何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 ISO31000
ISO31000
 とりあえず今年の記述式を振り返ってみたい.このブログを見ている方は建設部門が大半だと思うので,対象とするプロジェクトを土木系のインフラ整備(施工)として振り返ってみる.

 問い(1)は,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①国際的なイベントは,土木系のインフラ整備を要する「国際文化・スポーツイベント」が無難だろう.ちなみに,国際会議や展示会・見本市は既存建物の利用が前提になるし,集客力から推定した場合,新たな土木系のインフラ整備は考えづらい.
 ②プロジェクトの名称,目的,事業期間及び予定される成果については説明不要だろう.コンサルタント勤務であっても,プロジェクトは○○の計画や設計ではなく,○○の施工を選ぶのが賢い判断だ.そのほうが,より広い視点からのリスク,リスク対応策を書くことができる.例年お伝えしているが,結論(対応策)で書く内容を先に決めておけば,施工という柔軟な発想になったかもしれない.
 ③背景状況(ないし環境)については,資材価格の動向や労働者不足の状態を説明すればよい.社会環境管理について言及するつもりなら,施工箇所の周辺環境(自然環境や住環境)を説明しておけばよい.
 ④プロジェクトと国際的なイベントとの関連について,長々と書く必要は無い.関連があるからプロジェクトが発生したわけで,ここで躓くようなら,プロジェクトの題材そのものがまずいということ.我が国や地域社会における課題への貢献については,イベント開催中の話を書きたいところ.要するに,⑤と味噌糞一緒にならないのが肝要だ.
 ⑤イベント終了後の話は,インフラ整備をプロジェクトにしておけば,それに伴う派生効果は思いつくだろう.論文全体通しての注意点になるが,前文に書かれている(ウ)維持管理・運営の主体は別組織になる(自らの所属組織ではない),という点を忘れてはいけない.
 ここまでの記述を1枚,もしくは1枚と2枚目の数行程度で収めたい.

 問い(2)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①「作業ステップ」は,先に「4つのリスクを何にするか」を決めてから書いたほうがよい.たとえば,着工時,施工時,竣工時(竣工後),これら3つぐらいの大きなステップを書けばよいのではないか.ここぞとばかりに,土工・排水構造物工・舗装工など,細かく工種分けする必要は無い.留意点は,建設技術に関するものではなく,総監技術の観点から記載したい.
 ②4つの主要なリスクは,たとえば着工時における設計図書の照査ミスや施工時における労働災害など,5つの視点(経済性管理・人的資源管理・安全管理……)をバランスよく取り上げたい.(a)から(d)は要求に沿って記載すればよい.

 問い(3)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①4つのリスクのうち2つを取り上げるわけだが,除外された2つのリスクのほうが影響は大きいんじゃないの?と採点者に勘繰られるようではお粗末だ.(a)から(c)は要求に沿って記載すればよい.
 ②と③は,リスク対応方針さえ加筆すれば,それ以外は昨年と同じパターンでいいんじゃないかな?当たり前だが,対応策は総監部門(青本のキーワードを使った内容)の記述になっているか,がポイントになる.また,2つのリスクを2枚で書くんだから,片方のリスクだけで1枚半書いてしまうような,バランス感覚の欠落はいただけない.
---------------------------------
3.2 1つ目のリスクへの対応策
3.2.1.リスク対応方針

⇒設問要求されているわけじゃないが,まずリスク対応方針(取上げたリスクを低減するのか,あるいは保有するのかなど)を示したほうがよい.ISO31000におけるリスク対応は,下記の7つの分類です.

 1.リスクを生じさせる活動を開始又は継続しないと決定することによって,
   リスクを回避する.
 2.ある機会を追求するために,そのリスクをとる又は増加させる.
 3.リスク源を除去する.
 4.起こりやすさを変える.
 5.結果を変える.
 6.一つ以上の他者とそのリスクを共有する.
 7.情報に基づいた意思決定によって,そのリスクを保有する.

 大まかにまとめると,1がリスク回避,2がリスクテイク,3から5までがリスク低減,6がリスク共有,7がリスク保有といった感じ(過去のブログ記事も参考になるかな?).リスクテイクやリスク共有,3から5までの考え方を踏まえたリスク低減,これらを書ければ高評価が期待できる.もちろん,採点者がISO31000のリスク対応を理解している,という条件付きになるけど.
3.2.2 対応策の内容
⇒対応策はひとつじゃないんだから,小項目を設けて2つの管理分野から対応策を書けばよい.ちなみに,3つ以上の管理分野を書くスペースは無いと思うし,それよりも前文に書かれている(エ)に配慮したいところ.
①○○○○(経済性管理)
 リスクの内容次第だが,PDCAサイクル,スパイラルアップ,フォローアップ,フィードバックなど,プラス要素のキーワードも盛込みたい.
②○○○○(安全管理)
 こちらもリスクの内容次第だが,労働災害対策ではリスク共有(青本で言うところのリスク移転)の具体策を挙げておきたい.
3.2.3 対応策の提案理由,予想効果,実施上の留意点
⇒これは説明不要だろう.
3.2.4 トレードオフおよび新たなリスクの発生等
⇒トレードオフはコスト(経済性管理)を中心に考えれば,容易に想像がつくはず.できれば,対応策として記述した管理分野(この例だと安全管理)以外の管理分野に言及したい.対応策の採用による負の効果を考えれば,新たなリスクの発生の記述は難しくないのでは?
---------------------------------

 ざっと振り返ってみたが,ここまで設問が細分化されているので,設問要求を確実に満たしているか否か,によって記述式の点数は決まるんじゃないかな?それにしても,前文ではISO31000と青本を似たり寄ったりのイメージで示しているが,リスクテイクやリスク共有は別次元の概念じゃないかと……いつになったら青本を改訂するつもりなんだろうか.

総合技術監理 | 【2015-07-20(Mon) 11:09:30】
Trackback:(0) | Comments:(0)
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

リンク
建設部門 択一問題集  平成29年度版
総監部門 択一問題集  平成29年度版
月別アーカイブ
E-NEXCOドライブプラザ
FC2カウンター