何回でも論文添削!技術士(建設部門・総合技術監理部門)受験 第4次産業革命
第4次産業革命
 とりあえず今年の記述式を振り返ってみたい.このブログを見ている方の多くは建設部門だと思うので,事業を「インフラ点検」として考えてみる.
 前文のなかで,事業は『継続的若しくは繰り返して行う複数プロジェクトの集合体などでもよい』と書かれているのは,おそらく橋梁や堤防,砂防などのインフラ点検を意識したものと思われる.
 大局的に見て,問い(2)は現在普及している技術,問い(3)はIoT(モノのインターネット),問い(4)は人工知能(AI),これらが作問委員の想定している(採点者が望んでいる)解答ではないだろうか.

 問い(1)は,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は説明するまでもないだろう.点検の目的が書けないようでは,正直どうにもならない.橋梁や護岸など,インフラの種別ぐらいは名称に盛り込んだほうがよい.
 ②は,前文に『定量的な記述が可能なものについては……できるだけ数値を用いて記述すること』と書かれているので,具体的な数で示したほうがよい.この段階で,発注者と受注者の別や責任あるポジションなど,自分の立場も明記しておきたい. 
 ③は,予算や工期の制約,労働力不足(将来予測含む)の状態を説明すればよい.ちなみに,劣化メカニズムや長寿命化計画など,事業内容の概略を長々と書く必要はない.①で事業の大枠がわからないようであれば,付けた名称がまずいということ.
  
 問い(2)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は,橋梁であれば橋梁点検車を書けばよい.『……5年前とか10年前でもよい』のだから,他のインフラでも同レベルの技術でよいと思う.機械ではなく,ビッグデータを取り上げる技術にする手も“あり”だ.ちなみに,この段階でドローンを書いてしまうと,問い(3)以降の解答が苦しくなってしまう.
 ②は,顕在化している技術導入の話なので,○日間の工期短縮,○%のコスト縮減など,定量的な記述を心掛けたい.数値以外では,仮設足場が不要になった反面,片側通行規制が必要になったなど,橋梁点検車の導入による変化を書けばよい.
 ③メリットとデメリットは,総合技術監理の視点(経済性管理・人的資源管理・安全管理……)のうち,経済性管理と安全管理を中心に論述すればよい.後の問いでは解答しづらい社会環境管理も,ここで書いておくのが得策か.トレードオフはコスト(経済性管理)を中心に考えれば,容易に想像がつくはず.

 問い(3)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は,事業が「インフラ点検」なら,IoTの切り札ともいわれるドローンが書きやすい.この機能は説明するまでもないだろう.
 ②は,品質確保でもよいが,マンパワー不足の解消のほうが手堅いか.労働力(投入できる人的資源)そのものが減少している背景状況は,問い(1)の③で示しておかなければいけない.
 ③は,新技術導入に伴う効率化やスピードアップ,それらによって労働力不足が緩和される流れを説明すればよい.解決されない部分は,新技術によって技術者のスキル不足(人的資源管理)やヒューマンエラー(安全管理)が完全に解消するわけじゃないので,このへんを言及すればよい.PDCAサイクルやスパイラルアップの必要性を書いてもよいだろう.
 
 問い(4)も,問われている項目ごとに注意点を書いてみる.
 ①は,AIロボットの一点張りでよい.もちろん,ヒューマノイド(人間型)ロボットに固執する必要はない.
 ②は,人からロボットへと仕事そのものが置換される流れを示せばよい.単に肉体労働や単純作業だけが切替わるのではなく,意思決定そのものをAIに委ねるケースが想定される点にも言及したい.端的にまとめると「価値観の変化」が肝である.
 ③は,上述した意思決定に関する情報管理と,キャリア形成に係る人的資源管理を中心にまとめればよい.導入により新たに生じる可能性のある課題は,人とロボット(の折合い)をどのようにマネジメントしていくか,というマネジメント体系の見直しが本筋になる.ただでさえ古臭い青本に書かれている枠組み(従来の価値観)が変わってしまうわけで……こうした小難しい話よりも,悪意のAI開発に対する技術者倫理を書くのが無難かもしれない.

 ざっと振り返ってみたが,政府の「日本再興戦略」に示されている第4次産業革命(IoT・ビッグデータ・人工知能)やi-Constructionの動向を知っているかどうか,によって難易度の感じ方が大きく異なったんじゃないかな?

総合技術監理 | 【2016-07-18(Mon) 11:20:45】
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