降の返信になります.ご無理を言いますが,よろしくお願いします.
―受講者さんへの確認事項―
 現時点で,建設部門は想定問題16問(専門その13(最終問題)まで・建設一般その3まで),総監部門は想定問題その10(最終問題)までを配布済みです.
 もし手元に届いていないようでしたら,メールで連絡してください.セキュリティソフトによっては,送付したメールが弾かれたかもしれないので.

日々寸感 | 【2012-03-30(Fri) 17:50:49】
Trackback:(0) | Comments:(6)
コメント

らがーさん,こんにちは.

私のために書かれた記事かと錯覚してしまうほど,一言一言が胸に突き刺さります.
今後も,“知ったかぶり論文”が何度も届くかもしれませんが,【何回でも論文添削】の継続方よろしくお願いします (^^)v.
2012-03-31 土 15:55:36 | URL | いなかもの #- [ 編集]

いなかものさん,こんにちは.

ナレッジマネジメントの使い方が強引な受講者さんは多いですよ(過去の受講者さんもそうでした).
どうのこうの言っても,勉強していないと「知ったかぶり」できないわけですから,この記事は笑い話として受け止めていただければ,と思います……深刻な思いで書いたわけじゃないので.

私としては“知ったかぶり論文”が何度届いてもよいと思っています(それだけ勉強している証拠なので).もちろん,その都度指摘させてもらいますが(笑).
【何回でも論文添削】の継続は了解です.
2012-03-31 土 17:48:17 | URL | らがー #- [ 編集]
らがーさん,こんばんは.
私にもこの記事はぐさりとこころにささりました.
受験時の最後は「合格のため」と割り切ってなんちゃってなナレッジマネジメントを記載するなど,いま振り返るとお恥ずかしい論文ばかりです.
でも,そこをとりあえずは割り切って乗り切って前に進むことが,次のステップに繋がるのかなとも思います.もちろん,はじめから真の意味で青本のキーワードを理解しておくことがベストですが・・・.
ところで、一つ後のエントリーでは,らがーさんもスマホに変えられたのですね.私もこの春にauのiphoneに変えました.iphoneなんでテザリングはできないので,引越後にすぐネット環境を整えたかったので,とりあえず,wimaxと契約してしてしまいました.結局は少し落ち着いた今はauひかりの契約申請をしてしまったのですが・・・.
まずは,とりとめとめのないコメントとなってしまいましたが,今後ともよろしくお願いいたします.
Noah
2012-04-15 日 22:02:28 | URL | Noah #hnp7Lnbs [ 編集]

Noahさん,こんにちは.

Noahさんがおっしゃられるように,“なんちゃって”でも「とりあえず前に進む」ことが一番大事です(そのために添削を受講されているわけですから).この記事は,とりあえず前に進んだ次のステップでの話です.

スマホは時代の流れなんでしょうね.私の場合,機能の2割程度しか使っていないと思いますが(笑).
2012-04-16 月 12:33:13 | URL | らがー #- [ 編集]
 「知ったかぶり」か・・・。確かに自分ではわかっているつもりが、わかっていないことも多い。でも総監技術を実務に適用しても、周辺からは「そりゃーそうだ、当たり前だよね。なんで難しい言葉をわざわざ使うの?」と言いたさそうな場面に出くわすこともある。そもそも、リソースが限定されていることが多いんだから、そんなに凄い派手な対策や方法なんて期待できないんだけど・・・。
 総監取得後、できるだけ実務で活用するよう総監にこだわって業務に取組んでいるけど、総監がわからない人にとってはピンとこない。新QCやQC7つ道具、リスクアセスメント、ナレッジ、PDCAなど、検討名称は難しそうでかっこいいけど、周りの人たちだって名称は使用せずとも、なんやかんやで、実務でそれなりのマネジメントを実践してきている当たり前のこと。自分の受験時も、当たり前に業務でやってきたことを総監技術に整理してきたんだから、当たり前といえば当たり前のことなんだよなー。
 私が実践する総監技術という技術が、あまりたいしたことないからだろうか? でも日頃の業務で生じるリスクやトレードオフを、マネジメントしていくことが総監だと思うのだけれど・・・・。なんか最近、しっくりこないです。

ココア
2012-04-19 木 21:14:05 | URL | ココア #- [ 編集]

ココアさん,こんにちは.

いろいろ悩まれているようですね.裏を返せば,それだけ真剣に仕事しているわけですから,きっと道は開けるはずです.
専門用語を使うときには“場の空気”を読まなきゃいけないんでしょうね.場のレベルを推し量る技量も身に着けたいものです.
総監技術というのは所詮(単に青本で定義されただけの)一つの枠組みですから,世間一般的な話(場)の中では,通用しないことがあるかもしれませんね.
2012-04-20 金 12:42:33 | URL | らがー #- [ 編集]
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