何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 リスクコントロール
リスクコントロール
 昨晩大まかな内容は聞いていたんだけど,今朝になって試験問題が入手できたので,とりあえず今年の記述式を振り返ってみたい.このブログを見ている方は,プロジェクトの対象分野で「建設工事」もしくは「地域開発計画の策定」を選択したと思うが,大多数が選択したであろう「建設工事」で振り返ってみる.

 1枚目は,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ②プロジェクト概要は,「当該地域の喫緊の課題」や「関連する他のプロジェクトや計画」が何かを明示しないといけない.なお,ここで示される「当該地域の喫緊の課題」と,④環境・要求の変化事項で選択する「表2のA群・B群の課題」は,課題という語句は重複しているが,当然別物である.
 ③あなたの立場は,「プロジェクトの完遂に責任を持つ」や「リスクを転嫁できない」という前提に気を付けたい.3枚目以降,リスク回避やリスク移転の対策は書けないということ.
 ④環境・要求の変化事項は,A-2とB-3の組合せが最も書きやすいのではないか.次点がA-3とB-5の組合せか?B-5を選択すると,2枚目の解答(必要となる調査・分析の内容)が難しいような気がする.A-3とB-3の組合せのように,必要となる調査・分析の内容が類似するものを選択してしまうと,2枚目の記述がしんどいかも.
 ⑤組織内外の状況は,③あなたの立場で発注者と書いたのなら受注者の状況に関する前提を,受注者と書いたのなら発注者の状況に関する前提を設定すればよい.

 2枚目は,リスク評価だと認識できるかどうか,によって出来が決まる.
 まず「設定した課題(たとえばA-2とB-3)の影響を把握するために必要となる調査・分析の内容」を書かないといけない.A-2を選択したのなら主要建設資材需給・価格動向調査などの基礎調査が書けるし,B-3は建設部門の技術士なら即興でそれなりに書けるはず.
 次に「調査・分析から想定される結果」を踏まえたリスク評価について言及する必要がある.設問で「影響の大きさとその発生の可能性」と書かれているので,定量化が望ましいが,定性的な記述でもよい.ただし,「プロジェクト推進に与える影響を大きなものから順に」という設問要求を満たせるだけ(定性的とはいえ大小が判断できる程度)の記述は求められる.
 最終的に,影響の数はA群・B群それぞれ2つ,2つの課題の影響として4つ程度挙げればよいのではないか.

 3枚目以降は,リスク対応(リスクコントロール)だが,あれもこれもと制約が細かいのなんの……ここまで決めなきゃいけないのかな?
 まず「対応を考える際の制限事項」は,膨大な対策費を計上するなど常軌を逸しなければ,自由に設定すればよい.ただし,これを長々と書いているようだと,後の設問に対する記述スペースが足りなくなる(0.5枚程度が理想的).
 次に「有効と考える3つの対応案を検討」するわけだが,あれこれ制約が多いので注意が必要なところ.2枚目で設定した2つの課題の影響が曖昧な状況だと,ここで頓挫してしまう可能性が高い.上述したように,影響の数はA群・B群それぞれ2つ程度に絞り込んでおかないと,対応案が発散してしまう.
 論文の構成は,以下のような感じでいいんじゃないかな?「対応案の内容」と「対応案の効果」の中身については,表4の例示を組合せて記述すればよい(1つの対応案で0.5枚程度,計1.5枚から2.0枚が理想的か).
---------------------------------
3.1 対応案1 プロジェクト単独の採算を優先する対策の組合せの案
3.1.1 対応案の内容
①対策1
②対策2

⇒「1つの対応案に含まれる対策の数は特に定めない」と書かれているが,3つも4つも書けるスペースは無いんじゃないかな?なお,1枚目の箇所で指摘したように,リスク回避やリスク移転の対策が書かれているようだとまずい.基本的にリスク低減の対策でまとめるのが無難だ.その際,予防・防止,軽減,分散,集約・中和,これら技術士ハンドブックに書かれている視点から取りまとめれば評価は上がるかも.
 A群とB群の課題(の影響)次第という側面もあるが,5つの管理分野のうち3つ以上には言及したいところ.
3.1.2 対応策の効果
3.2 対応案2 自らが所属する組織への影響を最適にする対策の組合せの案
3.2.1 対応案の内容
①対策1
②対策2
3.2.2 対応案の効果
3.3 対応案3 顧客・利用者や社会への影響を最適にする対策の組合せの案
3.3.1 対応案の内容
①対策1
②対策2
3.3.2 対応案の効果
---------------------------------

 最後に,「検討した3つの対応案を踏まえ」最適な対応案を策定するわけだが,構造物の比較選定のように“対応案3が最適”という短絡的な決めつけはナンセンスだ.
 たとえば,A群の課題(の影響)への対策は3.2.1から選択し,B群の課題(の影響)への対策は3.3.1から選択するなど,上述した3.1.1,3.2.1,3.3.1から対策をチョイス,組合せたものを最適案として理由付けすればよい(記述量は3つの対応案次第だが,1.0枚から0.5枚が理想的か).

 ざっと振り返ってみたが,細々と条件が記された設問を見たとき,根幹はリスクマネジメント(リスクコントロール)について問われている,と感じ取れるかどうか,によって論文の出来が決まったような気がする.

総合技術監理 | 【2012-08-05(Sun) 13:15:20】
Trackback:(0) | Comments:(2)
コメント

らがーさん,こんにちは.
只今,祭りから帰ってきました.

早速,記述式の講評をされるあたりは流石ですね.
毎年,頭が下がります.

さて,今年度は「リスクコントロール」ですか….
私の再現論文を読んでいただくのは余りにも気の毒な内容になっています.
ですが…恥を忍んで明日までには送信させていただきます.
厳しい評価を覚悟しておきます.

あぁ~今年も題意を外してしまったようです…OTL.
2012-08-05 日 17:37:32 | URL | いなかもの #- [ 編集]

いなかものさん,こんにちは.

> 只今,祭りから帰ってきました.

⇒お疲れさまでした.

> さて,今年度は「リスクコントロール」ですか….
> 私の再現論文を読んでいただくのは余りにも気の毒な内容になっています.
> ですが…恥を忍んで明日までには送信させていただきます.

⇒昨晩大まかな内容は教えていただきましたが,リスクマネジメント(リスクコントロール)が問われているとイメージできていれば…….
再現論文の件は了解です(余りにも気の毒な内容と前もって言われると恐ろしいですが).
2012-08-05 日 19:37:53 | URL | らがー #- [ 編集]
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